不思議の国のアリスの部屋 TOP 

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♥Alice's Adventures in Wonderland♥ 不思議の国のアリスの壁紙や画像イラストお話、無料映画などアリスだらけのお部屋です。ディズニー素材、ディズニー壁紙。ルイス・キャロル、アリス・リデル・・

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【ジョニー・デップがティム・バートン監督作品】

【アリス イン ワンダーランド』のいかれ帽子屋の役に正式決定!】

2009年9月19日(土)から前売り兼発売され、第1弾特典として本作のジャパン・プレミア(ジョニー・デップに会えるかも!?)への招待が当たる応募券付き特製ポストカードが付きます!

全米公開:2010年3月5日

 

日本公開:

2010年4月17日 決定!!

配給:

ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン

 

マッド ハッター 

ジョニーデップのマッドハッター

◆ルイス・キャロル著書1865年に出版した児童文学◆

 ◆不思議の国のアリス・ディズニーの歴史◆

◆若きウォルト・ディズニーが1923年スタジオを設立した時◆

◆最初に手がけたけたのは「アリス・コメディー」。◆

◆実写の少女とアニメーションを合成させたものでした。◆

◆「アリス・コメディー」第一作は「アリスの海の一日」で◆

◆1924年に公開されました◆

◆1927年までにアリス・コメディーシリーズは57本も◆

◆製作されアリスはウォルトに愛され続けました。◆

 

◆不思議の国のアリスと鏡の国のアリスを融合させた◆

◆ふしぎの国のアリスは1946年にアニメ化が決定しました。◆

◆そして2008年の現在でも世界中から親しまれている◆

◆ウォルト・ディズニーの代表作「ふしぎの国のアリス」が◆

◆1951年に誕生したのでした。◆

 

 

◆不思議の国のアリスの部屋で不思議の国に◆

◆迷い込んでください◆

 

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不思議の国のアリス最新映画情報!

鬼才ティムバートン監督&ディズニー

が手を組んだ超話題作!!

脚本はディズニー・アニメの大ヒット作

「美女と野獣」や「ライオン・キング」を

手がけたリンダ・ウールバートン。

ルイス・キャロル原作の名作童話

不思議の国のアリスの3D映画

新情報が入り次第随時更新していきます!

2008年8月オーストラリアの女優ミア・ワシコウスカ

がアリス役に正式決定した!!

ミア・ワシコウスカはオーストラリアキャンベラ生まれ。

バレリーナを目指していたが女優に転身。

ヒラリー・スワンク主演の「アメリア」などにも

出演している。現在18歳。

写真 ミア・ワシコウスカ Mia Wasikowska

不思議の国のアリス ミア・ワシコウスカ 

すでに脚色済みで、今年9月よりイングランドで撮影に入った。

全米公開は2010年夏の予定。

ジョニー・デップがいかれ帽子屋の役に正式決定した!

これはデップファンにもアリスファンにも朗報となった。

監督と数々の映画でタッグを組んできたジョニー・デップ

この映画の出演でバートンとデップは

7度目のタッグを組むことになる。

 Johnny Depp

不思議の国のアリス ジョニー・デップ 

続きは不思議の国のアリス最新映画情報

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~不思議の国のアリス~

アリスがこのサイトの中で迷子になっちゃったの!!

だれかアリスを見つけてあげて!

サイトの中にはヒントをくれるディズニーキャラクターが

かくれているわ。あやしそうなところをクリックしてみたら

きっと誰かが教えてくれるはず・・・

さぁ!アリスをさがす冒険の旅へ出発して!!

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不思議の国のアリス  フリー素材 

             

この画像は『不思議の国のアリスの部屋』オリジナルの画像です。無料で配布しています。使用に関しては規約もありますのでそちらの方は守っていただくようにお願いします。画像の使用は報告なしで結構です。まだ他のキャラクターも増やしていく予定です。

規約:画像の直リンクは禁止です。必ず右クリックして画像を保存してからお使いください。無料ですが『不思議の国のアリスの部屋』へリンクをしていただくようにお願いします。バナーを使用される場合は下のバナーをお使いください。

不思議の国のアリスの部屋  

 ◆不思議の国のアリス無料壁紙

 

不思議の国のアリス壁紙《チシャ猫》

800x600  



ここから下の壁紙などはコチラからダウンロードしてお使いください。プーさんや白雪姫、ミッキーマウスやドナルドなど、ディズニーの壁紙がたくさんあります。

                        

不思議の国のアリス《チシャ猫》                     不思議の国のアリス《主要登場人物》

             

不思議の国のアリス《お茶会》         不思議の国のアリス《帽子屋・三月うさぎ》

 

不思議の国のアリス《イモムシ》

不思議の国のアリス《ティータイム》

 

 


 

 


 

   

  

   

 

  

 

 

 薔薇の園丁 ジョン・テニエル

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★ ディズニーのゲームをする★

★遊べるフラッシュゲームの種類★

アクション

キム・ポッシブル アドベンチャーアイランド
スティッチのギャラクティック・エスケープ
リロ&スティッチ アタックオブエイリアン
バズ・ライトイヤー スターコマンダー
レミーのピンボールゲーム
ターザン ココナッツ・ラン
シュート・ザ・ムーン
パイレーツオブカリビアンアクションゲーム
 ブーのはちゃめちゃかくれんぼ
 ジョジョのたまごひろい
 ブレイクス&ビーツ ブロック崩し
 ティーモ・シュプリーモ
 チップとデールのどんぐりだ~いすき!
 クラッシュのサマーバケーション
 ムーランのトレーニングゲーム
 ミッキーのボールゲーム
 トレジャー・プラネットの ソーラー サーファー
 こちらコグ射的練習場
 バズ・ライト・イヤー ギャラクティック・シューティング
 バズ・ライトイヤー タイピングレンジャー
 くまのプーさん100エーカーのもり ハニーハントコンテスト
 レミーのクッキングレッスン
 チップとデールの春の冒険
 ミッキーのベルボーイはおおいそがし!!
 モグラの潜水艦
 マリーのダイヤモンド・チェース
 チップとデールのドングリ大作戦
 ミニーのクッキングパーティー
 ティガーのジャンプ
 くまのピクニック
 ムーシューの シューティングゲーム
 ESPNブロックくずし
 トレジャー・プラネットの 宇宙大決戦!
 ブーム・チカ ブームブーム

  不思議の国のアリスのゲーム

その他 パズルゲーム・スポーツゲーム・テーブルゲームなどまだまだたくさんディズニーの楽しいゲームがあります。

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【ロバート・サブダの飛び出す不思議の国のアリスの本】

 


 

アルマーニ・フィギュアコレクション

 


 

不思議の国のアリス子供用コスプレ

 


バンク チシャネコ


ドルチェナ ミルキーガール アリス

 


ぬいぐるみ オイスターズ M

 


ぬいぐるみ チシャ猫 M


ハートの女王・トランプ兵

 


インテリア ヒンジボックス 限定品

 


ぬいぐるみ ホワイト・ラビット

 


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ぬいぐるみ ダム&ディ

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ハッピーレインボー 2S チシャ猫

 


GILLI(ジリ)●雑誌掲載♪不思議の国のアリス 【ブラック】

 


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双子の兄弟 ディとダム  不思議の国のアリス

前編 [1-4] [2-4] [3-4] [4-4]    後編 [1-4] [2-4] [3-4] [4-4]

 

★ディズニーアニメ 不思議の国のアリス映画 はこちらから観てください。★

ディズニー 不思議の国のアリス 映画 

日本語 吹き替え 

ディズニー・不思議の国のアリス『Alice in Wonderland』 

Part1→(クリック)  

Part2→(クリック)

Part3→(クリック)

Part4→(クリック)

Part5→(クリック)

Part6→(クリック)

Part7→(クリック) 



 

★不思議の国のアリス ~不思議の国の大冒険~ ALICE'S ADVENTURES IN WONDERLAND・YouTube無料動画 映画~英語版~★



1972年制作イギリス作品・DVD発売日: 2005/03/25


第26回英国アカデミー賞撮影賞、衣装デザイン賞受賞作品。


製作:デレク・ホーン 監督:ウィリアム・スターリング 原作:ルイス・キャロル 撮影:ジェフリー・アンスワース 音楽:ジョン・バリー 出演:ピーター・セラーズ/フィオナ・フラートン/マイケル・クロフォード/ロバート・ヘルプマン/マイケル・ホーダーン


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YouTube


◆チャプター1◆

◆チャプター2◆

◆チャプター3◆

◆チャプター4◆

◆チャプター5◆

◆チャプター6◆

◆チャプター7◆

◆チャプター8◆

◆チャプター9◆

◆チャプター10◆

◆チャプター11◆

◆チャプター12◆

◆チャプター13◆

◆チャプター14◆

◆チャプター15◆

◆チャプター16◆

◆チャプター17◆ FIN 


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★不思議の国のアリス ~不思議の国の大冒険~ ALICE'S ADVENTURES IN WONDERLAND・youtube無料動画 映画~英語版~★


アメリカ作品1985年


 ◆チャプター1◆

◆チャプター2◆

◆チャプター3◆

◆チャプター4◆

◆チャプター5◆

◆チャプター6◆

◆チャプター7◆

◆チャプター8◆

◆チャプター9◆

◆チャプター10◆ FIN

 


◆英語版◆

Alice's Adventures in Wonderland

Lewis Carroll

I

Down the Rabbit-Hole

II

The Pool of Tears

III

A Caucus-Race and a Long Tale

IV

The Rabbit Sends in a Little Bill

V

Advice from a Caterpillar

VI

Pig and Pepper

VII

A Mad Tea-Party

VIII

The Queen's Croquet-Ground

IX

The Mock Turtle's Story

X

The Lobster Quadrille

XI

Who Stole the Tarts?

XII

Alice's Evidence

 

◆日本語訳◆

 

不思議の国のアリス

ルイス・キャロル薯

挿画:ジョン・テニエル

 原題:Alice's Adventures in Wonderland
 訳者:山形浩生

 


1. うさぎの穴をまっさかさま


 アリスは川辺でおねえさんのよこにすわって、なんにもすることがないのでとても()退屈しはじめていました。一、二回はおねえさんの読んでいる本をのぞいてみたけれど、そこには絵も会話もないのです。「絵や会話のない本なんて、なんの役にもたたないじゃないの」とアリスは思いました。

 そこでアリスは、頭のなかで、ひなぎくのくさりをつくったら楽しいだろうけれど、起きあがってひなぎくをつむのもめんどくさいし、どうしようかと考えていました(といっても、昼間で暑いし、とってもねむくて頭もまわらなかったので、これもたいへんだったのですが)。そこへいきなり、ピンクの目をした白うさぎが近くを走ってきたのです。

白うさぎ

 それだけなら、そんなにめずらしいことでもありませんでした。さらにアリスとしては、そのうさぎが「どうしよう! どうしよう! ちこくしちゃうぞ!」とつぶやくのを聞いたときも、それがそんなにへんてこだとは思いませんでした(あとから考えてみたら、これも不思議に思うべきだったのですけれど、でもこのときには、それがごく自然なことに思えたのです)。でもそのうさぎがほんとうに、チョッキのポケットから懐中時計(をとりだしてそれをながめ、そしてまたあわててかけだしたとき、アリスもとびあがりました。というのも、チョッキのポケットなんかがあるうさぎはこれまで見たことがないし、そこからとりだす時計をもっているうさぎなんかも見たことないぞ、というのに急に気がついたからです。そこで、興味)しんしんになったアリスは、うさぎのあとを追っかけて野原をよこぎって、それがしげみの下の、おっきなうさぎの穴にとびこむのを、ぎりぎりのところで見つけました。

 次の瞬間)に、アリスもそのあとを追っかけてとびこみました。いったいぜんたいどうやってそこから出ようか、なんてことはちっとも考えなかったのです。

 うさぎの穴は、しばらくはトンネルみたいにまっすぐつづいて、それからいきなりズドンと下におりていました。それがすごくいきなりで、アリスがとまろうとか思うひまもあればこそ、気がつくとなにやら深い井戸みたいなところを落っこちているところでした。

 井戸がとっても深かったのか、それともアリスの落ちかたがゆっくりだったのかもしれません。だってアリスは落ちながら、まわりを見まわして、これからどうなっちゃうんだろうと考えるだけの時間がたっぷりあったからです。まずは下をながめて、どこに向かおうとしているのかを見きわめようとしました。でも暗すぎてなにも見えません。それから井戸の横のかべを見てみました。するとそこは、食器だなと本だなだらけでした。あちこちに、地図や絵がとめ金に引っかけてあります。アリスは通りすがりに、たなの一つからびんを手にとってみました。「マーマレード」というラベルがはってあります。が、空っぽだったので、とてもがっかりしてしまいました。下にいる人を殺したくはなかったので、びんを落とすのはいやでした。だから落ちる通りすがりに、なんとか別の食器だなにそれを置きました。

 アリスは思いました。「でもこんなに落ちたあとなら、もう階段をころげ落ちるなんて、なんとも思わないわよ! おうちじゃみんな、あたしがすごく勇敢(ゆうかん)だと思うでしょうね! ええ、おうちのてっぺんから落っこちたって、もう一言も文句を言わないはずよ」(そりゃまあそのとおりでしょうけど)

 下へ、下へ、もっと下へ。このままいつまでもずっと落ちてくのでしょうか? 「いままでもう何マイルくらい落ちたんだろ」とアリスは声に出して言いました。「そろそろ地球のまん中くらいにきたはず。えーと、そうなると四千マイルくらい落ちたことになる、のかな――」(つまりね、アリスは教室の授業で、こんなようなことをいくつか勉強していたわけ。で、このときはまわりにだれもいなかったから、もの知りなのをひけらかすにはあまりつごうがよくはなかったんだけれど、でもこうして暗唱してみると、いいれんしゅうにはなったってこと)「――そうね、きょりはそんなもんね――でもそれだと、緯度(いど)(経度(けいど)()はどこらへんにきたのかしら」(アリスは緯度(いど)(や軽度(けいど))ってのがなんなのか、まるっきり見当もついてなかったけれど、でも口にだすのにかっこいい、えらそうなことばだと思ったわけね)

 しばらくして、アリスはまたはじめました。「このまま地球をドンッとつきぬけて落ちちゃうのかな! 頭を下にして歩く人たちのなかに出てきたら、すっごくおかしく見えるでしょうね! それってたとえば日本とかだとあるぜん人、だっけ――」(ここではだれも聞いてる人がいなくて、アリスはむしろホッとしたんだ。だってどう考えても正しいことばには聞こえなかったし)「――でも、国の名前はだれかにきかないと。あの、奥さま、ここってニュージーランドでしょうか、オーストラリアでしょうか?」(そしてアリスは、しゃべりながらおじぎをしようとした――宙を落っこちながら会釈をするなんて、考えてもごらんよ! きみならそんなこと、できると思う?)「そしたらその方、そんなことを聞くなんて、あたしのことをすごくバカな女の子だと思っちゃうわ! だめだめ、そんなこと聞いちゃ。どっかに書いてあるのが見つかるかもしれない」

 下へ、下へ、もっと下へ。ほかにすることもなかったので、アリスはまたしゃべりだしました。「今夜、ダイナはあたしがいなくてさびしがるでしょうね!」(ダイナってのはねこ。)「お茶の時間に、みんなダイナのミルクのお皿を忘れないでくれるといいけど。かわいいダイナ! おまえがいっしょにここへいてくれたらいいのに! 空中にはネズミはいないみたいだけれど、コウモリがつかまるかもしれないわよ、コウモリってすごくネズミみたいなんだから。でもねこってコウモリ食べるのかな?」そしてここで、アリスはいささか眠くなってきて、ちょっと夢うつつっぽい感じで、こうつぶやきつづけました。「ねこってコウモリ食べる?ねこ、コウモリ食べる?」そしてだんだん「ねこうもりって食べる?」とも。だって、どの質問にも答えられないので、どれをきいてもあんまりちがわなかったのですね。うつらうつらしてきて、ダイナと手に手をとって歩いている夢を見はじめました。そしてその中で、とても真剣にこうきいています。「さあダイナ、正直におっしゃい。おまえ、コウモリ食べたことあるの?」とそのときいきなり、ズシン!ズシン!アリスは小枝と枯れ葉の山のてっぺんにぶつかって、落ちるのはもうそれっきり。

 けがはぜんぜんなくて、すぐにとび起きました。見上げても、頭上はずっとまっ暗。目の前にはまた長い通路があって、まだ白うさぎがその通路をあわてて走っていくのが見えました。これは一刻もむだにできません。アリスはびゅーんと風のようにかけだして、ちょうどうさぎがかどを曲がりしなに「やれ耳やらヒゲやら、こんなにおそくなっちゃって!」と言うのが聞こえました。そのかどをアリスが曲がったときには、かなり追いついていました。が、うさぎがどこにも見あたりません。そこは長くて天井のひくいろうかで、屋根からランプが一列にぶら下がって明るくなっていました。

 そのろうかはとびらだらけでしたが、どれも鍵がかかっています。アリスは、ろうかの片側をずっとたどって、それからずっともどってきて、とびらをぜんぶためしてみました。どれも開かないので、アリスはろうかのまん中をしょんぼり歩いて、いったいどうやってここから出ましょうか、と思案するのでした。

カーテンの向こうの小さなとびら

 いきなり、小さな三本足のテーブルにでくわしました。ぜんぶかたいガラスでできています。そこには小さな金色の鍵がのっているだけで、アリスがまっ先に思ったのは、これはろうかのとびらのどれかに合うんじゃないかな、ということでした。でもざんねん! 鍵穴が大きすぎたり、それとも鍵が小さすぎたり。どっちにしても、とびらはどれも開きません。でも、二回目にぐるっとまわってみたところ、さっきは気がつかなかったひくいカーテンがみつかりました。そしてそのむこうに、高さ40センチくらいの小さなとびらがあります。さっきの小さな金色の鍵を、鍵穴に入れてためしてみると、うれしいことにぴったりじゃないですか!

 あけてみると、小さな通路になっていました。ネズミの穴くらいの大きさしかありません。ひざをついてのぞいてみると、それは見たこともないようなきれいなお庭につづいています。こんな暗いろうかを出て、あのまばゆい花だんやつめたいふん水の間を歩きたいなぁ、とアリスは心から思いました。でも、その戸口には、頭さえとおらないのです。「それに頭はとおったにしても、かたがないとあんまり使いものにならないわ」とかわいそうなアリスは考えました。「ああ、望遠鏡みたいにちぢまれたらな! できると思うんだ、やりかたさえわかれば」というのも、近ごろいろいろへんてこりんなことが起こりすぎたので、アリスとしては、ほんとうにできないことなんて、じつはほとんどないんだと思いはじめていたのです。

 その小さなとびらのところで待っていてもしかたないので、アリスはテーブルのところに戻りました。別の鍵がのってたりしないかな、となかば期待していたのです。あるいは少なくとも、望遠鏡みたいにちぢまるやりかたを書いた、規則の本でもないかな、と思いました。するとこんどは、小さなびんがのっかっていて(「これってさっきはぜったいになかったわよねえ」とアリスは言いました)、そしてびんの首のところには紙のふだがついていて、そこに「のんで」ということばが、おっきな字できれいに印刷されていました。

「のんで」

 「のんで」は結構なのですけれど、でもかしこいアリスは、そんなことをあわててするような子ではありません。「いいえ、まずちゃんと見てみようっと。『毒』とか書いてないかどうか、たしかめるんだ」とアリス。というのも、お友だちに教わったかんたんな規則をまもらなかったばっかりに、やけどをしたり、野獣に食べられちゃったりした子供たちについて、すてきなお話をいくつか読んだことがあったからです。そういう規則というのは、たとえばまっ赤にやけた火かき棒をあんまり長くにぎっているとやけどをするよ、とか、指をナイフでとぉってもふかく切っちゃったら、たぶん血が出てくるよ、とかですね。そして『毒』と書いてあるびんの中身をたくさんのんだら、たぶんまちがいなく、いずれ困ったことになるよ、というのも、アリスはぜったいにわすれなかったのでした。

 でも、びんには「毒」とは書いてありませんでした。そこでアリスは、ためしに味見をしました。そしてそれがとってもおいしかったので(どんな味かというと、チェリータルトと、カスタードと、パイナップルと、しちめんちょうローストと、トフィーと、熱いバターつきトーストをまぜたような味ね)、すぐにそれをのみほしてしまいました。

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 「へんなの、へーんなの!」とアリス。「あたし、望遠鏡みたいにちぢまっちゃってるのね」

 そしてたしかにそのとおり。アリスはいまや、身のたけたったの25センチ。これであの小さなとびらをとおって、あのきれいなお庭にいくのにちょうどいい大きさになったと思って、アリスは顔をかがやかせました。でもまず、もう何分かまってみて、もっとちぢんじゃわないかどうかたしかめました。これはちょっと心配なところでした。「だってあたしがロウソクみたいに、ぜんぶ消えちゃっておしまいになるかもしれないでしょ」とアリスはつぶやきました。「そうなったらあたし、どうなっちゃうんだろ」そしてアリスは、ロウソクをふき消したあとで、ロウソクの炎がどんなようすかを想像してみようとしました。というのも、そんなものを見たおぼえがなかったからです。

 しばらくして、それ以上なにもおきないのがわかって、アリスはすぐにお庭にいこうときめました。でもかわいそうなアリス、ざんねんでした!とびらのところにきてみると、あの小さな金色の鍵をわすれてきたのに気がついたのです。そしてテーブルのところに戻ってみると、ぜったいに手がとどきません。ガラスごしに、とてもはっきりと見えてはいます。アリスはがんばってテーブルの脚をよじのぼろうとしましたが、つるつるでだめです。そしてがんばったあげくにつかれきって、かわいそうなこの子は、すわって泣き出してしまいました。

 「こら、そんなふうに泣いてちゃだめだぞ!」とアリスは、ちょっときびしく自分に言いきかせました。「いいわね、いますぐ泣きやみなさい!」アリスが自分にする忠告は、とてもりっぱなものが多いのです(そのとおりにすることはほとんどなかったんだけどね)。そしてときどきは、自分をきびしくしかりすぎて、涙が出てくるほどでした。いちどなんか、自分相手にやっていたクロケーの試合でいんちきをしたので、自分の耳をぶとうとしたくらい。というのも、このふうがわりな子は、一人で二役をやるのがとても好きだったからです。「でもいまじゃ、二役をやってみてもしょうがないわよね。だってあたしはもうほとんど残ってなくて、まともな人間一人にも足りないくらいなんだもの!」とかわいそうなアリスは考えました。

 やがて、テーブルの下の小さなガラスのはこが、アリスの目にとまりました。あけてみると、中にはとってもちっちゃなケーキが入っていて、ほしぶどうで「たべて」ときれいに書いてあります。「食べちゃおうっと」とアリス。「これで大きくなれたら、鍵に手がとどくでしょ。小さくなるようなら、とびらの下からもぐれるな。だからどっちにしてもあのお庭には行けるわけよね。あたしはどっちだっていいわ!」

 ちょっと食べてみて、アリスは心配そうに自分に言いました。「どっちかな?どっちかな?」そして頭のてっぺんに手をやって、自分がどっちにのびているかを確かめようとします。ところが同じ大きさのままだったので、アリスはとってもびっくりしました。そりゃたしかに、ふつうはケーキを食べるとそうなるのですが、アリスはへんてこりんなことを期待するのになれすぎちゃっていたもので、人生がふつうのやり方でつづくなんていうのは、すごくつまんなくてばかばかしく思えたのです。

 そこでアリスはそのままつづけて、じきにケーキをたいらげてしまいました。

 

2. 涙の池

こんどはこの世で一番おっきな望遠鏡みたいに

 「チョーへん!」とアリスはさけびました(びっくりしすぎて、ちゃんとしたしゃべりかたを忘れちゃったんだね)。「こんどはこの世で一番おっきな望遠鏡みたいに、ぐんぐんのびてる! 足さん、さよなら!」(だって足を見おろしたら、もうほとんど見えなくなっていて、どんどん遠くなっているのでした)。「ああ、かわいそうな足さん、これからだれが、くつやストッキングをはかせてあげるんだろう。あたしにはぜったいにむりなのはたしかね! すっごく遠くにいすぎてて、あなたたちのことにはかまってられないの。できるだけ自分でなんとかしてね:――でも、親切にしといてあげないと」とアリスは思いました。「そうしないと、あたしの行きたいほうに歩いてくれないかも! そうねえ。クリスマスごとに、新しいブーツをあげようっと」

 そしてそれをどうやろうか、アリスはほんとに計画をはじめました。「運送屋さんにおねがいしないと。でもすっごく変でしょうね、自分の足におくり物をおくるなんて!それにあて先もずいぶんとおかしなものになるな。

だんろのかなあみ付近
じゅうたん気付
アリスの右足閣下へ
  (アリスの愛をこめて)

 あらあらあたし、なんてばかげたことを言ってるんだろ!」

 ちょうどそのとき、頭がろうかの天井にぶつかりました。もうそのとき、アリスは身長三メートルになっていたので、すぐに小さな金色の鍵を手にとって、お庭へのとびらへといそぎました。

 かわいそうなアリス! できることといったら、ねそべって片目でお庭をのぞくことだけでせいいっぱい。でも、とおりぬけるなんてまったく絶望的。アリスはまたすわって泣き出しました。

 「はじを知りなさい」とアリスは言いました。「そんなおっきななりをして」(まあたしかにそのとおり)「いつまでも泣いてばかり。いますぐやめなさい、いいわね!」でもアリスは、それでもかまわず泣きつづけて涙を何リットルも流したので、まわりじゅうにおおきな池ができてしまいました。深さ10センチくらいで、ろうかの半ばまでつづいています。

白うさぎはかけ去ってしまいました。

 しばらくすると、遠くからピタピタという小さな足音が聞こえたので、あわてて涙をふいて、なにがきているのかを見ようとしました。あのうさぎが、りっぱな服にきがえてもどってくるところで、片手には白い子ヤギ皮の手ぶくろ、そしてもう片方の手にはおっきなせんすを持っていました。とってもいそいで走っていて、こっちにきながらも「ああ、公爵夫人が、公爵夫人が! 待たせたりしたら、なさけようしゃなんかありゃしない!」とつぶやいています。アリスのほうは、もうせっぱつまっていて、だれでもいいから助けてほしい気分。そこでうさぎが近くにきたときに、小さなおちついた声でこうきりだしました。「あの、おねがいですから――」うさぎは、うっひゃあととびあがって、子ヤギ皮の手ぶくろとせんすを落としてしまい、全速力(ぜんそくりょく)で暗闇(くらやみ)の中へとかけ去っていってしまいました。

 アリスはせんすと手ぶくろをひろって、ろうかがとても暑かったので、せんすであおぎながらしゃべり続けました。「あらまあ、きょうはなにもかもふうがわり! きのうは、ほんとにいつもどおりだったのに。あたし、夜のあいだに変わっちゃったのかしら。そうねえ。起きたときには、おんなじだったっけ? なんだかちょっと変わった気分だったような気もするみたい。でも、おんなじじゃないんなら、つぎの質問は、いまのあたしはいったいぜんたいだれ? それがかんじんななぞだわ!」そしてアリスは、おないどしの子たちを思いうかべていって、そのなかのだれかにかわってしまったかどうかを考えてみました。

 「エイダじゃないのは確かだわ。エイダのかみの毛は、とっても長い巻き毛になるけど、あたしのかみはぜんぜん巻き毛にならないもの。それとぜったいにメイベルじゃないはず。だってあたしはいろんなことを知ってるけど、メイベルときたら、まあ! もうなんにも知らないでしょう! それに、あの子はあの子だし、あたしはあたしだし、それに――あれ、わかんなくなってきちゃった!まえに知ってたことをちゃんと知ってるか、ためしてみよう。えーと、四五の十二で、四六の十三で、四七が――あれ、これじゃいつまでたっても二十にならないぞ! でも、かけ算の九九はだいじじゃないわ。地理をためしてみよう。ロンドンはパリの首都で、パリはローマの首都で、ローマは――ぜんぜんちがうな、ぜったい。じゃあメイベルになっちゃったのね!  『えらい小さな――』を暗唱してみよう」そしてアリスは、授業でするみたいにひざの上で手を組んで、暗唱をはじめましたが、声がしゃがれて変てこで、ことばもなんだか前とはちがっていました:――

*     *     *     *     *

「えらい小さなワニさん
ぴかぴかのしっぽをみがいて
金色のうろこひとつずつを
ナイルの水であらいます!」

「うれしそうににったりと
なんてきれいにツメをひろげて
小さな魚をよびいれます
やさしく笑うその大口で!」

*     *     *     *     *

 「いまの、ぜったいにまちがってるはずだわ」とかわいそうなアリスは言って、目に涙をいっぱいにうかべてつづけました。「じゃあやっぱりメイベルなんだ、そしたらあのちっぽけなおうちにすんで、あそぶおもちゃもまるでなくて、ああ!それにお勉強しなきゃならないことが、ほんとに山ほど! いやよ、決めた。もしあたしがメイベルなら、このままここにいるわ! みんなが頭をつっこんで『いい子だからまたあがってらっしゃい!』なんて言ってもむだよ。こっちは見上げてこう言うの。『だったらあたしはだれ? まずそれを教えてよ。それでもしその人になっていいなと思ったら、あがってくわ。そうでなければ、べつの人になれるまでここにいる』――でも、あーあ!」とアリスは、いきなり涙をながしてさけびました。「ホントにだれか、頭をつっこんでくれないかな! もう一人ぼっちでここにいるのは、すっごくあきあきしちゃったんだから!」

 こう言いながら手を見おろしてみると、おどろいたことにうさぎの小さな子ヤギ皮の手ぶくろが、手にはまってしまっていました。「どうしてこんなことができちゃったんだろう?」とアリスは思いました。「あたし、また小さくなってるんだ」立ち上がってテーブルのところへいって、それと比べてせたけをはかってみると、まあだいたいの見当ですが、いまや身長60センチくらいで、しかもぐんぐんちぢみつづけています。やがてその原因が、手にもったせんすなのに気がついて、あわててそれを落としました。あぶないところで、ちぢみきって消えてしまわずにすんだのです。

 「いまのはまさにきき一発だったわ」アリスは、いきなり変わったせいでとてもおびえてはいましたが、まだ自分がそんざいしているのを見て、とてもうれしく思いました。「さあ、そしたらお庭ね!」と、あの小さなとびらをめざしてぜんそくりょくでかけもどりました。が、ざんねん! 小さなとびらはまたしまっていて、小さな金色の鍵は、さっきとかわらずガラスのテーブルのうえで、「しかもさっきよりもひどいことになってるじゃないの」とあわれな子は考えました。「だってこんなに小さくなったのははじめてよ、ぜったい! まったくざんねんしごくと断言しちゃうわ!」

あごまで塩水に……

 そしてこのせりふを口にしたとたんに足がすべって、つぎのしゅんかんには、ボチャン! あごまで塩水につかっていたのです。最初に思ったのは、どういうわけか海に落ちたんだろう、ということでした。「そしてもしそうなら、列車で帰れるわね」と思いました。(アリスは生まれてから一回だけ海辺にいったことがあって、そこからひきだした結論として、イギリスの海岸ならどこへいっても海には海水浴装置(かいすいよくそうち)があり、子どもが木のシャベルで砂をほっていて、海の家がならんでいて、そのうしろには列車の駅があるもんだと思っていたんだな)。でも、すぐに気がついたのは、自分がいるのはさっき身長3メートルだったときに泣いた涙の池の中だ、ということでした。

訳者のせつめい:海水浴装置、というのは、むかしは水着になったところが見えるとイヤラシイとみんな思ってたから、タンクみたいなものに入って、それでそれごと海に入れてもらったんだって、そのタンクのこと。

 「あんなに泣かなきゃよかった!」とアリスはあちこち泳いでそこから出ようとしました。「おかげでいま、おしおきを受けているんだわ、自分の涙におぼれて!それってどう考えても、ずいぶんと変なことよね! でもきょうは、なにもかも変だから」

 ちょうどそのとき、すこしはなれたところで、なにかがばちゃばちゃしているのが聞こえました。そこでそっちのほうに泳いで、なんだか調べてみました。最初はそれがセイウチかカバにちがいないと思ったのですが、そこで自分がすごく小さくなっているのを思い出しました。そしてやがてそれが、自分と同じようにすべってこの池にはまってしまった、ただのネズミなのがわかりました。

 「さてさて、ここでこのネズミにはなしかけたら、どうにかなるかしら? ここではなんでもすっごくずれてるから、たぶんこのネズミもしゃべれたりするんじゃないかと思うんだ。まあどうせ、ためしてみる分にはいいでしょう」そう考えて、アリスは口を開きました。「おおネズミよ、この池からでるみちをごぞんじですか? ここで泳いでて、とってもつかれちゃったんです、おおネズミよ!」(アリスは、ネズミにはなしかけるにはこれが正しいやりかたなんだろうと思ったわけだね。そんなことはこれまでしたことがなかったけれど、でもおにいさんのラテン語文法書で見かけたのを思いだしたんだ。「ネズミは――ネズミの――ネズミへ――ネズミを――ネズミよ!」)ネズミは、いささかさぐるような目つきでアリスをながめて、小さな目のかたほうでウィンクしたようでしたが、なにもいいません。

 「もしかして、ことばがわかんないのかな? 征服王ウィリアムといっしょにきた、フランスねずみにちがいないわ」(歴史のことはいろいろ知っていても、アリスはいろんなことがどれだけむかしに起きたか、あまりちゃんとはわかっていなかったんだね)。そこでアリスはもういっかい口をひらきました。「Ou est ma chatte?(わたしのねこはどこですか?)」これはフランス語の教科書の、一番最初に出ている文だったのです。ねずみはいきなり水からとびだして、こわがってガタガタふるえだすようでした。「あらごめんなさい!」とアリスは、動物のきもちをきずつけたかな、とおもってすぐにさけびました。「あなたがねこぎらいなの、すっかりわすれてたから」

涙の池のねずみ

 「ねこぎらい、とはね!」とネズミは、かん高くてきつい声でさけびました。「あんたがぼくなら、ねこが好きになるかね?」

 「ええ、そりゃならないかもしれませんね」とアリスは、なだめるように言いました。「どうか怒らないでくださいな。でも、うちのねこのダイナをお目にかけられたらいいのに。あの子をひと目でも見れば、ねこも気に入るようになるんじゃないかと思うんです。とってもかわいくておとなしいんですよ」とアリスは、池のなかをゆったりと泳ぎながら、なかば自分に向かって話しつづけました。「それでだんろのところでのどをならしてると、手をなめたり顔を洗ったりして、すごくかわいいんです――それにあやすととってもやわらかくてすてきで――あと、ネズミをつかまえるのが名人級(めいじんきゅう)で――あらごめんなさい!」とアリスはまたさけびました。ネズミはこんどはからだじゅうの毛をさかだてていて、ああこんどはまちがいなく、本気で怒ってるな、とわかります。「もしよろしければ、わたしたちもう、あの子の話はよしましょうね」

 「わたしたち、だと!」とネズミは、しっぽの先までガタガタいわせてさけびました。「ぼくが、そんな話をするとでも思うか! うちの一族は、ずっとねこがだいきらいなんだ。いやらしい、低級(ていきゅう)で俗悪(ぞくあく)な生き物! 二度と名前もききたくない!」

 「はい、ぜったいに!」とアリスは、あわてて話題を変えようとしました。「それなら、もしかすると――犬――はお好き――かしら?」ネズミは返事をしなかったので、アリスは熱心につづけました。「うちの近くには、すごくかわいい小さな犬がいるんですよ、もうお目にかけたいくらい! 小さくて目のきれいなテリアなんです、それも、すごく長くてクルクルした毛をしてて! それでものを投げるととってくるし、ごはんのときにはおすわりしておねがいするし、いろんな芸もして――半分も思い出せないんですけど――そしてそれを飼ってるのがお百姓さんで、その人の話だととってもちょうほうしてるんですって。百ポンドの値打ちがあるそうよ! だってネズミをみんな殺すし、それに――あらどうしましょ!」とアリスはかなしそうな声でさけびました。「また怒らせちゃったみたい!」というのもネズミは、おもいっきりアリスから遠くへ泳ごうとしていて、おかげで池にはかなりの波がたっていました。

 そこでアリスは、やさしくよびかけてみました。「ねえねずみさん、おねがいだからもどってらして。おきらいでしたら、ねこの話もイヌの話もしませんから!」ネズミはこれをきいて、くるりと向きをかえてゆっくりこっちに泳いできました。顔はかなりまっさおです(怒ったのね、とアリスは思いました)。そしてひくいふるえる声で言いました。「岸にたどりつこう、そうしたらぼくの話をしてあげよう。なぜねこや犬がきらいなのか、それでわかるだろう」

 そしてちょうどそこを出るころあいでもありました。池には鳥や動物がどんどんはまってきて、すごくこんできたからです。アヒルにドードー、インコに子ワシ、そしてその他めずらしい生き物がいくつか。アリスがせんとうにたって、一同みんな、岸におよぎつきました。

 

3. がくがくかけっことながいお話


 岸辺にあつまった一同は、じつにへんてこな集団でした――鳥たちは羽をひきずり、動物たちはけがわがべったりはりついて、みんなびしょぬれでしずくをボタボタたらしていて、きげんもいごこちもわるかったのでした。

 最初の問題はもちろん、どうやってからだをかわかそうか、ということでした。これについてみんな相談して、ものの数分でアリスは、その動物たちを生まれてからずっと知っていたみたいに、なかよくしゃべっていてもあたりまえに思えてきました。そしてインコとはかなりながい議論をしたあげく、インコはついにつんっと顔をそむけて、「ぼくのほうが歳上なんだから、ぼくのほうがちゃんとわかってるんだ」としか言わなくなってしまいました。そしてアリスのほうは、そのインコが何歳なのか知らないうちは、しょうちできなかったのですけれど、インコはぜったいに歳を教えようとはしなかったので、それ以上は話になりませんでした。

 ついにネズミが、どうも一同のなかではえらい動物だったみたいで、こう宣言しました。「すわって、そしてぼくの話をききなさい! ぼくがみんなをすぐに乾燥(かんそう)させてあげよう!」みんなすぐに、おっきなわになってすわり、ネズミを囲みました。アリスは心配そうにネズミを見ていました。はやく乾燥(かんそう)しないと、ぜったいにひどいかぜをひいちゃうな、と思ったからです。

 「えへん」とネズミは、さもえらそうに言いました。「みんな用意はいいかな? これはぼくの知るかぎりで、一番無味乾燥(むみかんそう)なしろものだ。はいみんな、おねがいだからおしずかに! 『征服王ウィリアムの動機はローマ法王に支持を受け、じきにイギリス人たちを下したのであるがそのイギリス人たちは指導者を求めており、当時は王位簒奪と征服には慣れてしまっていた。マーシアとノーサンブリアの太守たるエドウィンとモルカールは――』

 「うげっ」とインコが、みぶるいして言いました。

 「なんですと?」とネズミが顔をしかめながらも、とってもれいぎ正しく言いました。「なにかおっしゃいました?」

 「ぼくじゃないですよ!」とインコはあわてていいます。

 「きみだと思ったんだが」とネズミ。「――先をつづけよう。『マーシアとノーサンブリアの太守たるエドウィンとモルカールはかれへの服従を宣言。さらにカンタベリーの愛国的枢機卿たるスティガンドも、より賢明なる策を見つけんとして――』」

 「なにより?」とアヒル。

 「も、より」とネズミは、ちょっときつい言い方でこたえました。「きみは『も』がわからんのかね」

 「『も』くらい知ってるけどね」とアヒル。「でもわたしが『より』るときには、なによりかはわかるもんだ。カエルより、とかミミズより、とか。でもわかんないのは、その枢機卿は、なにより賢明な策を見つけようとしたわけ?」

 ネズミはこの質問を無視して、いそいで先をつづけました。「『――より賢明なる策を見つけんとしてエドガー・アセリングとともにウィリアムに面会に赴き彼に王座を与えたのであった。ウィリアムの行いは当初は穏健だった。しかしその配下のノルマン人たちの傲慢ぶりは――』感想(かんそう)はどうだね、お嬢さん?」とネズミは、しゃべりかけでアリスに向かって言いました。

 「びしょぬれのまんま」とアリスは、ゆううつな声で言いました。「ぜんぜん乾燥してくれないみたい」

 「かくなるうえは」とドードーがたちあがって、おもおもしく述べました。「審議の一時中断動議を提出するものであります、しかる後に一層活力的なる対処法を遡及的速やかに採択すべく――」

 「日本語しゃべれぇ!」と子ワシがいいました。「そんなむずかしいことば、半分もわからんぞぅ、それにもっというと、どうせあんただってわかってないんだろう!」そして子ワシは顔をかがめて、こっそりと笑いました。ほかの鳥たちは、きこえよがしにくすくす笑いをしています。

 ドードーは、むっとして言いました。「なにを言いたいかというと、からだをかわかすには、がくがくかけっこが一番だってことだよ」

 「がくがくかけっこって、いったいなんですか?」とアリス。べつにしりたいとも思わなかったのですが、ドードーがそこで口をとめて、だれかが口をはさむべきだと思ってるみたいだったし、ほかにだれもききたそうじゃなかったのです。

 ドードーは言いました「おやおや、一番いい説明は、じっさいにやってみることだよ」(冬の日なんかには、きみたちもやってみるといいぞ。だからドードーのやりかたを説明しておこうか)

 まずドードーは、なんとなく丸いかんじのかけっこのコースをつくりました(「せいかくなかたちはどうでもいいんだよ」だそうです)。それから一同みんな、そのコースのあちこちでいちにつきます。そしてだれも「よーい、どん!」といわないのに、みんなすきなときに走りだして、勝手なときに止まったので、いつかけっこがおわったのかなかなかわかりませんでした。でも、みんな三〇分かそこら走って、かなりかわいてくると、ドードーがいきなりどなりました。「かけっこおわり!」するとみんなドードーのまわりにむらがって、はあはあいいながら、ききました。「でも、だれが勝ったの?」

 この質問は、ドードーとしてもずいぶん考えこまないとこたえられませんでした。そこで、ドードーはながいこと、ひとさし指をおでこにあててすわりこみ(シェイクスピアの絵をみると、いつもこういうかっこうをしてるよね)、のこりはだまってまっています。とうとうドードーはいいました。「みーんな勝ったんだよ、だから全員が賞品をもらわなきゃ」

 「でも、だれが賞品をくれるの?」かなりの声がいっせいにききました。

 「そりゃこの子に決まってるだろう」とドードーは、アリスを指さしました。するとみんながアリスのまわりにむらがって、くちぐちにさけびます。「賞品! 賞品!」

 アリスはどうしたらいいかさっぱりわからず、困ってしまってポケットに手をいれると、キャンデーのはこがでてきました。(運よく塩水はそこまで入ってこなかったんだ)そしてそれを賞品としてわたしてまわりました。ちょうどみんなに一つずつありました。

 「でもこの子だって、自分も賞品をもらわないと、ねえ」とネズミ。

 「もちろんだ」ドードーは、とってもえらそうです。そして「ポケットにはほかになにかもっとるかね?」とアリスにいいました。

 「ゆびぬき一つだけ」アリスはかなしそうにいいました。

ゆーびなゆびぬきを

 「よこしなさい」とドードー。

 するとみんな、またアリスのまわりにむらがって、するとドードーがおもおもしくそのゆびぬきを授与しました。「われら一同、このゆーびなゆびぬきをおうけとりいただきたく、心からおねがいするものである」そして、ドードーのこのみじかい演説が終わると、みんなかんせいをあげました。

 アリスは、なにもかもずいぶんとばかばかしいな、とは思ったのですが、みんながとってもまじめなようすだったので、死んでもわらったりできませんでした。そして、なにを言っていいか思いつかなかったので、ちょっとおじぎをしただけで、なるべくまじめくさったようすで、ゆびぬきをうけとりました。

 つぎに、みんながキャンデーを食べるばんです。これはかなりそうぞうしい混乱(こんらん)をひきおこしました。おおきな鳥は、キャンデーが小さくてあじわえないともんくを言うし、小さな鳥はのどにキャンデーをつまらせて、せなかをたたいてもらわなくてはなりませんでした。でも、それがやっとおわって、みんなは輪になってすわり、ネズミになにかもっと話をしてくれ、とせがみます。

 「ご自分の話をしてくれるっておっしゃってましたよね」とアリス。「なぜ――『い』とか『ね』とかきらいなのかって」アリスはここのところはひそひそ声で言いました。またネズミが怒っちゃうんじゃないかと思ったからです。

 「ぼくのは、ながくてかなしいお話なのです」とネズミは、アリスのほうをむいてため息をつきました。

 「たしかに、ながーい尾話(おはなし)ですねえ」とアリスはネズミの尾っぽを見おろしました。「でも、どういうところがかなしいんですか」そして、ねずみがしゃべっているあいだも、それを考えてばかりいたので、アリスの頭のなかでは、お話はこんなかんじになりました。

    「いえのなかで出く
  わした犬がねずみに
いうことにゃ「ふた
 りで裁判所にいこう、
  おまえを訴追して
     やるからさ。――
        こいって、いやと
        はいわせない、
       ぜひともこれは
          裁判だ:だって
              けさはおれほん
             となにもする
          ことないから」
         ねずみ犬にこ
          たえて言う
            には「だん
              さん、陪審
                  も判事もい
                   ないそんな
                 裁判なぞ、
               するだけ息
             のむだです
             がな」「お
              れが判事で
                 おれが陪審」
                   とずるい老犬。
                  「おれが全
                件さばき
              つくし、
                きさまに
                  死刑を
                     宣告し
                        てくれる。」

 「ちゃんときいてないな!」とネズミは、きびしい調子でアリスに言いました。「なにを考えてる!」

 「あらもうしわけありません」とアリスは、とってもれいぎ正しく言いました。「たしか、くねくねの五番目あたりまでおっしゃいましたっけ?」

 「そんなことはゆってないぞ」とネズミは、怒ってきつい声でさけびます。

 「結(ゆ)ってない!」アリスはいつでもおてつだいをしようとする子だったので、きょろきょろとあたりを見回しました。「じゃああたしがやりますから!」

 「だれがそんなことするもんか」とネズミはたちあがって、むこうに歩きだしました。「ふざけたことばかりいって、ばかにしてる!」

 「そんなつもりじゃなかったんです!」とかわいそうなアリスはうったえました。「でも、あなたもそんな、すぐに怒らなくても!」

 ねずみはへんじがわりに、うなってみせただけでした。

ねずみのお話

 「もどってきて、お話を最後まできかせて!」アリスはうしろからよびかけて、ほかのみんなもそれに声をあわせました。「うん、たのむよ!」でも、ネズミは怒ったように首をふるだけで、もっと足ばやにいってしまいます。

 「いっちゃうなんて、まあなんでしょうねえ!」ねずみのすがたが、完全に見えなくなるとすぐ、インコがためいきをつきました。おばあちゃんガニが、ここぞとばかりにむすめにお説教です。「ほらごらん、いい子ですからね、あなたはぜったいカッカしちゃだめよ!」すると若いカニが、ちょっときつくこたえます。「うっさいわね、母さん。母さんにかかったら、しんぼうづよいカキでも頭にくるわよ!」

 「ダイナがいたらいいのになあ、ぜったい」とアリスは、だれに言うともなく、声に出していいました。「そしたらすぐにつれてきてくれるのに」

 「そしてあえておたずねしてよろしければ、そのダイナとはどなたですかな?」とインコ。

 アリスはうれしそうにこたえました。自分のペットの話は、どんなときでもしたくてたまらなかったからです。「ダイナは、うちのねこなの。それで、ねずみとりのうでまえは、思いもよらないくらいにすごいんですよ! それと、小鳥をねらったときなんか、お見せしたいくらい! 小鳥なんて、見たしゅんかんにたべちゃうんです!」

 この話で、一同は目に見えていろめきたちました。すぐにあわててそこをはなれる鳥もいます。おとしよりのカササギは、しんちょうにみづくろいをはじめてこう言います。「そろそろ家にかえりませんとねえ。夜風がどうも、のどにきついもんでして」そしてカナリアがふるえる声で、子どもたちによびかけます。「ほらみんな、いらっしゃい! みんなとっくにおねむの時間よ!」なんだかんだと口実をつけて、みんなどこかへいってしまい、やがてアリス一人がのこされてしまいました。

 「ダイナのこと、いわなきゃよかった!」とアリスはゆううつにつぶやきました。「ここらだと、だれもあの子がすきじゃないみたい。ぜったいに世界で一番いいねこなのに! ああかわいいダイナ、もう二度とおまえに会えないんじゃないかしら」そしてここで、かわいそうなアリスはまた泣き出しました。とってもさびしくて、おちこんでいたからです。でもちょっとしたら、遠くのほうからピタピタいう小さな足音がきこえてきました。アリスはよろこんで顔をあげました。ネズミの気がかわって、おなはしを最後までしようとしてもどってきたのかな、とすこし思ったのです。

 

4. うさぎ、小さなビルをおくりこむ


 それはあの白うさぎで、ゆっくりトコトコともどってきながら、困ったようにあたりを見まわしています。なにかなくしたみたいです。そして、こうつぶやいているのがきこえました。「公爵夫人が、公爵夫人が! かわいい前足! 毛皮やらひげやら! フェレットがフェレットであるくらい確実に、処刑されちゃうぞ! まったくいったいどこでおとしたのかなあ?」アリスはすぐに、うさぎがさがしているのがせんすと白い子ヤギ皮の手ぶくろだとおもいついて、親切な子らしく自分もさがしはじめましたが、どこにも見あたりません――池での一泳ぎでなにもかもかわっちゃったみたいで、あのおっきなろうかは、ガラスのテーブルや小さなとびらともども、完全に消えうせていました。

 さがしまわっていると、すぐにうさぎがアリスに気がついて、怒った声でこうよびかけました。「おやメリーアン、おまえはいったい、こんなとこでなにしてる? いますぐに家に走ってかえって、手ぶくろとせんすをとってこい!」アリスはとってもこわかったので、すぐにうさぎの指さすほうにかけだして、人ちがいです、と説明したりはしませんでした。

 「女中とまちがえたのね」とはしりながらアリスは考えました。「あたしがだれだかわかったら、すごくおどろくだろうな! でもせんすと手ぶくろをとってこないと――みつかれば、だけどね」こう言ったときに、きれいな小さいおうちにやってきました。そのとびらには、ぴかぴかのしんちゅう板がかかっていて「しろうさぎ」という名前がほってありました。ノックせずに中に入って、いそいで二かいへ急ぎました。そうしないとほんもののメリーアンに出くわして、せんすと手ぶくろを見つけるまでに家から追い出されるんじゃないかと、すごくこわかったのです。

 「へんなの、うさぎのおつかいをしてるなんて!」とアリスはつぶやきました。「つぎはダイナにおつかいさせられるのかな!」そしてアリスは、そうなったら何がおきるか想像をはじめました。「『アリスおじょうさま! すぐにいらして、おさんぽのしたくをなさい!』『すぐいく、保母さん! でもネズミがにげださないようにみはってないと』でも、ダイナがそんなふうに人に命令しだしたら、おうちにいさせてもらえなくなると思うけど!」

 このころには、きちんとした小さな部屋にたどりついていました。窓ぎわにテーブルがあって、そこに(思ったとおり)せんすと、小さな子ヤギ皮の手ぶくろが、二、三組おいてありました。せんすに手ぶくろを一組手にとって、部屋を出ようとしたちょうどそのとき、鏡の近くにたっている小さなびんが目にとまりました。こんどは「のんで」と書いてあるラベルはなかったのですが、それでもふたのコルクをとって、くちびるにあてました。「なんでも食べたりのんだりすると、ぜったいなーんかおもしろいことがおきるんだな。だから、このびんがなにをするか、ためしてみようっと。もっと大きくしてくれるといいんだけど。こんなちっぽけでいるのは、もうすっかりあきちゃったもん」

 たしかにそうなりました。しかも思ったよりずっとはやく。びんの半分ものまないうちに、頭が天井におしつけられて、首がおれないようにするには、かがむしかありませんでした。アリスはすぐにびんをおいて、つぶやきます。「もうこのくらいでたくさん――もうこれいじょうは大きくならないといいけど――いまだってもう戸口から出られない――あんなにのまなきゃよかった!」

 ざんねん! そんなこといってもいまさらおそい! アリスはどんどん大きく、もっと大きくなっていって、やがて床にひざをつくしかありません。もう一分もすると、これでも場所がなくなってきて、片ひじをとびらにくっつけて、もう片うでは頭にまきつけて、よこになるみたいなかんじにしてみました。それでもまだ大きくなりつづけて、窓から片うでをだして、片足はえんとつにつっこみました。そしてこうつぶやきます。「もうこれで、なにがおきてもどうしようもないわ。いったいどうなっちゃうんだろう?」

白うさぎのいえで巨大化

 アリスとしては運のいいことに、小さなまほうのびんは、もうききめがぜんぶ出つくして、それ以上は大きくなりませんでした。それでも、とてもいごこちは悪かったし、この部屋から二度と出られるみこみも、ぜったいになさそうだったので、アリスがあまりうれしくなかったのもあたりまえですね。

 「おうちのほうがずっとよかったわ」かわいそうなアリスは考えました。「おっきくなったりちっちゃくなったりばっかしじゃなかったし、ネズミやうさぎにこきつかわれたりもしなかったし。あのうさぎの穴に入らなきゃよかったと思うほど――でも――でもね――ちょっとおもしろいわよね、こういう生き方って! あたし、いったいどうしちゃったのかな、とか考えちゃうし! おとぎばなしをよんだときには、そういうことはおこらないんだと思ったけど、いまはこうしてそのまん中にいるんだ! あたしのことを本に書くべきよね、そうですとも! だから大きくなったら、あたしが書こうっと――でも、いまもおっきくはなってるんだわ」とかなしそうにアリスはつけくわえました。「すくなくともここでは、これ以上大きくなるよゆうはないわね」

 「でもそしたら、あたしはいまよりぜんぜん歳(とし)もとらないってこと? それはある意味で、ほっとするわね――ぜったいにおばあちゃんにならないなんて――でもすると――いつもお勉強しなきゃいけないってこと? そんなのやーよ!」

 「ああ、アリスのおばかさん」とアリスは自分でへんじをしました。「ここでお勉強なんかできないでしょ。だって、あなた一人でもぎゅうぎゅうなのに、教科書のはいるとこなんか、ぜんぜんないわよ!」

 そしてアリスはそのままつづけました。まずは片側になってしゃべり、それからその相手になってしゃべり、なんだかんだでかなり会話をつづけました。でも何分かして、外で声がしたので、やめてきき耳をたてました。

 「メリーアン! メリーアン! いますぐ手ぶくろをもってこい!」と声がいいます。そしてぴたぴたと小さな足音が、階段できこえました。うさぎがさがしにきたな、とわかったので、アリスはがたがたふるえて、それで家もゆれましたが、そこで自分がいまはうさぎの千倍も大きくて、ぜんぜんこわがらなくていいんだ、というのを思いだしました。

 すぐにうさぎが戸口にやってきて、それをあけようとしました。が、とびらは内がわにひらくようになっていて、アリスのひじがそれをしっかりおさえるかっこうになっていました。だもんで、やってもダメでした。アリスはうさぎがこうつぶやくのをききました。「じゃあまわりこんで、窓から入ってやる」

 「そうはさせないわよ」とアリスは思って、音のかんじでうさぎが窓のすぐ下まできたな、と思ったときに、いきなり手をひろげて宙をつかみました。なにもつかめませんでしたが、小さなひめいが聞こえて、たおれる音がして、そしてガラスのわれる音がして、だからたぶん、うさぎはキュウリの温室(おんしつ)か、なんかそんなものの上にたおれたのかも、とアリスは思いました。

白うさぎはキュウリの温室……

 つぎに怒った声がします――うさぎのです――「パット! パット! どこだ?」するとアリスのきいたことのない声が「へいへいこっちですよ! リンゴほりしてまっせ、せんせい!」

 「リンゴほり、がきいてあきれる!」とうさぎは怒って言います。「こい! こっから出るのてつだってくれ!」(もっとガラスのわれる音)

 「さてパット、あの窓にいるのは、ありゃなんだね?」

 「うでにきまってますがな、せんせい!」(でもはつおんは、「しぇんしぇえ」だったけど)

 「うでだと、このばか。あんなでかいうでがあるか! 窓いっぱいほどもあるだろう!」

 「そりゃそのとおりですけどね、せんせい、でもうでにはちがいありませんや」

 「とにかく、あんなものがあそこにいちゃいかん。おまえいって、どかしてこい!」

 ここでみんな、ずっとだまってしまいました。そしてきこえるのは、ときどきひそひそ声だけ。「うんにゃ、いやですよぅせんせい、だんじて、だんじて!」「いわれたとおりにせんか、このおくびょうものめが!」そしてアリスはついにまた手をひろげて、もう一回宙をつかんでみました。こんどは、小さなひめいが二つあがって、またガラスのわれる音がしました。「ここらへんって、キュウリの温室(おんしつ)だらけなのねぇ」とアリスは思いました。「さて、こんどはどうするつもりかしら? 窓からひっぱり出すつもりなら、ほんとにそれでうまくいけばいいんだけど。だってあたしだってもうここにはいたくないんだもん!」

 しばらくは、なにもきこえないまま、まっていました。やっと、小さな手おし車がたくさんガタガタいう音がきこえて、話しあっているたくさんの声がします。ききとれたことばはこんなふうです。「もいっこのはしごはどこだ?――え、おれはかたっぽもってきただけだよ/もいっこはビルだ――ビル! ここにもってこいって、ぼうず!――ほれ、こっちのかどに立てるんだよ――バカ、まずゆわえんだって――そんだけじゃ半分しかとどかねえ――よーし! それでなんとかなるっしょ/おい、なんかいったか――ほれビル、ロープのこっちのはしっこつかまえてくれ――屋根がもつかなあ――そこ、屋根石がゆるんでるから――ほーら落ちた! ふせろ!」(おっきなガシャンという音)――「おい、いまのだれがやった?――ビルだと思うね――だれがえんとつから入る?――えー、おれはいやだよ! おまえやれって!――えー、おれやですぅ!――ビルにいかせましょう――おいビル! おやぶんが、おまえにえんとつ入れって!」

 

 「あらそう! じゃあビルはえんとつから入ってこなきゃならないってわけ? へえ、そうなんだ!」とアリスはつぶやきました。「まったく、みんななんでもビルにおしつけるのね。あたしなら、どうあってもビルの身にはなりたくないなあ。このだんろはたしかにせまいけどでも、ちょっとはけっとばせるんじゃないかなー!」

 アリスがえんとつの足をできるだけ下までおろしてまっていると、小さな動物(どんな動物かはわかりませんでした)が、えんとつのすぐ上のところで、カサコソとうごくのがきこえました。そこでアリスはこう思いました。「これがビルね」そしてするどく一発けりを入れて、どうなるかまちかまえました。

ビルがあがった……

 最初にきこえたのは、みんながいっせいに合唱する声です。「ビルがあがったあがったぁ!」そしてうさぎの声がそこでしました――「おい、キャッチしろ、しげみんとこのおまえ!」そしてしずかになって、それから口々に声がきこえます――「頭をもちあげろ――ブランデーだ――息をつまらせるな――どうだった、ぼうず! なにがあった? なにもかも話してみろ!」

 最後に、よわよわしい小さな、キイキイ声がきこえました(「あれがビルね」とアリスは思いました)「ええ、ぜんぜんわかんないんっすけど――いやもうけっこう、どうも。もうだいじょうぶっす――でもちょいと目がまわっちまって話どころじゃ――わかったのは、なんかがビックリばこみたいにせまってきて、それでおいら、ロケットみたいにビューン、でして!」

 「いやはやあんた、まったくそのとおりだねえ」とみんな。

 「これは家に火をつけるしかないぞ!」とうさぎの声がいいました。そこでアリスはおもいっきり声をはりあげました。「そんなことをしたら、ダイナをけしかけてやるから!」

 すぐに死んだみたいにしずかになったので、アリスは考えました。「つぎはいったいなにをする気かしら! ちょっとでも頭があれば、屋根をはずすはずだけど」一分かそこらで、また一同は動きまわりはじめ、うさぎの声がきこえました。「手おし車いっぱいくらいでいいな、手はじめに」

 「手おし車いっぱいのなんなの?」とアリスは思いました。でも、すぐにわかることになりました。というのも、つぎのしゅんかんに、小石が雨あられと窓からとびこんできて、いくつか顔にあたったのです。「やめさせてやるわ」とアリスはつぶやいて、どなりました。「あんたたち、二度とやったらしょうちしないわよ!」するとまた、死んだようにしずかになりました。

 その小石が床にころがると、みんなケーキにかわっていったので、アリスはちょっとおどろきました。そしてすばらしいアイデアがひらめきました。「このケーキをひとつ食べれば、まちがいなく大きさがかわるはずよ。それでこれ以上はぜったいおっきくなれないから、かならず小さくなる、と思う」

 そこでケーキを一つのみこんでみると、すぐにちぢみだしたので、アリスはおおよろこびでした。とびらをとおれるくらい小さくなると、すぐに走ってそのおうちを出ました。外では、小さな動物や鳥たちがかなりたくさんまちかまえていました。かわいそうな小トカゲのビルが、そのまん中にいて、それを介抱(かいほう)しているモルモット二ひきの手で、びんからなにかをのませてもらっています。みんな、アリスがあらわれたとたんに、いっせいにかけよってきました。でもアリスはおもいっきり走って、やがて深い森にはいったのでひとまず安心。

 「まずやんなきゃいけないのは、もとの大きさにもどることね」とアリスは、森のなかをさまよいながらつぶやきました。「そして二ばんめに、あのきれいなお庭へのいきかたを見つけることよ。それが一番いい計画だわ」

 たしかに、すばらしい計画なのはまちがいないですし、とっても単純明快(たんじゅんめいかい)です。ただし一つだけ困ったことに、どこから手をつけていいやら、さっぱり見当もつかなかったのです。そしてそうやって木の間を不安そうにのぞいていると、小さくてするどいほえ声がして、アリスはあわてて上を見ました。

 きょだいなワンちゃんが、おっきなまるい目でこっちをみおろし、まえ足をかたっぽ、おずおずとさしのべて、アリスにさわろうとしています。「まあかわいそうに」とアリスは、なだめるような声で言うと、いっしょうけんめい口ぶえをふいてやろうとしました。でも、そのとき、そのワンちゃんがおなかをすかせてたらどうしようとおもって、とてもこわかったのです。もしそうなら、どんなになだめても、たぶんすぐにアリスを食べちゃうはずでしょう。

イバラのうしろのかくれてワンちゃんに……

 自分でもなぜだかわからないまま、アリスは小さな棒っきれをひろって、それをワンちゃんのほうにさしだしました。するとワンちゃんは、四本足でぴょんととんで、うれしそうにほえると、棒っきれにかけよってきて、それにかまけてるふりをします。そこでアリスは、おっきなイバラの後ろにかくれて、おしつぶされないようにしました。反対側から出てきたとたんに、ワンちゃんはもう一回、棒っきれにとびついて、それをおさえようとして頭からゴロゴロころがってしまいました。そしてアリスは、これはまるでばしゃ馬とあそんでるみたいで、いつふみつぶされるかわからないわ、と思いながら、またいばらのむこう側に走っていきました。そしてワンちゃんは、何度か棒っきれにみじかくとっしんをくりかえします。前にはほんのちょっとだけすすんで、それからおもいっきりさがって、そのあいだずっとワンワンとほえていました。そしてとうとう、ずっとはなれたところですわりこみ、ベロをだらりとたらし、息をハアハアいわせて、おっきな目を半分とじています。

 これは、にげだすぜっこうのチャンスだとおもったので、アリスはすぐにかけだして、かなりつかれて息がきれるまで、走りつづけました。ワンちゃんのほえる声は、もう遠くでかすかにきこえるだけでした。

 「でも、すっごくかわいいワンちゃんだったなあ」とアリスは考えながら、キンポウゲにもたれてやすんで、はっぱで自分をあおぎました。「芸を教えたかったなあ――あたしさえちゃんとした大きさだったら! あ、そうだった! あたし、また大きくならないと! わすれるとこだったわ。さーて――どうすればいいのかな? たぶんなんかしら、食べるかのむかすればいいんでしょうね。でもなにを? それが大問題だわ」

 たしかにそれは大問題でした。なにを? まわりをぐるっと見ても、花やはっぱは目に入りますが、いまのじょうたいで食べたりのんだりするのによさそうなものは、なんにも見あたりません。近くに、アリスと同じくらいのせたけのキノコがありました。アリスはその下をのぞいて、両側を見て、うら側も見てみたので、じゃあついでに、てっぺんになにがあるかも見てやろう、と思いつきました。

 つま先立ちになって、キノコのふちから上をのぞくと、その目がおっきないもむしの目と、すぐにばっちりあってしまいました。そいつはキノコのてっぺんにうで組みをしてすわり、しずかにながーい水パイプをすっていて、アリスも、それ以外のなにごとも、ぜんぜんどうでもいい、というようすでした。

 

5. いもむしの忠告

いもむしと目があってしまいました

 いもむしとアリスは、しばらくだまっておたがいを見つめていました。とうとういもむしが、口から水パイプをとって、めんどうくさそうな、ねむたい声で呼びかけてきました。

 「あんた、だれ?」といもむしが言います。

 これは会話の出だしとしては、あんまり気乗りするものじゃありません。アリスは、ちょっともじもじしながら答えました。「あ、あ、あの、あまりよくわかんないんです、いまのところ――少なくとも、けさ起きたときには、自分がだれだったかはわかってたんですけど、でもそれからあたし、何回か変わったみたいで」

 「そりゃいったいどういうことだね」といもむしはきびしい声で申します。「自分の言いたいことも言えんのか!」

 アリスは言いました。「はい、自分の言いたいことが言えないんです。だってあたし、自分じゃないんですもん、ね?」

 「『ね?』じゃない」といもむしが言います。

 「これでもせいいっぱいの説明なんです」とアリスはとてもれいぎ正しくこたえました。「なぜって、自分でもわけがわからないし、一日でこんなに大きさがいろいろかわると、すごく頭がこんがらがるんです」

 「がらないね」といもむし。

 「まあ、あなたはそういうふうには感じてらっしゃらないかもしれないけれど、でもいずれサナギになって――だっていつかなるんですからね――それからチョウチョになったら、たぶんきみょうな気分になると思うんですけど。思いません?」

 「ちっとも」といもむし。

 「じゃあまあ、あなたの感じかたはちがうかもしれませんけれど、でもあたしとして言えるのは、あたしにはすごくきみょうな感じだってことです」

 「あんた、か!」といもむしはバカにしたように言いました。「あんた、だれ?」

 これで話がふりだしにもどりました。アリスは、いもむしがずいぶんとみじかい返事しかしないので、ちょっと頭にきました。そこでむねをはって、とてもおもおもしく言いました。「思うんですけれど、あなたもご自分のことをまず話してくださらないと」

 「どうして?」といもむし。

 これまたなやましい質問です。そしてアリスはいい理由を考えつかなかったし、いもむしもずいぶんときげんがよくないようだったので、あっちにいくことにしました。

 「もどっといで!」といもむしがうしろからよびかけました。「だいじな話があるんじゃ!」

 これはどうも、なかなか期待できそうです。そこでアリスは向きをかえると、またもどってきました。

 「カッカするな」といもむし。

 「それだけ?」とアリスは、はらがたつのをひっしでおさえて言いました。

 「いや」といもむし。

 じゃあまちましょうか、とアリスは思いました。ほかにすることもなかったし、それにホントに聞くねうちのあることを言ってくれるかもしれないじゃないですか。何分か、いもむしはなにも言わずに水パイプをふかしているだけでしたが、とうとううで組みをといて、パイプを口からだすと言いました。「で、自分が変わったと思うんだって?」

 「ええ、どうもそうなんです。むかしみたいにいろんなことがおもいだせなくて――それに十分と同じ大きさでいられないんです!」

 「おもいだせないって、どんなこと?」といもむし。

 「ええ、『えらい小さなハチさん』を暗唱しようとしたんですけれど、ぜんぜんちがったものになっちゃったんです!」アリスはゆううつな声でこたえました。

 「『ウィリアム父さんお歳をめして』を暗唱してみぃ」といもむし。

 アリスはうでを組んで、暗唱をはじめました。

*     *     *     *     *
ウィリアム父さんのさかだち

『ウィリアム父さんお歳をめして』とお若い人が言いました。
『かみもとっくにまっ白だ。
なのにがんこにさか立ちざんまい――
そんなお歳でだいじょうぶ?』

ウィリアム父さん、息子にこたえ、
『わかい頃にはさかだちすると、
脳みそはかいがこわかった。こわれる脳などないとわかったいまは、
なんどもなんどもやらいでか!』

ウィリアム父さんのばくてん

『ウィリアム父さんお歳をめして』とお若い人、
『これはさっきも言ったけど。そして異様(いよう)なデブちんだ。
なのに戸口でばくてんを――
いったいどういうわけですかい?』

老人、グレーの巻き毛をゆする。
『わかい頃にはこの軟膏(なんこう)で
手足をきちんとととのえた。
一箱一シリングで買わんかね?』

ウィリアム父さんのしょくじ

『ウィリアム父さんお歳をめして』とお若い人、
『あごも弱ってあぶらみしかかめぬ
なのにガチョウを骨、くちばしまでペロリ――
いったいどうすりゃそんなこと?』

父さんが言うことにゃ
『わかい頃には法律まなび
すべてを女房と口論三昧
それであごに筋肉ついて、それが一生保ったのよ』

ウィリアム父さんのうなぎ

『ウィリアム父さんお歳をめして』とお若い人、
『目だって前より弱ったはずだ
なのに鼻のてっぺんにウナギをたてる――
いったいなぜにそんなに器用?』

『質問三つこたえたら、もうたくさん』と
お父さん。『なにを気取ってやがるんだ!
日がなそんなのきいてられっか!
失せろ、さもなきゃ階段からけり落とす!』

*     *     *     *     *

 「いまのはまちがっとるなあ」といもむしは申しました。

 「完全には正しくないです、やっぱり」とアリスは、ちぢこまって言いました。「ことばがところどころで変わっちゃってます」

 「最初っから最後まで、まちがいどおしじゃ」といもむしは決めつけるように言って、また数分ほど沈黙(ちんもく)がつづきました。

 まずいもむしが口をひらきました。

 「どんな大きさになりたいね?」とそいつがたずねます。

 「あ、大きさはべつにどうでもいいんです」とアリスはいそいでへんじをしました。「ただ、こんなにしょっちゅう大きさが変わるのがいやなだけなんです、ね?」

 「『ね?』じゃない」といもむしが言います。

 アリスはなにも言いませんでした。生まれてこのかた、こんなに茶々を入れられたのははじめてでした。だんだん頭にきはじめてるのがわかります。

 「それでいまは満足なの?」といもむしが言いました。

 「まあ、もしなんでしたら、もうちょっと大きくはなりたいです。身長8センチだと、ちょっとやりきれないんですもの」

 「じつによろしい身長だぞ、それは!」といもむしは怒ったようにいいながら、まっすぐたちあがってみせました(ちょうど身長8センチでした)。

 「でもあたしはなれてないんですもん!」とかわいそうなアリスは、あわれっぽくうったえました。そしてこう思いました。「まったくこの生き物たち、どうしてこうすぐに怒るんだろ!」

 「いずれなれる」といもむしは、水パイプを口にもどして、またふかしはじめました。

 アリスはこんどは、いもむしがまたしゃべる気になるまで、じっとがまんしてまっていました。一分かそこらすると、いもむしは水パイプを口からだして、一、二回あくびをすると、みぶるいしました。それからキノコをおりて、草のなかにはいこんでいってしまいました。そしてそのとき、あっさりこう言いました。「片側でせがのびるし、反対側でせがちぢむ」

 「片側って、なんの? 反対側って、なんの?」とアリスは、頭のなかで考えました。

 「キノコの」といもむしが、まるでアリスがいまの質問を声にだしたかのように言いました。そしてつぎのしゅんかん、見えなくなっていました。

 アリスは、しばらく考えこんでキノコをながめていました。どっちがその両側になるのか、わからなかったのです。キノコは完全にまん丸で、アリスはこれがとてもむずかしい問題だな、と思いました。でもとうとう、おもいっきりキノコのまわりに両手をのばして、左右の手でそれぞれキノコのはしっこをむしりとりました。

 「さて、これでどっちがどっちかな?」とアリスはつぶやき、右手のかけらをちょっとかじって、どうなるかためしてみました。つぎのしゅんかん、あごの下にすごい一げきをくらってしまいました。あごが足にぶつかったのです!

 いきなり変わったので、アリスはえらくおびえましたが、すごいいきおいでちぢんでいたので、これはぼやぼやしてられない、と思いました。そこですぐに、もう片方をたべる作業にかかりました。なにせあごが足にぴったりおしつけられていて、ほとんど口があけられません。でもなんとかやりとげて、左手のかけらをなんとかのみこみました。

*     *     *     *     *

*     *     *     *

*     *     *     *     *

 「わーい、やっと頭が自由になった!」とアリスはうれしそうにいいましたが、それはいっしゅんでおどろきにかわりました。自分のかたがどこにも見つからないのです。見おろしても見えるのは、すさまじいながさの首で、それはまるではるか下のほうにある緑のはっぱの海から、ツルみたいにのびています。

 「あのみどりのものは、いったいぜんたいなにかしら? それとあたしのかたはいったいどこ? それにかわいそうな手、どうして見えないのよ!」こう言いながらも、アリスは手を動かしていましたが、でもなにも変わりません。ずっと遠くのみどりのはっぱが、ちょっとガサガサするだけです。

 手を頭のほうにもってくるのはぜつぼうてきだったので、頭のほうを手までおろそうとしてみました。するとうれしいことに、首はいろんな方向に、ヘビみたいにらくらくと曲がるじゃないですか。ちょうど首をゆうびにくねくねとうまく曲げて、はっぱの中にとびこもうとしました。そのはっぱは、実はさっきまでうろうろしていた森の木のてっぺんにすぎませんでした。するとそのとき、するどいシューっという音がして、アリスはあわてて顔をひっこめました。おっきなハトが顔にとびかかってきて、つばさでアリスをぼかすかなぐっています。

 「ヘビめ!」とハトがさけびました。

 「だれがヘビよ!」とアリスは怒って言いました。「ほっといて!」

 「やっぱりヘビじゃないか!」とハトはくりかえしましたが、こんどはちょっと元気がなくて、なんだか泣いてるみたいでした。「なにもかもためしてみたのに、こいつらどうしても気がすまないんだからね!」

 「なんのお話だか、まるでさっぱり」とアリス。

 「木の根っこもためして、川岸もためして、生けがきもためしてみたのに」とハトはアリスにおかまいなしにつづけます。「でもあのヘビどもときたら、いっこうにお気にめさない!」

 アリスはますますわけがわからなくなりましたが、ハトが話し終えるまでは、なにをいってもむだだな、と思いました。

 「たまごをかえすだけでもいいかげん、たいへんだってのに」とハト。「おまけによるもひるも、ヘビがこないか見張ってなきゃなんない! この三週間、もうほんのちょっともねてないんだよ!」

 「たいへんですねえ、おきのどく」アリスは、だんだんハトがなにをいいたいのかわかってきました。

 「それで、やっと森のなかで一番高い木に巣をつくったばかりなのに」とハトの声があがってかなきり声になりました。「やっとあいつらから解放(かいほう)されたと思ったときに、空からくねくねふってくるんだから! まったくヘビときたら!」

 「だからぁ、ヘビじゃないって言ってるでしょう!」とアリス。「あ、あ、あたしは――」

 「ふん、じゃああんた、いったいなんなのさ!」とハトが言います。「なんかでまかせ言おうとしてるわね!」

 「あ、あたしは女の子よ」とアリスは、ちょっと自信なさそうに言いました。今日一日で自分がなんども変わったのを思いだしたからです。

 「もうチトじょうずなウソついたらどうよ」とハトは、ものすごくバカにした口ぶりで言いました。「女の子なら、これまでたくさん見てきたけどね、そんな首したのは、一人だって見たことないよ! いやいや、あんたヘビだよ。ごまかしたってダメだい。するとなんだい、こんどはたまごを食べたことないなんて言い出すんだろう!」

 「たまごなら食べたことありますとも」アリスはとっても正直な子だったのです。「でも女の子だって、ヘビと同じくらいたまごを食べるのよ」

 「信じるもんですか」とハトが言います。「でももしそうなら、女の子だってヘビの一種さね。あたしに言えるのはそんだけだよ」

 これはアリスにしてみれば、まったく新しい考え方でしたので、一分かそこらはなにも言えませんでしたので、それをとらえて、ハトはこうつけくわえました。「あんたがたまごをさがしてるんだ、そこんとこはまちがいないね。だったらあんたが女の子だろうとヘビだろうと、あたしにゃなんのちがいもないだろが!」

 「あたしにはかなりのちがいなの!」とアリスはすぐに言いました。「でも、あいにくとたまごなんかさがしてないもん。それにさがしててもあんたのなんかいらないわ。なまたまごはきらいだもの」

 「だったらさっさと失せな!」とハトはつっけんどんに言って、また自分の巣にもどりました。アリスは、なんとかかんとか森のなかで身をかがめました。というのも首があちこちでえだにからまってばかりいたので、そのたびに止まってほどかなくてはならなかったのです。しばらくして、自分がキノコのかけらをまだ手に持っていたのを思いだして、とっても気をつけて作業にかかり、まずは片方をかじって、それから反対側を、というぐあいにして、ときどきは大きくなって、ときどきは小さくなって、やがてなんとかいつもの大きさにもどったのでした。

 まともな大きさくらいになったのは、ずいぶんひさしぶりでしたので、かえってかなりきみょうな感じがしました。でも数分でそれになれて、いつものように一人ごとをはじめました。「わーい、これで計画が半分たっせいだぞ! こんなに変わるなんて、不思議よね! 毎分毎分、自分がなんになるのかちっともわかんない。でも、もとの大きさにはもどった、と。つぎはあのきれいなお庭に入ることね――それっていったいどうやったらいいだろ?」こう言ったとき、いきなりひらけた場所に出て、そこに高さ120センチくらいの小さなおうちがありました。「だれが住んでるのか知らないけど」とアリスは思いました。「こんな大きさでちかよるわけにはいかないわね。だって死ぬほどこわがらせちゃうわ!」そこでまた右手のかけらをかじりはじめて、身長25センチになるまで、けっしておうちには近づきませんでした。

 

6. ぶたとコショウ

お仕着せすがたのめしつかいが……

 一分かそこら、アリスはそのままおうちをながめていて、つぎにどうしようかと思っていると、いきなりお仕着せすがたの召使い(めしつかい)が、森からかけだしてきました――(それが召使い(めしつかい)だと思ったのは、お仕着せをきていたからです。さもなければ、顔だけみたらそれはおさかなだと思ったはず)――そしてげんこつでそうぞうしくとびらをノックしました。それをあけたのは、これまたお仕着せすがたのべつの召使い(めしつかい)で、丸い顔とおおきな目をしてカエルみたいです。そして召使い(めしつかい)二人とも、おしろいをまぶしたかみの毛をしていて、それが頭一面でカールをまいています。いったいなんのさわぎかな、とアリスはすごく知りたくなって、ちょっと森からしのび出ると、きき耳をたてました。

 おさかな召使い(めしつかい)は、まずうでの下からおっきな手紙をとりだしました。自分とほとんど同じくらいおっきな手紙です。そしてこれを相手にわたしながら、おもおもしい口ぶりでこう言いました。「公爵夫人どのへ~、女王さまより~、クロケーのごしょうたい~」。カエル召使い(めしつかい)は、同じようなおもおもしい口ぶりでくりかえしましたが、ことばの順番をちょっと変えました。「女王さまより~、クロケーのごしょうたい~、公爵夫人どのへ~」

 そして両方とも、ふかぶかとおじぎをして、するとカールがからまってしまいました。

 アリスはこれを見てゲラゲラわらってしまって、きこえるのがこわくて、森にかけもどったほどでした。そしてつぎにまたのぞいてみると、おさかな召使い(めしつかい)はいなくなっていて、もう片方が、とびら近くの地面にすわって、ぽかーんと空を見あげています。

 アリスはおずおずととびらのところへいって、ノックしました。

 「ノックなんかしてもむだよーん」と召使い(めしつかい)が言いました。「わけは二つね。まずあたしがあんたと同じで、ドアのこっち側にいるもんねー。つぎに、中ではすんごいそうぞうしいもんで、だれもあんたのノックなんかきこえやしないのよーん」そしてたしかに、中ではまあとんでもない大そうどうになってるようです――だれかずっと泣きわめいてはくしゃみをして、しょっちゅうものすごいガシャーンというお皿かやかんがこなごなになったみたいな音がするのです。

 「おねがい、そうしたら、あたしはどうやって入ればいいのかしら」とアリス。

 「ドアがあたしたちのあいだにあったら、あんたがノックしても、ちょいとはいみがあるかもしれないけど」と召使い(めしつかい)は、アリスにかまわず先をつづけます。「たとえば、あんたが中にいたら、ノックすれば、あたしが出したげられるんだけどねぇ」こういいながら、かれはずっと空を見あげたままで、アリスはこれはどう考えても、失礼せんばんだと思いました。「でも、しかたないのかもね」とアリスはつぶやきました。「だってお目目があんな頭のすっごくてっぺんにあるんですもん。でもそれにしても、きいたら返事くらいすればいいのに。――どうやって入ればいいの?」と声にだしてアリスはくりかえしました。

 召使い(めしつかい)は言います。「あたしゃここにすわってるわぁ、あしたになっても――」

 このときおうちのドアがあいて、おっきなお皿がシュルルッと、めしつかいの頭めがけてとんできました。そしてその鼻をかすめると、うしろの木にあたってこなごなになりました。

 「――ひょっとしてあさってになっても」と召使い(めしつかい)はまったく同じ口ぶりで、なにもおきなかったみたいにつづけました。

 「どうやって入ればいいの」とアリスは、もっと大きな声でいいました。

 「そもそもあんた、入っていいのかしらねえ?」と召使い(めしつかい)。「まずそれが問題、でしょう、ねえ」

 たしかにそうです、まちがいなく。でもアリスは、そんなこといわれたくありませんでした。「まったく頭にきちゃうわよね、この生き物たちが口ごたえするのって。キチガイになっちゃいそうよ」

 召使い(めしつかい)は、このすきに、さっきのせりふをちょっと変えてくりかえそうと思ったようです。「あたしゃここにすわってるわぁ、ずっとずっと、何日も何日もぉ」

 「でもあたしはどうすればいいの?」とアリス。

 「お好きなように」と召使い(めしつかい)は口ぶえをふきはじめました。

 「ああ、こんなのと話をしててもしょうがないわ」とアリスはぜつぼうして言いました。「完全なバカじゃないの!」そしてとびらをあけるとなかに入っていきました。

 とびらはすぐに大きな台所につづいていて、そこははしからはしまでけむりまみれでした。公爵夫人はまん中にある三きゃくいすにすわって、赤ちゃんをあやしています。コックは火の上にかがみこんで、スープでいっぱいらしいおっきなおなべをかきまぜています。

 「たしかにあのスープはコショウ入れすぎ」とアリスはつぶやきました。くしゃみをしながらつぶやくのもたいへんです。

 それが空気にたくさんまじりすぎているのはたしかでした。公爵夫人でさえ、ときどきくしゃみをしています。そして赤ちゃんときたら、ちょっとも間をおかずに、くしゃみ、なき、わめきをくりかえしているのでした。台所でくしゃみをしないのは、コックと、ろばたにすわっているおっきなねこだけでした。ねこは、耳から耳までとどくくらいニヤニヤしています。

公爵夫人のだいどころ

 「あの、教えていただけませんでしょうか?」とアリスは、ちょっとびくびくしながらききました。自分から口をひらくのが、おぎょうぎのいいことかどうか、自信がなかったのです。「なぜこちらのねこは、あんなふうにニヤニヤわらうんでしょうか?」

 「チェシャねこだから」と公爵夫人。「そのせいだよ。ぶた!」

 最後のひとことは、いきなりすごいあらっぽさだったので、アリスはほんとにとびあがってしまいました。が、すぐにそれが赤ちゃんに言ったせりふで、アリスに言ったのではないのがわかりました。そこでゆうきをだして、またきいてみました:――

 「チェシャねこがいつもニヤニヤわらうとは知らなかったです。というか、そもそもねこがニヤニヤわらいできるって知りませんでした」

 「みんなできるよ。で、ほとんどみんなしてる」と公爵夫人。

 「あたしは、してるねこは見たことないんです」とアリスはれいぎ正しく言いました。やっと会話ができたので、とてもうれしかったのです。

 「あんたはもの知らずだからね。まちがいないよ」と公爵夫人。

 アリスはこの意見の調子がぜんぜん気にいらなかったので、なにかべつの話題にしたほうがいいな、とおもいました。なにか思いつこうとしているあいだ、コックはスープのおなべを火からおろして、すぐにまわりのものを手あたりしだいに、公爵夫人と赤ちゃんにむかってなげつけるしごとにとりかかりました――まずは火かきどうぐ。つづいて小皿、中皿、大皿の雨あられ。公爵夫人は、それがあたってもまったく無視していました。そして赤ちゃんは、もともとすさまじくわめいていたので、おさらがあたっていたいのかどうか、ぜんぜんわかりません。

 「ああ、おねがいだから自分のやることに気をつけてよ!」とアリスはさけんで、怒ってかんしゃくをおこして、ぴょんぴょんとびはねました。「ほら、あのかわいいお鼻があんなことに」ちょうど、とんでもなくでっかなソース皿が赤ちゃんの鼻の近くをとんでいって、あやうくそれをもぎとるところでした。

 「みんなが自分のやることだけ気をつけて、ひとごとに口出ししなけりゃ、この世はいまよりずっとずっとさっさと動くこったろうよ」と公爵夫人が、あらっぽいうなり声をあげました。

 「それはぜったいに困ったことですよね」とアリスは、ちしきをひけらかすチャンスができて、とてもうれしく思いました。「昼と夜がかわって、すごくたいへんなことになるはずですもの! つまりですね、地球は一回まわるのに24時間かかって、昼と夜でおのおの――」

 「おのといえば」と公爵夫人。「この娘(こ)の頭をちょんぎっちまいな!」

 アリスはいささか心配そうにコックのほうを見ました。コックがいまのを本気にしたかな、と思ったのです。でもコックはスープをかきまぜるのにいそがしくて、きいていないようでしたので、アリスは続けました。「一日って24時間、だったと思うんですけど。それとも12でしたっけ? あたし――」

 「あら、あたしになんかきかないでよ」と公爵夫人。「あたしゃ数字はぜんぜんにがてなんだからね!」それからまた子どもをあやしはじめ、いっしょになんだか子もり歌みたいなものをうたいだしました。一行うたうごとに、赤ちゃんをすさまじくゆさぶっています。

*     *     *     *     *

「ガキにはあらっぽい口きいて
くしゃみしやがったらぶんなぐれ
どうせいやがらせでするくしゃみ
こっちが怒るの知ってやがる」

合唱

(ここでコックとあかちゃんもいっしょに):--

「わぁ! わぁ! わぁ!」

*     *     *     *     *

 公爵夫人は、歌の二番をうたいながら、赤ちゃんをらんぼうにポンポン投げています。そしてかわいそうな赤ちゃんがすごくわめくので、アリスはほとんど歌がきこえませんでした:――

*     *     *     *     *

「ガキにはきつい口をきく
くしゃみをしたらぶんなぐる
勝手なときにはコショウでも
しっかりきちんと味わうくせに!」

合唱

「わぁ! わぁ! わぁ!」

*     *     *     *     *

 「ほれ、なんならあんたにもちょっとあやさせてやるよ!」と言いながら、公爵夫人は赤ちゃんを投げつけてよこしました。「あたしゃちょっと、女王さまとクロケーをするんでじゅんびがあるからね」そしてさっさと部屋を出てしまいました。コックは、その出ぎわにフライパンをなげつけましたが、おしいところではずれました。

 アリスはずいぶんくろうして赤ちゃんをつかまえました。すっごくへんなかっこうの生き物で、あっちこっちに手足をつきだしてばかりいたからです。「ヒトデみたい」とアリスは思いました。かわいそうな子は、つかまえたときには蒸気機関車(じょうききかんしゃ)みたいみたいにフガフガ言っていて、しかもからだをまげたりのばしたりするので、そういうのがぜんぶあわさって、最初の一分かそこらは、かかえておくだけでせいいっぱいでした。

 それをまともにあやすやり方がわかったので(ちなみに、それは赤ちゃんをひねって、いわばゆわえちゃって、そして右耳と左足をしっかりもって、それがほどけないようにしてやることだったんだけど)、アリスはすぐにそれを外につれだしました。「もしあたしがこの子をいっしょにつれてかないと、ぜったいに一日かそこらでころされちゃうものね。そんなところにのこしてったら、殺人でしょう?」アリスは最後のところを声に出していいました。すると生き物は、返事のかわりに鼻をならしました(このころには、くしゃみはやんでいたのです)。「鼻をならしちゃダメ。意見を言うのにぜんぜんちゃんとしたやりかたじゃないわよ」

ぶた赤ちゃん

 赤ちゃんはまた鼻をならして、アリスはとっても心配になって、そのかおをのぞきこんでどうかしたのか見ました。まちがいなくこの子は、とっても上向きの鼻をしていて、人の鼻よりはブタの鼻ヅラみたいでした。それと、赤ちゃんにしては目がすっごく小さくなってきてます。ぜんぶあわせると、アリスとしてはこの子のようすがぜんぜん気に入りません。「でも、しゃくりあげただけかも」と思って目をのぞきこみ、涙がないかしらべました。

 いいえ、涙はありません。「いい子だからね、ぶたになっちゃうなら、もうかまってあげませんからね!」とアリスはまじめに言いました。かわいそうな生き物は、またしゃくりあげます(あるいは鼻をならしたのか、どっちかはぜんぜんわかりません)。そして二人は、しばらくだまったままでいました。

 「でもこの生き物をおうちにつれてかえったら、どうしてやったらいいんだろう」とアリスがちょうど思ったときに、そいつがまた鼻をならしました。それがすごくきょうれつで、アリスはびっくりしてその顔をのぞきこみました。こんどは、もうまちがえようがありません。それはまったくもってぶたそのものでした。だから、これ以上だっこしてやるのは、じつにばかげてる、と思いました。

 そこでアリスはその小さな生き物を下におろし、するとしずかにトコトコと森にむかっていったので、ずいぶんホッとしました。「あれでおっきくなったら、しぬほどみっともない子どもになったでしょうね。でもぶたとしてなら、なかなかハンサムじゃないかな、と思う」そしてアリスは、知り合いのなかで、ぶたになったほうがうまくやっていけそうな子たちを思いうかべてみました。そして「もしちゃんとあの子たちを変えるほうほうさえわかれば――」とちょうどいったとき、何メートルか先の木の大えだに、あのチェシャねこがすわっていたので、アリスはちょっとぎょっとしました。

 ねこは、アリスを見てもニヤニヤしただけです。わるいねこではなさそうね、とアリスは思いました。が、とってもながいツメに、とってもたくさんの歯をしていたので、ちゃんと失礼のないようにしないと、と思いました。

チェシャねこ

 「チェシャにゃんこちゃん」とアリスは、ちょっとおずおずときりだしました。そういうよび名を気に入ってくれるかどうか、さっぱりわからなかったからです。でも、ねこはニヤニヤ笑いをもっとニッタリさせただけでした。「わーい、いまのところきげんがいいみたい」とアリスは思って、先をつづけました。「おねがい、教えてちょうだい、あたしはここからどっちへいったらいいのかしら」

 「それはかなり、あんたがどこへいきたいかによるなあ」とねこ。

 「どこでもいいんですけど――」とアリス。

 「ならどっちへいってもかんけいないじゃん」とねこ。

 「でもどっかへはつきたいんです」とアリスは、説明するようにつけくわえました。

 「ああ、そりゃどっかへはつくよ、まちがいなく。たっぷり歩けばね」

 アリスは、これはたしかにそのとおりだと思ったので、べつの質問をしてみました。「ここらへんには、どんな人がすんでるんですか?」

 「あっちの方向には」とねこは、右のまえ足をふりまわしました。「帽子屋がすんでる。それとあっちの方向には」ともうかたほうのまえ足をふりまわします。「三月うさぎがすんでる。好きなほうをたずねるといいよ。どっちも変だけど」

 「でも、キチガイのとこなんかいきたくない」とアリスはのべます。

 「そいつはどうしようもないよ。ここらじゃみんな変だもん。ぼくも変、あんたも変」

 「どうしてあたしが変なんですか?」とアリス。

 「ぜったいそうだよ。そうでなきゃここにはこない」とねこ。

 アリスは、そんなのなんのしょうめいにもなってないとおもいました。でも、先をつづけます。「じゃあ、あなたはどうして変なの?」

 「まずだね、犬は変じゃない。それはいい?」

 「まあそうね」とアリス

 「すると、だ。犬は怒るとうなって、うれしいとしっぽをふるね。さて、ぼくはうれしいとうなって、怒るとしっぽをふる。よって、ぼくは変」

 「それはうなるんじゃなくて、のどをならしてるっていうのよ」とアリス。

 「お好きなように」とねこ。「女王さまときょう、クロケーをするの?」

 「したいのはやまやまだけど。でもまだしょうたいされてないの」

 「そこで会おうね」といって、ねこは消えました。

 アリスはたいしておどろきませんでした。へんてこなことがおきるのに、もうなれちゃったからです。そしてねこがいたところを見ていると、いきなりまたあらわれました。

 「ところでちなみに、赤ちゃんはどうなった?」とねこ。「きくのわすれるとこだった」

 「ぶたになっちゃった」とアリスは、ねこがふつうのやりかたでもどってきたのとかわらない声で、しずかにいいました。

 「だろうとおもった」ねこは、また消えました。

 アリスはちょっとまってみました。ねこがまたでてくるかも、とおもったのです。が、でてこなかったので、一分かそこらしてから、三月うさぎのすんでいるはずのほうに歩きだしました。「帽子屋さんならみたことあるし、三月うさぎのほうがおもしろいわよね。それにいまは五月だから、そんなすごくキチガイでないかもしれない――三月ほどには」こういいながら、ふと目をあげると、またねこがいて木のえだにすわっています。

 「ぶたって言った、それともふた?」とねこ。

 「ぶた。それと、そんなにいきなり出たり消えたりしないでくれる? くらくらしちゃうから」

 「はいはい」とねこ。そしてこんどは、とてもゆっくり消えていきました。しっぽの先からはじめて、最後はニヤニヤわらい。ニヤニヤわらいは、ねこのほかのところが消えてからも、しばらくのこっていました。

ニヤニヤわらいは、ねこのほかのところが消えてからも……

 アリスは思いました。「あらま! ニヤニヤわらいなしのねこならよく見かけるけれど、でもねこなしのニヤニヤわらいとはね! 生まれて見た中で、一番へんてこなしろものだわ!」

 ほんのしばらく歩くと、三月うさぎのおうちが見えてきました。まちがいないと思ったのは、えんとつが耳のかっこうをしていて、屋根が毛皮でふいてあったからです。あんまりおっきなおうちだったもので、左手のキノコをちょっとかじって、身長60センチくらいになってからでないと、近づきたくありませんでした。それでもなお、びくびくしながらちかづいて、その間もこう思っていました。「やっぱりすごくキチガイかも! やっぱり帽子屋さんのほうに会いにいけばよかったかなあ!」

 

7. おかしなお茶会


 おうちのまえの木の下には、テーブルが出ていました。そして三月うさぎと帽子屋さんが、そこでお茶してます。ヤマネがそのあいだで、ぐっすりねてました。二人はそれをクッションがわりにつかって、ひじをヤマネにのせてその頭ごしにしゃべっています。「ヤマネはすごくいごこちわるそう。でも、ねてるから、気にしないか」とアリスは思いました。

 テーブルはとてもおっきいのに、三名はそのかどっこ一つにかたまっていました。「満員、満員!」とアリスがきたのを見て、みんなさけびました。「どこが満員よ、いっぱいあいてるじゃない!」とアリスは怒って、そしてテーブルのはしのおっきなひじかけつきのいすにすわりました。

 「ワインはいかが」と三月うさぎが親切そうに言います。

 アリスはテーブル中をみまわしましたが、そこにはお茶しかのってません。「ワインなんかみあたらないけど」とアリス。

 「だってないもん」と三月うさぎ。

 「じゃあ、それをすすめるなんて失礼じゃないのよ」とアリスははらをたてました。

 「しょうたいもなしに勝手にすわって、あんたこそ失礼だよ」と三月うさぎ。

キチガイお茶会

 「あなたのテーブルって知らなかったからよ」とアリス。「三人よりずっとたくさんの用意がしてあるじゃない」

 「かみの毛、切ったほうがいいよ」帽子屋さんはアリスをすごくものめずらしそうに、ずいぶんながいことジロジロ見ていたのですが、はじめて言ったのがこれでした。

 「人のこととやかく言っちゃいけないのよ」とアリスは、ちょっときびしく言いました。「すっごくぶさほうなのよ」

 帽子屋さんは、これをきいて目だまをぎょろりとむきました。が、言ったのはこれだけでした。「大ガラスが書きものづくえと似ているのはなーぜだ?」

 「わーい、これでおもしろくなるぞ! なぞなぞをはじめてくれてうれしいな」とアリスは思いました。そして「それならわかると思う」と声に出してつけくわえました。

 「つまり、そのこたえがわかると思うって意味?」と三月うさぎ。

 「そのとおり」とアリス。

 「そんなら、意味どおりのことを言えよ」と三月うさぎはつづけます。

 「言ってるわよ」アリスはすぐこたえました。「すくなくとも――すくなくとも、言ったとおりのことは意味してるわ――同じことでしょ」

 「なにが同じなもんか」と帽子屋さん。「それじゃあ『見たものを食べる』ってのと『食べるものを見る』ってのが同じことだと言ってるみたいなもんだ」

 三月うさぎも追加します。「『もらえるものは好きだ』ってのと『好きなものがもらえる』ってのが同じだ、みたいな!」

 ヤマネもつけくわえましたが、まるでねごとみたいです。「それって、『ねるときにいきをする』と『いきをするときにねる』が同じだ、みたいな!」

 「おまえのばあいは同じだろうが」と帽子屋さんがいって、ここでお話がとぎれて、みんなしばらくなにもいわずにすわっていました。アリスは、大ガラスと書きものづくえについて、ありったけ思いだそうとしましたが、大して出てきません。

 帽子屋さんが、まっ先にちんもくをやぶりました。「きょうって何日?」とアリスにききます。ポケットから時計をとりだして、それを困ったように見ながら、ときどきふったりしては、耳にあてています。

 アリスはちょっと考えてから言いました。「四日(よっか)」

 「二日(ふつか)もくるってる!」と帽子屋さんはためいきをつきました。そして、怒って三月うさぎをにらみつけました。「だからバターじゃダメだって言ったじゃねぇか!」

 「最高のバターだったんだぜ」と三月うさぎは力なくこたえました。

 「おぅ、でもパンくずがいっしょに入っちまったにちげえねぇ」と帽子屋さんはもんくをたれます。「おめぇがパンきりナイフなんかつかいやがるから」

 三月うさぎは時計をうけとると、しょんぼりとそれをながめます。それからそれを自分のお茶にひたしてみてから、またながめました。でも、最初のせりふ以上のものはおもいつきませんでした。「最高のバターだったんだぜ」

 アリスは興味(きょうみ)しんしんで、そのかたごしにながめていました。「ずいぶんへんな時計ね! 何日かわかるけど、何時かはわからないなんて!」

 「そんなのわかってもしょうがねぇだろ」と帽子屋さん。「あんたの時計は、いまが何年かわかるのかぃ、え?」

 「もちろんわかんないけど」とアリスは自信たっぷりにこたえます。「でもそれは、年ってかなりずっと長いことおんなじままだからよ」

 「おれの場合もまさにおんなしこった」と帽子屋さん。

 アリスはものすごく頭がこんがらがってきました。帽子屋さんの言ったことは、まるでなんの意味もないようですが、でもちゃんと文にはなってるのです。「どうもよくわからないみたいです」とアリスは、できるだけていねいに言いました。

 「ヤマネのやろう、またねてやがる」と帽子屋さんは、ヤマネの鼻ヅラにちょっとあついお茶をかけました。

 ヤマネはあわてて頭をふると、目をあけずにいいました。「いや、まったくまったく。おれもそう言おうと思ってたところ」

 「なぞなぞはわかったかよ」と帽子屋さんは、またアリスに話しかけました。

 「だめ、こうさん。こたえはなに?」とアリスはこたえました。

 「さっぱり見当もつかない」と帽子屋さん。

 「わしも」と三月うさぎ。

 アリスはうんざりしてため息をつきました。「もう少しましに時間をつかったら? それを、答のないなぞなぞなんか聞いて、むだにしたりして」

 「おれくらい時間と仲がよけりゃ、それをむだにするなんて言い方はせんね。やつだよ」

 「なんのことやらさっぱり」とアリス。

 「そりゃあんたにゃわかるめぇよ!」と帽子屋さんは、バカにしたようにみえをきりました。「どうせ、時間と口きぃたこともねぇんだろ!」

 「ないかも」とアリスはしんちょうに答えます。「でも、音楽を教わるときには、こうやって時間をきざむわよ」

 「おぅ、それだそれ、そのせいだよ」と帽子屋さん。「やつだってきざまれたかねぇやな。いいか、やつとうまいことやりさえすりゃあ、やつは時計がらみのことなら、ほとんどなんでも塩梅(あんばい)してくれらぁね。たとえば、朝の9時で、ちょうど授業の始まる時間だ。でもそこで時間にちょいと耳うちすれば、いっしゅんで時間がグルグルと! さあ午後一時半、ばんごはんの時間だよ!」

 (「いまがそうならねえ」と三月うさぎは小声でつぶやいた。)

 「そうなったら、なかなかすごいでしょうねえ、たしかに」とアリスは、考えぶかげにいいました。「でもそしたら――あたしはまだおなかがすいてないわけよねえ」

 「最初のうちは、そうかもしんねぇけど」と帽子屋さんが言いました。「でも、いつまでも好きなだけ一時半にしとけるんだぜ」

 「あなた、そんなことしてくらしてるんだ」とアリス。

 帽子屋さんは、かなしそうに頭をふります。「おれはちがうよ。おれと時間は、こないだの三月に口論してさぁ――ちょうどあいつがおかしくなるちょっと前だったけどね――」(と三月うさぎを茶さじで指さします)「――ハートの女王さまがやった大コンサートがあって、おれもうたうことになったんよ」

*     *     *     *     *

「きらきらコウモリよ
おそらで謀(はか)る!」

*     *     *     *     *

 知ってるだろ、この歌?」

 「なんかそんなようなのは、きいたことある」とアリス。

 帽子屋さんはつづけます。「それでさ、こんなふうにつづくじゃないか:

*     *     *     *     *
"); nwin.document.close(); return false; } ※※

「世界のうえを
お盆(ぼん)の飛翔(ひしょう)
きらきら――」

*     *     *     *     *
うたう帽子屋さん

 ここでヤマネがみぶるいして、ねむりながらうたいはじめました。「きらきら、きらきら、きらきら――」そしてこれをいつまでもつづけたので、みんなでつねってなんとかやめさせました。

 「うん、それでおれが歌の一番もうたいおわらないうちに、女王さんがとびあがって、ぎゃあすか言いやがってさ、『こやつ、ひょうしの時間をバラバラにしておるではないか! 首をちょん切れ!』

 「まあなんてひどいざんこくな!」とアリスはさけびます。

 「で、それからずっと、時間のやつったら、バラバラにされたのを根にもって、おれのたのみをいっこうにきいてくれやしねぇんだ。だからいまじゃずっと6時のまんまよ」

 急にアリスはひらめきました。「じゃあそれで、お茶のお道具がこんなに出てるのね?」

 「そ、そゆこと」と帽子屋さんはためいきをつきました。「いつでもお茶の時間で、あいまに洗ってるひまがないのよ」

 「じゃあ、どんどんずれてくわけ」とアリス。

 「ごめいとう。使いおわるとだんだんずれる」

 「でも最初のところにもどってきたらどうなるの?」アリスはあえてきいてみました。

 三月うさぎがわりこみました。「そろそろ話題を変えようぜ。もうあきてきたよ。このおじょうちゃんがお話をしてくれるのに一票」

 「悪いんですけど、なにも知らないの」とアリスは、この提案にかなりびっくりして言いました。

 「じゃあヤマネにやらせろ!」と二人はさけびました。「おいヤマネ、起きろってば!」そして両側から同時につねりました。

 ヤマネはゆっくり目をあけました。「ねてないよぉ」と、しゃがれたよわよわしい声で言います。「おまえたちのせりふ、ぜーんぶきいてたよぉ」

 「お話してくれよぅ!」と三月うさぎ。

 「ええ、おねがい!」とアリスもたのみます。

 帽子屋さんが言います。「それと、さっさとやれよ。さもねぇと、おわんないうちにねちまうだろ、おめぇ」

 ヤマネはあわててはじめました。「むかしむかし、三人姉妹がいなかに住んでおりました。なまえは、エルシー、レイシー、ティリー。そしてこのいなか姉妹は、井戸のそこに住んでいまして――」

 「なにを食べてたの?」アリスは、食べたりのんだりする質問に、いつもすごく興味(きょうみ)があったのです。

 「とうみつを」とヤマネは、一分かそこら考えこんでからいいました。

 「そんなこと、できるはずないわ」アリスはしずかにもうしました。「だって病気になっちゃうもの」

 「まさにそのとおり」とヤマネ。「とっても病気でした」

 アリスは、そんなとんでもない生き方ってどんなものか、想像してみようとしました。でもなぞが多すぎたので、つづけました。「でも、なんだって井戸のそこになんかに住んでたの?」

 「茶ぁもっとのみなよ」と三月うさぎが、とってもねっしんにアリスにすすめました。

 「まだなにものんでないのよ。だからもっとなんてのめないわ」アリスはむっと返事をします。

 「ちょっとはのめない、だろ。なにものんでないなら、ゼロよりもっとのむなんてかんたんだぁ」と帽子屋さん。

 「だれもあんたになんかきいてないわ」とアリス。

 「ひとのこととやかく言うなってったの、だれだっけねぇ」と帽子屋さんは勝ちほこってききました。

 アリスはなんとこたえていいかわかりませんでした。だからお茶とバターパンをちょっと口にして、それからヤマネにむかって質問をくりかえしました。「その子たち、なんで井戸のそこに住んでたの?」

 ヤマネはまた一分かそこら、それについて考えてから言いました。「とうみつ井戸だったのです」

 「そんなものあるわけないでしょう!」アリスは怒り狂って言いかけましたが、帽子屋さんと三月うさぎが「シイッ! シイッ」と言って、そしてヤマネはきつい口ぶりで言いました。「れいぎ正しくできないんなら、話のつづきはあんたがやってくれよ」

 「いえおねがい、つづけてください!」アリスはつつましく言いました。「もうじゃまはしませんから。とうみつ井戸も、ひとつくらいならあるかも」

 「ひとつくらい、だと!」ヤマネはおもしろくなさそうです。でも、先をつづけることには同意してくれました。「そこでこのいなか姉妹三人は――お絵かきをならってました。ほら――」

 「なにをかいたの?」とアリスは、やくそくをすっかりわすれてききます。

 「とうみつ」とヤマネは、こんどはぜんぜん考えずにいいました。

 「きれいなお茶わんがほしーぜ」と帽子屋さんがわりこみます。「みんな一つずつずれろ」

 そういいながら帽子屋さんが動いて、ヤマネがつづきました。三月うさぎがヤマネのせきにうごいて、アリスはいやいやながら三月うさぎのせきにつきました。動いてちょっとでもとくをしたのは、帽子屋さんだけです。そしてアリスはさっきよりずっと悪いせきになりました。三月うさぎが、ちょうどミルク入れをお皿にひっくりかえしたばかりのせきだったからです。

 アリスは二度とヤマネのきげんをそこねたくなかったので、とても用心してきりだしました。「でも、わかんないんですけど。そのいなか姉妹って、どこからとうみつをかいたの?」

 「水の井戸から水をかいだすののとおんなじだよぅ」と帽子屋さん。「だからとうみつ井戸からだってとうみつをかいだせるだろが――このバーカ」

 「でも、そのいなか姉妹たちって、井戸の中にいたんでしょ?」アリスは、いま帽子屋さんのいったことは、むしすることにしてヤマネにききました。

 「そうそう」とヤマネ。「だから井中(いなか)姉妹」

 このこたえに、かわいそうなアリスはとてもまごついてしまって、ヤマネがつづけてもしばらくはわりこみませんでした。

 ヤマネは、あくびをして目をこすりながらつづけます。「この子たちはお絵かきをならっていて、いろんなものをかきました――まみむめもではじまるものならなんでも――」

 「どうしてまみむめも?」とアリス。

 「なんかいけない?」と三月うさぎ。

 アリスはだまりました。

 ヤマネはこのあたりでそろそろ目を閉じて、うつらうつらしはじめていましたが、帽子屋さんにつねられて、またちょっとひめいをあげてとびおきて、先をつづけました。「――まみむめもではじまるものならなんでも――たとえば『まんじゅう』とか『みらい』とか、『むずかし』とか『めんどう』とか、『もう』とか――ほら、『もうたくさん』っていうでしょ――あんた、もうの絵なんて見たことある?

 「さてさて、そう言われてもあたしだってそんなこと」とアリスは、頭がすごくこんがらがって言いました。「いままで考えたこともないし――」

 「じゃあだまってな」と帽子屋さん。

 この無礼さかげんには、もうアリスはがまんできませんでした。思いっきり顔をしかめて立ちあがり、歩きさっていきました。ヤマネはすぐにねてしまい、ほかの二人はどっちも、アリスがいっちゃってもまるで気にしませんでした。アリスのほうは、一、二回ほどふりかえって、もどってこいと言ってくれないかな、とちょっと思ったりもしたのですが。最後にふりかえったとき、二人はヤマネをお茶のポットにおしこもうとしていました。

ヤマネをポットにおしこもうと……

 「どうしたって、もうにどとあそこにはもどりませんからね!」とアリスは、森の中の道をすすみながら言いました。「生まれてから出たなかで、いっちばんばかばかしいお茶会だったわ!」

 こう言ったとき、木の一つに中に入るとびらがついているのに気がつきました。「あらへんなの。でも今日って、なにもかも変よね。だからこれも入っちゃおう」そして入ってみました。

 きがつくと、アリスはまたもやあのながい廊下にいて、近くにはあの小さなガラスのテーブルもあります。「さて、こんどはもっとうまくやるわ」とつぶやいて、まずは小さな金色の鍵をとって、お庭につづくとびらの鍵をあけました。それからキノコをかじりだして(かけらをポケットに入れてあったのです)、身のたけ30センチくらいにしました。それから小さな通路を歩いてぬけます。そしてやっと――ついにあのきれいなお庭にやってきて、あのまばゆい花だんやつめたいふん水のあいだを歩いているのでした。

 

8. 女王さまのクロケー場

白バラにペンキをぬって……

 お庭の入り口には、おおきなバラの木が立っていました。そこにさいているバラは白でしたが、そこに庭師が三人いて、それをいっしょうけんめい赤くぬっていました。アリスは、これはずいぶん変わったことをしていると思って、もっとよく見ようと近くによってみました。ちょうど近くにきたら、一人がこう言ってるところでした。「おい五、気をつけろ! おれをこんなペンキだらけにしやがって!」

 「しょうがないだろ」と五は、きつい口ぶりで言いました。「七がひじを押したんだよ」

 すると七が顔をあげていいました。「そうそうその調子、いつも人のせいにしてりゃいいよ」

 「おまえはしゃべるんじゃない!」と五。「女王さまがついきのうも、おまえの首をちょん切るべきだって言ってたぞ!」

 「どうして?」と最初にしゃべったのが言います。

 「二! おまえにはかんけいない!」と七。

 「かんけい、大ありだよ!」と五。「だから話しちゃうもんね――コックに、タマネギとまちがってチューリップの球根をもってったからだよ」

 七はペンキのはけをふりおろして、ちょうど「まあだまってきいてりゃいい気になりやがって――」と言いかけたところで、たまたまアリスが目に入りいましたので、いきなり身をとりつくろっています。ほかの二人も見まわして、みんなふかぶかとおじぎをしました。

 「ちょっとうかがいますけど」とアリスは、こわごわきいてみました。「なぜそのバラにペンキをぬってるんですか?」

 五と七はなにもいわずに、二のほうを見ます。二は、小さな声でこうきりだしました。「ええ、なぜかといいますとですね、おじょうさん、ここにあるのは、ほんとは赤いバラの木のはずだったんですがね、あっしらがまちがえて白いのをうえちまったんですわ。それを女王さまがめっけたら、みーんなくびをちょん切られちまいますからね。だもんでおじょうさん、あっしらせいいっぱい、女王さまがおいでになるまえに――」このとき、お庭のむこうを心配そうに見ていた五が声をあげました。「女王さまだ! 女王さまだ!」そして庭師三名は、すぐに顔を下にはいつくばってしまいました。足音がたくさんきこえて、アリスは女王さまが見たかったのでふりむきました。

 まずはこん棒を持った兵隊さんが十名。みんな庭師三名とおんなじかたちをしています。長方形で平べったくて、かどから手と足がはえてます。つぎに廷臣(ていしん)たち十名。これはみんな、ダイヤモンドで全身をきかざって、兵隊さんたちと同じく、二名ずつでやってきました。そのあとからは王さまの子どもたち。このかわいい子たちは、手に手をとってたのしそうにぴょんぴょんはねながら、二名ずつでやってきます。ぜんぶで十名いて、みんなハートのかざりだらけです。つづいてはお客たちで、ほとんどが王さまや女王さまたちですが、アリスはそのなかにあの白うさぎがいるのを見つけました。はや口で心配そうにしゃべっていて、だれがなにを言ってもにこにこして、アリスに気がつかずにとおりすぎました。それからハートのジャックがきます。王さまのかんむりを、真紅(しんく)ビロードのクッションにのせてはこんでいます。そしてこのおもおもしい行列の一番最後に、ハートの王さまと女王さまがやってまいりました。

 アリスは、自分も庭師三名と同じようにはいつくばったほうがいいのかな、とまよいましたが、王さまの行列でそんなきそくがあるなんて、きいたことはありませんでした。「それに、もしみんなが顔を下にはいつくばって、だれも行列を見られなければ、行列なんかしたってしょうがないじゃない?」そう思ってアリスは、そのまま立って、まっていました。

 行列がアリスの向かいにやってくると、みんな止まってアリスをながめました。そして女王さまがきびしい声でききます。「これはだれじゃ!」きかれたハートのジャックは、へんじのかわりににっこりおじぎをしただけでした。

 「ばかものめが!」と女王さまは、きぜわしく何度もふんぞりかえります。そしてアリスにむかってつづけました。「そこな子ども、名前は?」

 「アリスともうします、女王陛下」とアリスはとってもれいぎ正しくもうしました。でもそのあとでこう思いました。「でも、これみんなただのトランプなんだわ。なんにもこわがることないわね!」

 「してこやつらはだれじゃ?」と女王さまは、バラの木のまわりにはらばいになっている庭師たちを指さしました。というのも、顔を下にしてはいつくばっていたし、せなかのもようはみんないっしょなので、女王さまはそれが庭師か、兵隊さんか、廷臣(ていしん)たちか、それとも自分の子どものうち三名なのか、わからなかったのです。

 「あたしにわかるわけないでしょう」アリスはこう言って、自分のゆうきにわれながらびっくりしました。「あたしにはかんけいないことですから」

 女王さまは怒ってまっ赤になり、そして野獣みたいにしばらくアリスをにらみつけてから、ぜっきょうしました。「こやつの首をちょん切れ! こやつの――」

こやつの首を……

 「ばかおっしゃい!」とアリスは、とても大声できっぱりと言いまして、すると女王さまはだまってしまいました。

 王さまが手を女王さまのうでにかけて、びくびくしながら言います。「まあまあ、まだ子どもじゃないか!」

 女王さまは怒って王さまからはなれ、ジャックにいいました。「こやつらをひっくりかえせ!」

 ジャックはとてもしんちょうに、片足でそうしました。

 「立て!」と女王さまが、かんだかい大声で言うと、庭師三名はすぐにとびおきて、王様と、女王さまと、お子たちと、そのほかみんなにぺこぺこおじぎをはじめました。

 「やめんか! めまいがする!」と女王さまがどなります。そしてバラの木のほうを見てつづけました。「ここでいったいなにをしておった?」

 「おそれながらもうしあげますと、女王陛下どの」と二がとてもつつましく、片ひざをついて言いました。「てまえどもがしており――」

 「なるほど!」女王さまは、その間にバラの木を調べておりました。「こやつらの首をちょん切れ!」そして行列がまたうごきだしましたが、兵隊さんが三名のこって、かわいそうな庭師たちの首をはねようとしますので、庭師たちはアリスに助けをもとめてかけよってきました。

 「首なんか切らせないわ!」とアリスは、近くにあったおっきな花びんに庭師たちを入れてあげました。兵隊さん三名は、一分かそこらうろうろしてさがしていましたが、だまってほかのみんなのあとから行進してきます。

 「あやつらの首はちょん切ったか!」と女王さまはさけびます。

 「あのものどもの首は消えてしまいました、女王陛下どの!」と兵隊たちがさけんでこたえました。

 「よろしい! おまえ、クロケーはできる?」

 兵隊たちはだまってアリスのほうを見ました。この質問が明らかにアリスむけだとでもいうように。

 「ええ!」とアリス。

 「ではおいで!」と女王さまがほえ、アリスは行列にまじって、これからどうなるのかな、と心から思いました。

 「いやなんとも――よいお天気ですな」とびくびく声がよこできこえました。となりを歩いていたのは白うさぎで、こちらの顔を心配そうにのぞきこんでいます。

 「ええとっても」とアリス。「――公爵夫人はどちら?」

 「これうかつなことを!」とうさぎは、小さな声ではや口にもうします。こう言いながらも、かたごしに心配そうにのぞいて、それからつま先だちになって、アリスの耳近くに口をもってきてささやきました。「公爵夫人は死刑宣告をうけたのですよ」

 「どうして?」

 「いま、『まあかわいそうに』とおっしゃいましたか?」とうさぎ。

 「いいえ、言ってませんけど。ぜんぜんかわいそうだと思わないし。『どうして?』っていったんです」

 「女王さまの横っつらをなぐったんです――」とうさぎが言って、アリスはゲラゲラわらってしまいました。うさぎがちぢみあがってささやきます。「ああおしずかに! 女王さまのお耳にとどきます! じつはですな、公爵夫人はいささかおくれていらっしゃいまして、女王さまがそこで――」

 「位置について!」と女王さまが、かみなりのような声でどなりまして、みんなあちこちかけまわりだして、おたがいにごっつんこしてばかりいます。でも、一分かそこらでみんなおちついて、試合開始です。アリスは、こんなふうがわりなクロケー場は見たこともないと思いました。そこらじゅう、うねやみぞだらけ。玉は生きたアナグマで、マレットは生きたフラミンゴ、そして兵隊さんたちがからだをおって四つんばいになって、ゲートをつくっているのです。

いかにもわけわかりませんという顔つきなので……

 アリスがまず一番くろうしたのは、フラミンゴをじっとさせておくことです。フラミンゴのからだは、なんとかうまいぐあいにうでの下におさめて、足をたらすようにしたのですけれど、でもだいたい、ちょうど首をきちんとのばさせて、その頭でアナグマをたたこうとしたとたんに、フラミンゴはぐいっと首をねじって、アリスの顔を見あげます。そしてその顔が、いかにもわけわかりませんという顔つきなので、ついふきだしてしまいます。さらに頭を下げさせて、もう一回やってみようとすると、アナグマがまるまるのをやめて、もぞもぞあっちへいってしまおうとしているので、すごく頭にきます。おまけに、アナグマをむかわせたい方向には、たいがいうねやみぞがあったし、それに四つんばいの兵隊さんたちも、しょっちゅうおきあがってはクロケー場のよそにうろうろしています。アリスはじきに、こいつはじつにむずかしいゲームだぞ、という結論にたっしました。

 参加者たちはみんな、順番をまったりしないで、いっぺんに玉をうっていて、そのあいだずっといいあらそっては、アナグマをとりあってけんかしてます。そしてじきに女王さまはカンカンに怒って、そこらじゅうズシズシうろついては、「あやつの首をちょん切れ!」だの「こやつの首をちょん切れ!」だの一分に一度くらいはわめいています。

 アリスはとってもいやーな気持ちになってきました。そりゃたしかに、自分はまだ女王さまとはもめていませんけれど、でもそれがすぐにでもおきかねないのはわかります。「そうなったらあたし、どうなっちゃうの? ここではみんな、首切りが大好きなんだもの。まだ生きてる人がいるほうが不思議ってもんだわ!」

 アリスは、なんとかにげだすほうほうはないか、さがしていました。見られずににげられないものかと思っているところへ、宙に変なものがあらわれているのに気がつきました。最初はとっても首をひねりましたが、一分かそこらながめていると、それがニヤニヤわらいだとわかりました。「あら、チェシャねこだわ。これでお話相手ができた」

 「ちょうしはどうだい」ねこは、しゃべれるだけのものがあらわれたとたんに言いました。

 アリスは、目があらわれるまでまってから、うなずきました。「両耳が出てからじゃないと、話してもむだね。片耳でもいいけど」一分かそこらで、頭がぜんぶあらわれたので、アリスはフラミンゴをおいて、試合のようすを話しだしました。ねこは、もうじゅうぶんにあらわれたと思ったらしくて、頭から先はもう出てきませんでした。

 「ぜんぜん公平にやってないと思うわ」とアリスは、ちょっとぐちっぽくきりだしました。「それにみんな、ものすごくけんかばかりで、自分の声もきこえやしない――それにルールがぜんぜんないみたいなの。あったとしても、だれもそんなのまもってないわ――それに、なんでもかんでも生きてるから、もうすっごくややこしいのよ。たとえばあそこ、あたしがこんどくぐるはずのアーチは、クロケー場のむこっかわのはしをウロウロしてるし――それにいまは女王さまのアナグマにあてるはずが、あたしのアナグマを見たら、にげだしちゃったんだから!」

 「女王さまは気にいった?」とねこは小声でききました。

 「ぜーんぜん」とアリス。「だってすごく――」ちょうどそこで、女王さまがすぐうしろにいて、きき耳をたてているのに気がつきました。そこでつづけます。「――おじょうずで、勝つにきまってるんですもの、試合を最後までやるまでもないくらい」

 女王さまはにっこりして、よそへいってしまいました。

 「だれと話をしとるのかえ?」と王さまがアリスのところにやってきて、ねこの頭をとても不思議そうにながめました。

 「あたしのお友だちでございます――チェシャねこなんですよ。しょうかいさせていただけますか」

 「どうもようすがまるで気にいらん」と王さま。「しかし、のぞみとあらば、わが手にせっぷんを許してつかわす」

 「やめとく」とねこ。

 「失敬なことを! それと、わしをそんな目で見るな!」と王さまは、アリスのうしろにかくれてしまいました。

 「ねこだって王さまを見るくらいはできる。どっかでそう読んだんですけれど、どこでかはわすれました」とアリス。

 「ふん、こやつはここにいてはまかりならん」と王さまはとてもきっぱりもうしまして、ちょうどとおりすがりの女王さまによびかけました。「妻や! おまえ、このねこをどうにかしてもらえんかね?」

 女王さまは、問題があればその大小をとわず、解決法は一つでした。「首をちょん切れ!」とまわりを見もしないで申します。

 「わしみずから首切り役人をつれてまいるとしよう」と王さまはうれしそうに言って、いそいで出かけました。

 アリスは、いまのうちにもどって試合のようすを見てみよう、と思いました。女王さまが、カッカしてわめきちらしているのが遠くできこえたからです。順番をのがしたせいで、参加者が三名、もう死刑にされたのがきこえたし、試合はもうめちゃくちゃで、自分の順番かどうかぜんぜんわからなかったので、これじゃなんだかまずいぞ、と思いました。そこで自分のアナグマをさがしにでかけました。

 アナグマはべつのアナグマとけんかのまっさいちゅうで、だからアナグマどうしをぶつけるにはぜっこうのチャンス、とアリスは思いました。ただ一つ困ったことに、フラミンゴがお庭のむこう側にいってしまっていて、そこでアリスが見たところ、木にとびあがろうとして、むだにがんばっています。

 フラミンゴをつかまえてもどってきたころには、アナグマのけんかも終わっていて、二匹ともいなくなっていました。「でもどうでもいっか。クロケー場のこっち側は、ゲートがぜんぶいなくなっちゃってるし」そう思ってアリスは、フラミンゴがまたにげださないように、うでの下にしっかりとかかえて、お友だちともっとおしゃべりしようと、もどっていったのです。

 チェシャねこのところにもどってみると、まわりにかなりおっきな人ごみができていたのでおどろきました。首切り役人と王さまと女王さまが、論争(ろんそう)をしています。三名は同時にしゃべっていますが、それ以外はみんなだんまりで、すごくもじもじしています。

首さえあれば首は切れるか?

 アリスがすがたを見せたとたん、その三名がいっせいに自分の意見をうったえてきて、問題を解決してくれ、といいます。そして三名とも自分の言いぶんをくりかえすのですが、みんな同時にしゃべるので、いったいそれぞれなにを言ってるのか、きちんと理解するのは、とてもたいへんでした。

 首切り役人の言いぶんは、首を切りおとすには、まずその首がどこかのからだにくっついていなくちゃダメだ、というものです。首だけの首を切りおとすなんて、いままでやったこともないし、だからいまさらこの歳(とし)になってはじめるつもりもないよ、と言います。

 王さまの言いぶんは、首がそこにあるんだから、それを切りおとすだけのことでなんの問題もない、へりくつをもうすな、というものでした。

 女王さまの言いぶんは、いますぐなんとかしないと、みんな一人のこらず死刑にしてやる、というものでした(この最後のことで、みんなあんなに困って不安そうだったのです)。

 アリスとしてはなんと言っていいかわかりませんでした。「あれは公爵夫人のものだわ。だから公爵夫人におききになったほうがいいわよ」

 「あやつはろうやにおるぞ。つれてまいれ」と女王さまが首切り役人にもうしますと、役人は矢のようにびゅーんととんでいきました。

 役人がいってしまったとたんに、ねこの頭は消えだしまして、公爵夫人をつれて役人がもどってきたころには、もう完全に消えてしまいました。だから王さまと役人はあちこちかけずりまわって、必死でねこをさがし、ほかのみんなは試合にもどっていきました。


9. にせウミガメのお話


 「またお目にかかれてどんなにうれしいか、あなた見当もつかないでしょう、このかわいいおじょうちゃんったら!」と公爵夫人は、愛情(あいじょう)たっぷりにアリスにうでをからめてきて、二人は歩きだしました。

 夫人がずいぶんごきげんうるわしいので、アリスはとてもうれしく思いました。そして台所であったときにあんなにあれ狂ってたのは、コショウのせいでしかなかったのかも、と思いました。

 「あたしが公爵夫人になったら」とアリスはつぶやきました(が、自分でもあまり見こみあるとは思ってなかったけど)「台所にはコショウなんか、ぜーんぜんおかないんだ。スープはコショウなしでもじゅうぶんおいしいもの――人がカッカしちゃうのは、みんなからいコショウのせいなのかも」アリスは、新しい規則みたいなものを見つけたので、とても得意になってつづけました。「それでみんながにがにがしくなるのはサンショウのせいなんだ――しぶくなるのは、茶しぶのせいで――それで――それで子どもがニコニコしてるのは、おさとうとかのせいで。みんながこれをわかってくれればいいのに。そうしたら甘いもの食べすぎてもあんなに怒らないだろうし――」

 おかげですっかり公爵夫人のことをわすれてしまっていたので、耳のすぐ近くで声がきこえてちょっとびっくりしてしまいました。「なにか考えごとをしていたでしょう、それで口がおるすになるんですよ。その教訓がなんだか、いまは話せないけれど、しばらくしたら思いだしますからね」

 「教訓なんかないんじゃありませんか?」アリスは勇気を出して言ってみました。

 「これこれ、おじょうちゃん。どんなことにも、教訓はあるですよ、見つけさえすれば」こう言いながら、夫人はアリスの横にもっとギュッと身をよせてきました。

 アリスは、夫人とこんなにくっついているのは、あんまり気に入りませんでした。まず、公爵夫人はすっごくブスだったからで、さらにちょうどあごがアリスのかたにのっかるせたけで、しかもいやんなるくらいすごくとがったあごだったからです。でも、失礼なことはしたくなかったので、なるべくがまんすることにしました。

 「試合はちょっとましにすすんでるようですね」とアリスは、間をもたせようとして言いました。

 「いやまったく」と公爵夫人。「してその教訓は――『ああ、愛こそが、愛こそがこの世を動かす!』」

 「だれかさんは、みんなが自分のやることだけ気をつけてりゃ動くって言ってませんでしたっけ」とアリスはささやきました。

 「ああそうでしたっけ。でも言ってることはまあ同じですよ」そう言いつつ、夫人はとがったあごをアリスのかたにつきさします。「そしてその教訓は――『安言(やすごと)づかいの意味(いみ)うしない』」

 「教訓さがしが、ほんっとに好きなのねえ」とアリスは思いました。

フラミンゴがかみます

 夫人はちょっと間をおいて言いました。「ひょっとして、わたしがなぜおじょうちゃんのこしに手をまわさないのかな、と思ってるんでしょう。そのわけはね、そのフラミンゴがかみつくんじゃないかって、ちょっと心配なのよ。ちょっと実験してみましょうか?」

 「ずいぶんピリピリしてますよ、このフラミンゴ」アリスは不安そうにこたえました。そんな実験をためしてほしいとは、これっぽっちも思いません。

 「おっしゃるとおり」と公爵夫人。「フラミンゴとカラシはどっちもピリピリしてますからねえ。そしてその教訓は――『たつ鳥あとをにごさず』」

 「ただカラシは鳥じゃないでしょう」とアリス。

 「いつもながら、おっしゃるとおり」と公爵夫人。「なにごともそうやって、ちゃーんとせいとんできてるのねえ」

 「たしか鉱物(こうぶつ)だったと思うけど」とアリス。

 「もちろんさよう」公爵夫人は、いまではアリスが言うことならなんでもさんせいするみたいです。「このあたりの山では、カラシをいっぱいほってますわよ。そしてその教訓は――『権兵衛(ゴンベ)が山ほりゃ、カラシをほじくる』」

 アリスはいまの夫人のせりふをきいていませんでした。「あ、わかった! あれは植物よ! ちっとも植物らしくないけれど、でもそうよ」

 「いやはやまったくそのとおり。そしてその教訓とは――『自分らしくなろう』――あるいはもっとかんたんに言えば――『自分がそうであったりそうであったかもしれないものが、自分が他人にそうでないと思われたものでないもの以外のものとして見られるもの以外のものでないと思わないこと』

訳者のおねがい:論理的にこれであってるかどうか自信がないので、だれかチェックしてほしいんだけど。

 「いまのは、かみに書いたらもっときちんとわかると思いますけれど、でもそうやっておっしゃっただけだと、なかなかついてけませんでした」アリスはとてもれいぎ正しく言いました。

 「わたしがその気になったら、いまのなんかメじゃないですよ」と公爵夫人は、うれしそうに返事しました。

 「おねがいだから、いまよりながく言おうとなんかなさらないで、お手間でしょうから」とアリス。

 「おやまあ、手間だなんてとんでもない!」と公爵夫人。「これまで申し上げたことはすべて、プレゼントとしてさしあげますですわよ」

 「ずいぶん安上がりなプレゼントですこと!」とアリスは思いました。「おたんじょう日のプレゼントがそんなのでなくてよかったわ!」でもこれはもちろん口には出しませんでした。

 「また考えごと?」と伯爵夫人は、またまたあごでつついてきます。

 「あたしにだって考える権利があります!」アリスはきっぱりといいました。だんだん心配になってきたからです。

 「ちょうどぶたに空とぶ権利があるように。そしてそのきょうく――」

 でもここで、アリスがとってもおどろいたことに、公爵夫人の声がとぎれました。大好きな「教訓」ということばのどまんなかだったのに。そしてアリスのにからめたうでが、ガタガタふるえはじめました。目をあげると、まんまえに女王さまが立っていて、うで組みして、かみなり嵐みたいなしかめっつらをしています。

 「なんともすばらしいお天気でございます、陛下!」公爵夫人が、小さなよわよわしい声で言いかけました。

 「さぁて、きちんと警告を出してやろうぞ」と女王さまは地面をふみならしてどなります。「おまえか、おまえの頭のどちらかが消えうせるのじゃ、しかもいますぐに! すきなほうを選ぶがよい!」

 公爵夫人はすきなほうを選んで、いっしゅんですがたを消しました。

 「試合を続けるがよいぞ」女王に言われたアリスは、おっかなくて一言もいえずに、だまって女王さまについてクロケー場にもどりました。

 ほかのお客たちは、女王さまがいないのをいいことに、ひかげで休んでいました。でも、すがたが見えたとたんに、あわてて試合にもどりました。女王さまが、一刻でもおくれたらいのちはないよ、ともうしわたしただけなのに。

 みんなの試合中、女王さまはずっとほかのプレーヤーたちといいあらそってばかりいて、「あやつの首をちょん切れ!」だの「こやつの首をちょん切れ!」だのとどなっています。女王さまに死刑せんこくされた人たちは、兵隊さんたちに連行(れんこう)されるのですが、するとその兵隊さんは、ゲート役をやめなくてはならず、そしてプレーヤーたちも王さまと女王さま、そしてアリス以外はみんな連行(れんこう)されて、死刑の宣告をうけていたのでした。

 すると女王さまは、かなり息をきらして試合の手をとめて、アリスにこう申しました。「おまえ、にせウミガメには会ったかえ?」

 「いいえ。にせウミガメってなんなのかも知りません」

 「にせウミガメスープの材料になるものじゃ」と女王さま。

 「見たことも、きいたこともございません」とアリス。

 「ではおいで。あやつが身の上話をしてくれるであろう」

 二人がつれだって歩き出すと、王さまが小さな声でそこにいた全員にむかって、こうもうしわたすのが聞こえました。「みなの者、刑(けい)は免除(めんじょ)してつかわす」

 「わーい、それはすてき!」とアリスは思いました。女王さまが命じた処刑(しょけい)が多すぎて、ずいぶんいやーな気持ちだったからです」

 まもなく、二人はグリフォンに出くわしました。ひなたぼっこをしながら、ぐっすりねむっています(もしグリフォンってなんだか知らなかったら、イラストを見てね。) 起きんか、このぐうたらめが!」と女王はもうします。「このわかいご婦人をつれて、にせウミガメのところであやつの身の上話をきかせてやるのじゃ。わしはもどって、めいじた処刑(しょけい)をいくつか監督せねばならんのでな」そして歩みさって、アリスとグリフォンは二人きりになりました。アリスは、この生き物のようすがあんまり気に入りませんでしたが、いろいろ考えても、あの荒(あら)っぽい女王さまについてくよりは、グリフォンといっしょのほうが安全だろうと思いました。

これがグリフォンくんだ。

 グリフォンはおきあがって、目をこすりました。それから女王さまがみえなくなるまでながめて、それからくすくすわらいます。そして「たのしいねえ」と、半分自分に、半分アリスにいいました。

 「たのしいって、なにが?」とアリス。

 「え、女王さんだよ。あれってみんな、女王さんの『ごっこ』なのね。だれも処刑(しょけい)なんかされないんだよ。おいで!」

 「ここじゃみんな、『おいで!』ばっかり。こんなに命令ばっかされたことってないわ、いちども!」そう思いながらも、アリスはゆっくりついていきました。

 ほどなく、にせウミガメが遠くに見えてきました。いわのちょっとしたふちのところに、かなしくさびしそうにすわっています。近くにくると、それがむねのはりさけそうなため息をついているのがきこえます。まあほんとうにかわいそう、とアリスは思いました。「なにがあんなにかなしいの?」とアリスがグリフォンにたずねますと、グリフォンはほとんどさっきと同じせりふでこたえました。「あれってみんな、あいつの『ごっこ』なのね。あいつはぜんぜんかなしくなんかないんだよ。おいで!」

 そこで二人はにせウミガメにところにやってきました。にせウミガメは、おっきな目に涙をいっぱいうかべてこっちを見ましたが、なんにも言いません。

 「このおじょうちゃんがさ、おまえの身の上話をききたいって、とかなんとか」とグリフォン。

 「話してあげるわよ」とにせウミガメは、ふかくうつろな声でいいました。「二人とも、おすわんなさい。ぼくが話しおえるまで、ひとことも口きくんじゃないよ」

 そこで二人はすわり、しばらくはだれもなにも言いませんでした。アリスは思いました。「話しはじめなかったら、いつまでたっても話しおえるわけないのに」でも、おとなしく待ちました。

 「むかしは、ぼくもほんもののウミガメでしたのさ」にせウミガメはやっと口をひらきました。

 このことばのあとには、とってもながーいだんまりがつづきました。それをやぶるのは、ときどきグリフォンのたてる「ヒジュクルル!」とかいうしゃっくりと、にせウミガメがずっとたててる、めそめそしたすすり泣きだけでした。アリスはほとんどたちあがって「ありがとうございました、とってもおもしろいお話でした」と言うところでしたが、ぜったいにあれだけってはずはないと思ったので、じっとすわってなにも言いませんでした。

しゃっくりとすすり泣きだけ

 やっとこさ、にせウミガメが先を話しはじめました。ちょっとは落ち着きましたが、まだときどきちょっとすすり泣いてます。「小さいころは、海中学校に行ったんですよぅ。校長先生は、おばあさんガメで――ぼくたちは、オスガメってよんでけど――」

 「どうしてメスなのにオスガメなの?」とアリス。

 「すが目だったからに決まってるではないの、だからおすがめ」とにせウミガメは怒ったように言いました。「あんたバカァ?」

 「まったくそんなかんたんなこときいたりして、恥ずかしくないのかよ」とグリフォンがつけたして、二匹ともだまってすわったまま、かわいそうなアリスを見つめましたので、アリスはこのまま地面にしずんで消えてしまいたい気分でした。ようやくグリフォンがにせウミガメに申しました。「つづけろよ、だんな。日がくれちまうぜ」そこでにせウミガメはこうつづけました。

 「うん、ぼくらは、海の中の学校にいったのよ、信じないでしょうけど――」

 「信じないなんて言ってないでしょう!」とアリスが口をはさみます。

 「言ったね」とにせウミガメ。

 「いいからだまって!」アリスが言いかえすより先に、グリフォンがわりこみました。にせウミガメがつづけます。

 「最高の教育をうけてねぇ――もうまいにち学校にかよったくらいで――」

 「あたしだって学校くらいかよったわ。そんなにじまんすることでもないでしょ」

訳者の説明:これはむかしのお話なので、学校はいまとちょっとちがう。いまはみんな学校にいくけれど、むかしはお金持ちしか学校になんかいかなかったんだ。だから学校にいった、というのはけっこうじまんできることだったんだよ。

 「追加で選べる科目もあった?」とにせウミガメはちょっと不安そうにききます。

 「ええ。フランス語と音楽」

 「せんたくも?」とにせウミガメ。

 「あるわけないでしょう!」アリスはプンプンして言いました。

 「ああ、じゃああなたのは、ほんとのいい学校じゃなかったのよ」とにせウミガメは、すごくほっとしたような口ぶりです。「だってうちの学校では、請求書の最後んとこに『フランス語、音楽、およびせんたく――追加』ってあったもの」

訳者の説明:イギリスの学校は私立ばっかりで、毎月かそこら、学校から授業料の請求書がくるのがあたりまえだったわけ。それで、それは科目ごとにお金がとられるようになっていて、フランス語とか、音楽は、追加でお金をはらわなきゃダメだったんだよ。いまの塾(じゅく)みたいなものだと思ってね。
 ついでに言っておくと、せんたくが追加料金なのは、別にせんたくという授業があるからじゃなくて、生徒がずっと学校に寝泊まりする寄宿学校では、洗濯物を学校におねがいすることができたということ。だから請求書には、ほんとうに「せんたく」というのはあったんだけれど、でもそれは授業じゃあないんだ。

 「でもおせんたくなんてあんまりいらないでしょう。だって海のそこに住んでるんだもん」

 「だから選べたのよ、これがホントのせんたく科目。でもうちはお金がなくて、せんたくはとれなかったのよ。ふつう科目だけ」とにせウミガメは、ためいきまじりで言います。

 「ふつう科目って?」とアリス。

 「もちろんまずは、獄語と惨数ね」とにせウミガメ。「惨数もいろいろで、打算とか、安産とか、あと美化(りか)に醜怪化(しゃかいか)もね」

 「『醜怪化』ってきいたことないけど、なんなの?」アリスはゆうきを出してきいてみました。

 グリフォンは、びっくりして両まえ足をあげました。「なんだと! 『醜怪』をきいたことがないだと! おまえ、さすがに『美化』のほうくらいはわかるよな?」

 「ええ」とアリスは、自信なさそうにこたえました。「それは――つまり――いろんなものを――その――きれいに?――すること?」

 「ふん、それがわかってるんなら、それで醜怪化(しゃかいか)がわかんないんなら、おまえってホンっトの大バカもんだぞ」

 それ以上はきかないほうがいいぞと思ったので、アリスはにせウミガメに言いました。「ほかにはどんなお勉強をしたの?」

 「えーと、溺死(れきし)でしょ」とにせウミガメは、ひれで科目をかんじょうしていきます。「――溺死、古代死と現代死ね。それと、致死学、それから頭蓋絞殺(ずがこうさく)――絞殺の先生は、年寄りのヤツメウナギで、週に一度だけくんの。この先生は、アリバイ工作に上告(ちょうこく)がとくいだったのよぅ。出血がホントにきびしくてねぇ」

 「ちゃんと出たんですか?」とアリス。

 「ぼくはあんまり。ウロコが硬くて血が出にくいもん。それにグリフォンはとってないし」

 「時間がなくてよ。でもおれ、惨数の上級はとったぜ。先公がすんごいタコおやじ。いやまったく」とグリフォンが言います。

 「ぼくはその先生には教わってないけど」とにせウミガメがため息をつきました。「でも話によると、教えてたのが悲っ惨(ひきざん)だってねぇ」

 「ああそのとおり、そのとおり」とグリフォンもためいきをついて、生き物は両方とも顔を前足でおおってしまいました。

 「じゃあどういう時間割(じかんわり)になってたの?」アリスはあわてて話題を変えようとしました。

 「最初の日は十コマあるのよ」とにせウミガメ。「つぎの日が五コマ、そのつぎは三コマってぐあい」

 アリスはびっくりしてしまいました。「ずいぶんへんな時間割(じかんわり)ねえ!」

 「え、そのまんまじゃん。時間を割ってるんだよ。日ごとに割ってくわけ」とグリフォン。

 これはアリスにしてみれば、なかなか目新しいアイデアでしたので、口をひらくまえに、よっく考えてみました。「じゃあ、十日目には一コマだけだったはずね?」

 「もちろんそのとおりよ」とにせウミガメ。

 「じゃあ、十一日目からあとはどうしたの?」アリスはねっしんにつづけます。

 でもグリフォンがきっぱりといいました。「時間割(じかんわり)はもうたくさん。こんどはこの子に、おゆうぎの話をしてやんなよ」


10. ロブスターのカドリーユおどり


 にせウミガメはふかいためいきをついて、ひれの一つで目をおおいました。そしてアリスを見て話そうとするのですが、そのたびにすすり泣きがでて、一分かそこらは声がでません。「のどに骨がつかえたときといっしょだよ」とグリフォンは、にせウミガメをゆすったり、背中をたたいたりしはじめました。やっとにせウミガメは声が出るようになって、ほっぺに涙をながしながら、またつづけました。

 「あなた、海のそこにはあんまり住んだことがないかもしれないし――」(「ないわ」とアリス)――「あとロブスターに紹介されたこともないようねぇ――」(アリスは「まえに食べたことは――」と言いかけて、すぐに気がついて、「いいえ一度も」ともうしました)「――だから、ロブスターのカドリーユおどりがどんなにすてきか、もう見当もつくわけないわね!」

 「ええ、ぜんぜん。どういうおどりなんですか?」とアリス。

 グリフォンがいいました。「まず海岸にそって、一列になるだろ――」

 「二列よ!」とにせウミガメ。「アザラシ、ウミガメ、シャケなんか。それでクラゲをぜんぶどかしてから――」

 「これがえらく時間をくうんだ」とグリフォンが口をはさみます。

 「――二回すすんで――」

 「それぞれロブスターがパートナーね!」とグリフォンもわめきます。

 「もちろん。二回すすんで、パートナーについて――」

 「――ロブスターを替えて、同じように下がる」とグリフォンがつづけます。

 そしてにせウミガメ。「そしたら、ほら、ロブスターを――」

 「ほうりなげる!」とグリフォンがどなって、宙にとびあがりました。。

 「――沖へおもいっきり――」

 「あとを追っかけて泳いで!」とグリフォンぜっきょう。

 「海の中でとんぼがえり!」とにせウミガメ、こうふんしてぴょんぴょんはねてます。

 「またロブスターを替える!」グリフォン、ほとんどかなきり声。

 「陸にもどって最初の位置にもどるのねぇ」とにせウミガメが、いきなり声をおとしました。そして生き物二匹は、さっきまで狂ったみたいにはねまわってたのに、またとってもかなしそうにしずかにすわって、アリスを見ました。

 「とってもきれいなおどりみたいね」アリスはおずおずと言いました。

 「ちょっと見てみたい?」とにせウミガメ。

 「ええ、ぜひ」

 「よーし、じゃあ最初のところ、やってみましょうか」にせウミガメがグリフォンにいいました。「ロブスターなしでもなんとかなるわね。どっちがうたう?」

 「ああ、おまえがうたってくれよ。おれ、歌詞(かし)わすれちゃった」

 そこで二匹は、まじめくさってアリスのまわりをおどりだし、ときどき近くにきすぎてアリスのつま先をふんずけて、ひょうしをとるのに前足をふって、そしてにせウミガメはこんな歌を、とってもゆっくりかなしそうにうたったのでした:

*     *     *     *     *

「『もっとさっさと歩いてよ』とスケソウダラがウミウシに。
『ヤリイカうしろにせまってて、ぼくのしっぽをふんでるの。
ロブスターとウミガメが、あんなにいそいそ進んでる!
みんな砂利浜で待ってるし――あなたもおどりに入ろうよ!

入ろう、おどろう、入ろう、おどろう、入ろう、おどろう、ぼくらのおどり
入ろう、おどろう、入ろう、おどろう、入ろう、おどろう、ぼくらのおどり

みんながぼくらをつかまえて、ロブスターと海へ投げ出す!
どんなにたのしいことなのか、あなたはたぶんわからない!』
なのにウミウシ横目でにらみ、『遠すぎ、遠すぎ!』と申します――
スケソウダラさんありがとさん、だけどおどりにゃ入りません

入らん、入れん、入らん、入れん、入らん、入れん、おどりには
入らん、入れん、入らん、入れん、入らん、入れん、おどりには

『遠くたっていいじゃない!』と、うろこの友だちこたえます。
『世界は浜辺に満ちている。こちらじゃなければあちらにも
イギリス浜からはなれるごとに、フランス浜辺に近くなる――
だからいとしいウミウシさん、青ざめないでおどろうよ。

入ろう、おどろう、入ろう、おどろう、入ろう、おどろう、ぼくらのおどり
入ろう、おどろう、入ろう、おどろう、入ろう、おどろう、ぼくらのおどり』」

*     *     *     *     *
ロブスターのカドリーユおどり

 「どうもありがとう、見ててとってもおもしろいおどりでした」アリスはそれがやっと終わってくれて、じつにホッとしました。「それにあの、スケソウダラのふうがわりな歌も、すごく気に入りました!」

 「ああ、スケソウダラといえば、もちろん見たことあるのよねぇ」とにせウミガメ。

 「ええ、しょっちゅう出てくるもの、ばんご――」アリスはあわてて口を閉じました。

 「バンゴってどこだか知らないけど、そんなによく見かけてるなら、どんなかっこうかも知ってるわよねぇ」とにせウミガメ。

 「ええたぶん。しっぽを口にくわえてて――それでパン粉まみれ」アリスは考えこんでいいました。

 「パン粉はちがうわぁ。パン粉は海で洗い流されちゃうでしょ。でもたしかに、しっぽは口にくわえてるよね。なぜかというと――」ここでにせウミガメはあくびをして目をとじた。――「この子に理由とか、説明してやんなさいよぅ」とグリフォンをせっつきます。

 「理由はだねえ、やつら、ロブスターとホントにおどりにいくんよ。それで海にほうりなげられるだろ。だからずいぶん落っこちるわけね。それでもうしっぽをまいちゃうわけ。するとそれが口に入る。するともう、それが出てこなくなる。おしまい」

 「ありがと。それはおもしろいわね。スケソウダラのこと、こんなにはじめて知ったわ」

 グリフォンが言いました。「じゃあもっと話してやろうか。なんでスケソウダラっていうか知ってる?」

 「考えたことない。どうしてなの?」とアリス。

 「せんたくするんだよぉ」とグリフォンは、とってもおもおもしい返事をします。

 アリスはまるっきりわけがわかりません。「おせんたく、をする!」と不思議そうにくりかえすばかり。

 「しょうがねえなあ、じゃああんたの服はどうあらうの? どうやってそんな、まっ白きれいになるの?」

 アリスは自分の服を見おろして、ちょっと考えてから口をひらきました。「洗剤、だと思うけど。『透明感あふれる白さです』って」

 「海のそこのせんたくは、スケソウダラがやんの。『きれいすぎて、すけそうダラ(だわ)!』ってね。これで一つ、かしこくなったろう」

 「でもどこでかわかすの?」アリスはすごく不思議におもってききました。

 「たたみいわしの上だよう、きまってるじゃん。そこらのエビでもそんくらいは知ってるぜ」グリフォンはいささかあきれたようです。

 アリスはまださっきの歌のことを考えてました。「あたしがスケソウダラなら、ヤリイカにこう言ったと思うな。『下がってくれませんか? あなたにはついてきてほしくありませんの!』」

 「うんたしかにヤリイカなんかぜったいにつれてかないわよねぇ」とにせウミガメ。「まともなさかななら、ヤリイカとつきあったりはしないもの」

 「あら、そういうものなの?」アリスはとってもおどろいていいました。

 「あたりまえだよ。もしぼくがおでかけするときに、どっかのさかながきて『おでかけですか』なんてきいたら、ぼく言っちゃうよ。『うるせーな、ヤリィカ!』って!」

 「……それって『わりぃか』ってこと?」とアリス。

 「ぼくがそうだと言ったらそうなのよ」とにせウミガメは、ちょっとむっとした口ぶりで言いました。そしてグリフォンがつづけます。「さあ、あんたの冒険をちょっときかせてもらおうじゃないの」

 「あたしの冒険っていうと――けさからのなら話してあげられるけど」アリスはちょっとおずおずと言いました。「でもきのうまでもどってもしかたないわ、だってそのころはあたし、別の人だったから」

 「いまの、なんのこったか説明しなさい」とにせウミガメ。

 グリフォンがうずうずして言います。「だめだめ、冒険が先。説明ってのは、ありゃえらく時間がかかるんだ」

 そこでアリスは、白うさぎを見たところから自分の冒険の話をはじめました。最初はちょっと不安でした。だって二匹の生き物がすっごく近くによってきて、アリスの左右について、お目目とお口をすんごくひらいていたからです。でも、先にすすむうちに、ゆうきが出てきました。きき手はずっとなにも言いませんでしたが、いもむしに『ウィリアム父さんお歳をめして』を暗唱して、ことばがぜんぶちがって出てきたところにくると、にせウミガメが思いっきり息をすいこんで言いました。「それはじつにおもしろいわぁ」

 「うん、なにもかもすっごくおもしろい」とグリフォン。

 「ぜんぶちがって出てきたのねぇ」とにせウミガメは考えこんでくりかえします。「ぼく、この子がここでなにか暗唱するのをきいてみたいわ。やれって言ってやってよ」とにせウミガメはグリフォンのほうを見ました。まるでグリフォンがアリスに命令する力があるとでも思ってるみたいです。

 「立って『不精者(ぶしょうもの)の宣言』を復唱するんだ」とグリフォン。

 「まったくここの生き物って、人に命令してばかりで、お勉強の復習ばかりさせるんだから。いますぐ学校にもどったほうがましかも」でもアリスは立ちあがって復唱をはじめました。でも頭がロブスターのカドリーユおどりでいっぱいだったので、自分がなにを言ってるのかまるでわからず、おかげでことばもずいぶんへんてこになっちゃったのです。

*     *     *     *     *
こんがり焼かれすぎ

「ロブスターの宣言を、わたしが聞いたところでは
『わしはこんがり焼かれすぎ、髪に砂糖をまぶさなきゃ』
アヒルがまぶたでするように、ロブスターは鼻ヅラで
ベルトとボタンを整えて、つま先そとに向けまする」

「砂がすっかりかわいたら、ヒバリまがいに大ごきげん
サメを小ばかにしてまわる
でも潮がみちてサメがくりゃ
 声はおびえてふるえます。」

*     *     *     *     *

 「おれが子どものころに暗唱したのとは、ちがってるなあ」とグリフォン。

 「うん、ぼくははじめてきくけど、でもわけわからないデタラメにしかきこえないわよ」とにせウミガメ。

 アリスはなにも言いませんでした。すわって、顔を両手でおおって、もうこの先二度と、なにもふつうにはおきないのかしら、と考えていました。

 「説明してもらえないかしらぁ」とにせウミガメ。

 「説明できないよ、この子」とグリフォンがいそいで言います。「つぎんとこ、やってごらん」

 「でもつま先はどうなるのぉ? だってロブスターが、どうやったらそれを鼻でそとに向けるのぉ、ねえ?」

 「おどりの最初のポジションよ」とアリスは言いました。が、なにもかもとんでもなく頭がこんがらがっていて、話題を変えたくてしかたありませんでした。

 「つぎんとこ、やってごらん」グリフォンが、まちきれないようすで言いました。「出だしは『とおりすがりにそいつの庭で』だよ」

 アリスはとてもさからったりできませんでしたが、でもぜったいにぜんぶめちゃくちゃになるな、と思ったので、ふるえる声でつづけました:

*     *     *     *     *

「とおりすがりにそいつの庭で、わたしが片目で見たことにゃ
ヒョウとオウムがパイをわけ――
ヒョウがたべたはパイ皮、肉汁と肉
オウムの分け前、お皿だけ。

パイがおわるとおなさけに
オウムはおさじをもちかえり
ヒョウはうなってナイフとフォーク
夕餉(ゆうげ)のしめは、あわれな――」

*     *     *     *     *

 「こんなの暗唱してもらってどうしろってゆーの?」とにせウミガメが口をはさみます。「とちゅうで説明してくれなきゃ! ぼくがこれまで聞いた中で、一番わけわからんしろものだわ!」

 「うん、そのくらいにしとこうね」とグリフォンが言って、アリスはよろこんでそれにしたがいました。

 グリフォンがつづけます。「ロブスターのカドリーユおどりを、べつのやりかたでやろうか? それともにせウミガメに歌をうたってほしい?」

 「ああ、歌がいいです、おねがい、にせウミガメさんさえよろしければ」アリスのへんじがあまりに熱心だったので、グリフォンはちょっと気を悪くしたようです。「ふん、まあいろんなしゅみの人がいるからね! おいだんな、この子に『ウミガメスープ』をうたってやってくんない?」

 にせウミガメはふかいためいきをつくと、ときどきすすり泣きでつっかえる声で、こんな歌をうたいだしました:

*     *     *     *     *

「みごとなスープ、みどりのどろどろ
あつあつおなべでまっている!
だれでものりだすすてきな美食!
ゆうべのスープ、みごとなスープ
ゆうべのスープ、みごとなスープ
みぃぃごとぉなスゥゥゥプ!
みぃぃごとぉなスゥゥゥプ!
ゆぅぅぅべのスゥゥゥプゥ!
みごとなみごとなスープ!」

「みごとなスープ!
さかなもおにくもサラダもいらぬ!
二ペンスほどのみごとなスープ
でだれもがすべてをなげだしましょう!
みごとなスープが一ペンス!
みぃぃごとぉなスゥゥゥプ!
みぃぃごとぉなスゥゥゥプ!
ゆぅぅぅべのスゥゥゥプゥ!
みごとなみぃごとなスゥゥゥゥプ!」

*     *     *     *     *

 「さあ、サビをもう一度!」とグリフォンがさけんで、にせウミガメがちょうどそれをくりかえしはじめたとき、遠くのほうで「裁判がはじまるぞ!」とさけびがきこえました。

 「おいで!」とグリフォンは、アリスの手をひいて、歌の終わりをまたないで、かけだしました。

 「なんの裁判なの?」アリスはきれぎれの息でききました。でもグリフォンは「おいで!」と言うだけでもっとはやく走りだして、にせウミガメのかなしそうな声は、背中からのそよ風にのって、ますますかすかにきこえてくるだけとなりました:――

「ゆぅぅぅべのスゥゥゥプゥ
みごとなみごとなスープ!」


11. タルトをぬすんだのはだれ?

白うさぎがいて、片手にラッパ、片手に……


 ハートの王さまと女王さまは、ついたときには玉座にすわっていました。そのまわりには、大群衆が集まっています――いろんな小さな鳥や動物、さらにはトランプひとそろい。ジャックが王さまたちの前でくさりにつながれていて、その両側に兵隊さんがついています。そして王さまの近くには、白うさぎがいて、片手にラッパ、片手に羊皮紙(ようひし)のまきものをもっています。法廷のまん中にはテーブルがあって、タルトののったおっきなお皿がありました。すごくおいしそうだったので、アリスは見ているだけでおなかがすいてきました――「はやいとこ裁判をすませて、おやつをくばってくれないかな!」でもこれはありそうになかったので、ひまつぶしにアリスはまわりのものをなにもかも見ていきました。

 裁判所にくるのははじめてでしたが、本でよんだことはあったので、ほとんどなんでも名前がわかってアリスはとてもとくいでした。「あれが判事ね、おっきなかつらをかぶってるもの」

 ちなみにその判事というのは、王さまでした。そしてかつらの上から王冠をかぶっていたので(どんなぐあいだったか見たければ、この本の最初にある口絵を見てね)、あまり落ち着かなそうで、それがよくなりそうなようすもありませんでした。

 「そしてあれば陪審席(ばいしんせき)。そしてそこにいる十二匹の生き物だけど」(生き物っていうしかなかったんだ、動物もいれば鳥もいたから)「あれがたぶん、陪審員(ばいしんいん)ね」アリスはこの最後のことばを、二三回くりかえしました。ちょっと得意だったのです。だって、こんなに小さくてこんなことばの意味をぜんぶ知ってるなんて、あんまりいないはずだと思ったからで、それはそのとおりでした。でも、ただの「陪審(ばいしん)」でもぜんぜんかまわなかったのですけどね。

 陪審員(ばいしんいん)12人たちは、みんな石板にいそがしくなにか書きつけています。「あれはなにをしてるの? 裁判がはじまってないんだから、なにも書くことないはずでしょう」とアリスはグリフォンにささやきました。

 「自分の名前を書いてんの。裁判が終わるまでにわすれちゃうとこわいと思ってるんだよ」とグリフォンがささやきかえします。

 「馬鹿(ばか)な連中!」とアリスはおっきなけいべつするような声をあげましたが、すぐにやめました。白うさぎが「せいしゅくに!」とさけんだからです。王さまはめがねをかけて心配そうにあたりを見まわし、だれがしゃべっているのかを見ようとします。

 アリスは、陪審員(ばいしんいん)たちが「馬鹿(ばか)な連中!」と書きとめたのがわかりました。まるでそのかたごしに見ているかのようです。なかの一人が「馬鹿(ばか)」と書けなくて、となりにきいているのもわかりました。「裁判が終わるまでに、あの石板はまるでわけわからなくなるだろうなあ」とアリスは思いました。

 陪審員(ばいしんいん)たちの一人が、きしる石筆を使っていました。もちろんアリスは、これががまんできなかったので、法廷をぐるっとまわってそいつのうしろにくると、じきにすきを見つけて、その石筆をとりあげてしまいました。とってもすばやくやったので、かわいそうな陪審員(ばいしんいん)さん(それはあのトカゲのビルでした)はいったいなにがおきたのか、さっぱりわかりませんでした。そこらじゅうをさがしまわったあげくに、その日はずっと、指で書くしかありませんで、これはまったくなんの役にもたちません。石板になんのしるしものこさなかったからです。

 「告知官(こくちかん)、訴状(そじょう)を読み上げるがよい!」と王さま。

 これをうけて、白うさぎはラッパを三回ふきならすと、羊皮紙(ようひし)のまきものをひらいて、こんなものをよみあげました:

*     *     *     *     *

「ハートの女王、タルトをつくる
ある夏の日に

ハートのジャック、タルトを盗み
一つのこらずかっさらう!」

*     *     *     *     *

 「では判決をまとめるがよい」と王さまは陪審に言いました。

 「まだです、まだです!」うさぎがあわてて止めます。「それより先に、たくさんやることがあります!」

 「最初の証人をよべ」と王さま。そして白うさぎがラッパを三回ふきならして、さけびました。「証人だい一号!」

 最初の証人は、あの帽子屋さんでした。片手にお茶わん、片手にバターパンをもっています。「国王陛下、こんなものをもってきやして、すまんこってす。でもよばれたときに、まだお茶がすんでなかったもんでして」

帽子屋さんはお茶わんとバターパンを……

 「すんでいたはずだが」と王さま。「いつからはじめた?」

 帽子屋さんは三月うさぎのほうを見ました。三月うさぎは、ヤマネとうでをくんで、あとからついてきたのです。「たしか三月の十四日だった、と思うけど」

 「十五だよ」と三月うさぎ。

 「十六」とヤマネ。

 「書いておけ」と王さまは陪審にいいました。そして陪審員は、ねっしんに、石板に日づけを三つとも書いて、それからそれを足して、そのこたえをこんどはシリングとペンスになおします。

 「帽子をとりなさい」と王さまが帽子屋さんにもうします。

 「こいつぁあっしのもんじゃございませんで」と帽子屋さん。

 「ぬすんだな!」と王さまはさけび、陪審のほうを見ると、みんなすぐにそのじじつをメモします。

 「こいつぁ売りものでさぁ。自分の帽子なんかもってませんや。なんせ帽子屋、ですからね」と帽子屋さんは説明します。

 ここで女王さまがめがねをかけて、帽子屋さんをじっとながめました。ながめられた帽子屋さんは、青ざめてヒクヒクみぶるいしてます。

 「証言をするがよい。それと、そうビクビクするな、さもないとこの場で処刑させるぞ」

 こういわれても、証人はちっともげんきになりません。あいかわらずもじもじしながら、おどおどと女王さまのほうを見て、混乱しすぎてバターパンのかわりにお茶わんのほうをかじってしまいました。

 ちょうどこのとき、アリスはとっても変な気分になりました。いったいなんだろうとずいぶん首をかしげたのですが、やがてなんだかわかりました。またおっきくなりだしてるのです。最初は、立ってここを出ようかと思いました。でもやっぱり考え直して、い場所があるうちはここにいようと決めました。

 「そんなぎゅうぎゅう押すなよぅ。息ができないよぅ」ととなりにすわってたヤマネがいいました。

 「しょうがないでしょう。おっきくなってるんだから」とアリスはとってもよわよわしくいいました。

 「なにもこんなところでおっきくならなくても」とヤマネ。

 「バカなこといわないでよ。あなただって、おっきくそだってるんですからね」アリスはもうちょっと強くいいました。

 「うん、でもぼくはふつうにおっきくなってるんだからね。そんなとんでもないはやさじゃないよ」そしてヤマネは、プンプン怒って立ちあがると、法廷をよこぎって反対側にいってしまいました。

 この間ずっと、女王さまは帽子屋を見つめるのをやめませんで、ヤマネが法廷をよこぎったと同時に廷吏の一人に申します。「前回のコンサートの歌い手一覧をもってまいれ!」これをきいて、ひさんな帽子屋さんはガタガタふるえすぎて、くつが両方ともゆすりぬげてしまいました。

 「おまえの証言をのべよ」と王さまは怒ったようにいいます。「さもないと、ビクビクしているかにかんけいなく、おまえを処刑させるぞ」

 「あっしは貧しいものでして、国王陛下」と帽子屋さんはふるえる声できりだしました。「――そしてお茶もまだで――もう一週間ほどもなんですが――んでもって、バターパンもこんな心もとなくなってきて――それでキラキラの木が――」

 「キラキラのなんともうした?」と王さま。

 「ですから木からはじまったんでして」と帽子屋さんはこたえます。

 「キラキラがキではじまっておるのはとうぜんであろうが!」と王さまはきびしく申しわたします。「わしをそこまでうつけ者と思うか! つづけよ!」

 「あっしぁ貧しいもんでして」と帽子屋さんはつづけます。「でもって、それからはなんでもキラキラで――でも三月うさぎが言いますに――」

 「言ってない!」と三月うさぎがあわててわりこみます。

 「言った!」と帽子屋さん。

 「否認します!」と三月うさぎ。

 「否認しておる。その部分は除外するように」と王さま。

 「まあとにかく、ヤマネが言いまして――」と帽子屋さんはつづけてから、不安そうに首をまわして、ヤマネも否認するかどうか心配そうにながめました。が、ヤマネはぐっすりねむっていたので、なにも否認しませんでした。

 「それから、あっしはもっとバターパンを切って――」と帽子屋さん。

 「でもヤマネはいったいなんと言ったんですか?」と陪審の一人がききました。

 「それは思い出せません」と帽子屋さん。

 「なんとしても思いだすのじゃ。さもないと処刑するぞ」と王さま。

 みじめな帽子屋さんは、お茶わんとバターパンをおとして、片ひざをついちゃいました。「あっしは貧しいんです、国王陛下」と帽子屋さんは口を開きます。

 「はつげんのなかみは、たしかに貧しいな」と王さま。

 ここでモルモットが一匹、かんせいをあげて、すぐに廷吏(ていり)に鎮圧(ちんあつ)されました。(これはちょっとむずかしいことばなので、どういうふうにやったか説明しようね。おっきなずだぶくろがあって、口にひもがついていてしばれるようになってるんだけど、モルモットはそこに頭からおしこまれて、そしてみんなでその上にすわっちゃうんだ)。

 「いまのは見られてよかったな。よく新聞で、裁判の終わりに『拍手があがりかけたが、廷吏(ていり)によってそくざに鎮圧(ちんあつ)された』ってかいてあるのをよく見かけるけれど、いままでなんのことかぜんぜんわからなかったもん」とアリスは思いました。

 「それで知ってることのすべてなら、下がってよいぞ」と王さまがつづけました。

 「これ以上はさがれませんや、うしろに柵があるもんで」と帽子屋さん。

 「ではすわるがよい」と王さまがこたえます。

 ここでモルモットがもう一匹かんせいをあげて、鎮圧(ちんあつ)されました。

 「わーい、あれでモルモットはおしまいね。これでちょっとましになるかな」とアリスは思いました。

 「それよりお茶をすませたいんで」と帽子屋さんが女王さまを心配そうに見ると、うたい手のいちらん表をよんでいるではありませんか。

 「いってよし」と王さまがいうと、帽子屋はあわてて法廷から出ていって、くつをはくことさえしませんでした。

くつをはくことさえしませんでした。

 「――そしてあやつの頭を外ではねておしまい」と女王は廷吏(ていり)の一人に言い足しました。でも帽子屋さんは、その廷吏(ていり)がとびらにつくより先に、すがたを消してしまいました。

 「つぎの証人をよべ!」と王さま。

 つぎの証人は公爵夫人のコックでした。手にはコショウのはこをもっていて、とびら近くの人がいっせいにくしゃみをはじめたので、アリスはそれがだれだか、法廷に入ってくる前から見当がつきました。

 「証言をのべよ」と王さま。

 「やだ」とコック。

 王さまは心ぼそげに白うさぎを見ました。白うさぎは小声でもうします。「陛下、この証人を反対尋問(はんたいじんもん)しなくてはなりませんぞ!」

 「まあどうしてもというのなら、しかたあるまい」と王さまはゆううつそうなようすで言いました。そしてうで組みして、コックにむかってしかめっつらするうちに、目玉がほとんど見えなくなってしまって、そしてふかい声でいいました。「タルトはなにでできておるかな?」

 「コショウ、ほとんど」とコック。

 「とうみつ」とねむたい声がうしろでしました。

 女王さまがかなきり声をあげます。「あのヤマネをふんじばれ! ヤマネの首をちょん切れ! 法廷からたたき出せ! ちんあつしろ! つねれ! ヒゲをちょん切れ!」

 しばらくは、法廷ぜんたいがヤマネをおいだすので、混乱しきっていました。そしてそれがおちついたころには、コックは消えていました。

 「まあよい」と王さまは、いかにもホッとしたようすでもうしました。「つぎの証人をよんでまいれ」そして小声で女王さまにいいました。「まったくおまえ、こんどの証人はおまえが反対尋問(はんたいじんもん)しておくれ。まったくわしゃ頭痛(ずつう)がしてきた!」

 白うさぎがいちらん表をもたもたひらくのをながめながら、つぎの証人はどんな生き物かなと、アリスはまちどおしくてたまりませんでした。「――だってこれまではたいしたしょうこはまだ出てきてないんですもん」とアリスはつぶやきました。白うさぎが小さなかんだかい声をめいっぱいはりあげて、つぎの証人の名前を呼んだときに、この子がどんなにおどろいたか、想像できますか? 白うさぎのよんだ名前は:「アリス!」


12. アリスのしょうこ

陪審席をスカートのはしにひっかけて……

 「ここです!」とアリスは声をあげ、いっしゅんこうふんしてここ数分で自分がどれほど大きくなったかをすっかりわすれ、あわてて立ち上がりすぎて、陪審席をスカートのはしにひっかけてたおしてしまい、おかげで陪審たちがその下のぼうちょう席に、頭から浴びせられることになってしまいました。そしてみんなベシャッと横になって、アリスは先週うっかりひっくりかえした金魚鉢のようすを、まざまざと思いだしました。

 「あらほんとうにごめんなさい!」アリスはうろたえてさけび、できるだけすばやくみんなをひろいあげました。金魚鉢の事故が頭のなかをかけめぐって、なんだかすぐにあつめて陪審席にもどしてあげないと、みんなすぐに死んじゃうような気がばくぜんとしたのです。

 王さまがとてもおもおもしい声でもうします。「陪審員が全員しかるべきいちにもどらないかぎり、裁判をすすめることはできない――全員、だぞ」と、とても強くくりかえしながら、アリスをにらみつけます。

 陪審席をみてみると、あわてていたせいで、トカゲをさかさにつっこんでしまったのがわかりました。かわいそうなトカゲはかなしそうにしっぽをふって、まるでみうごきができずにいたのです。すぐに出してあげて、ちゃんともどしてあげました。「でもべつにたいしたちがいじゃないと思うけれど。あのトカゲなら、さかさだろうと裁判にはまるっきりえいきょうしないと思う」とアリスは考えます。

 陪審たちが、ひっくりかえされたショックからすこし立ちなおり、石板と石筆がみつかってかえされると、みんなすぐにこの事故のけいかを、こまごまと書きつけはじめました。ただしトカゲだけはべつです。トカゲはショックがつよすぎて、口をぽかーんとあけて法廷の屋根を見あげながら、すわっているだけでした。

 「このいっけんについて、なにを知っておるかね?」王さまはアリスにききました。

 「なんにも」とアリス。

 「なにもまったく?」と王さまがねんをおします。

 「なにもまったく」とアリス。

 「これはきわめて重要(じゅうよう)じゃ」と王さまはばいしんにむかって言いました。ばいしんたちがこれを石板に書き始めたところで、白うさぎが口をはさみます。「非重要(ひじゅうよう)と、もちろん王さまはいわんとしたのです」その口ぶりはとってもそんけいがこもっていましたが、でも言いながら王さまにむかって、しかめっつらをして変な顔をしてみせています。

 「非重要(ひじゅうよう)じゃ、もちろんわしのいわんとしたのは」と王さまはあわてて言いました。そしてそのあとで「重要(じゅうよう)――非重要(ひじゅうよう)――重要(じゅうよう)――非重要(ひじゅうよう)――」と小声でぶつぶつつぶやいて、どっちのことばがしっくりくるかを決めようとしてるみたいでした。

 陪審(ばいしん)のなかには「重要(じゅうよう)」と書いたのもいたし、「非重要(ひじゅうよう)」と書いたのもいました。アリスは石板をのぞきこめるくらい近くにいたのです。「でもどうだっていいや」と思いました。

 このとき、しばらくノートにいろいろねっしんに書きつけていた王さまが「せいしゅくに!」とかなきり声をあげて、ほうりつ書をよみあげました。「規則だい四十二番。身のたけ1キロ以上のものは、すべて法廷を出なくてはならない」

 みんなアリスのほうを見ました。

 「あたし、身長一キロもないもん!」とアリス。

 「あるね」と王さま。

 「二キロ近くあるね」と女王さま。

 「ふん、どっちにしても、あたしは出ていきませんからね。それに、いまのはちゃんとした規則じゃないわ。いまでっちあげただけでしょう」

 「ほうりつ書で一番ふるい規則じゃ」と王さま。

 「だったら規則一番のはずだわ」とアリス。

 王さまはまっさおになり、ノートをあわててとじました。そして陪審にむかって小さなふるえる声で「判決を考えるがよい」ともうしました。

 「まだしょうこが出てまいります、おねがいですから陛下」と白うさぎがあわてて飛び上がりました。「ちょうどこのかみきれが手に入りましたのです」

 「なにが書いてあるのじゃ?」と女王さま。

 「まだあけておりませんで」と白うさぎ。「でもなにやら手紙のようで。囚人が書いたもののようです――だれかにあてて」

 「そうだったにちがいない。ただし、だれにもあてていないかもしれないぞ、めったにないことではあるがな」と王さま。

 「だれあて?」と陪審の一人。

 「あて先がまったくないのです。じつは、外側にはなにも書かれていないのです」こういいながら、白うさぎはかみをひらいて、つけたしました。「やっぱり手紙ではありませんでした。詩です」

 「囚人の筆跡かい?」とべつの陪審がききます。

 「それがちがうのです。一番なぞめいた部分ですな」と白うさぎ。(陪審たちはみんな、ふしんそうな顔をします。)

 「だれか別人の筆跡をまねたにちがいない」と王さま(陪審たちはみんな、顔がパッとあかるくなりました)。

 「おねがいです、陛下。わたしは書いておりませんし、だれもわたしが書いたとは証明できないはずです。最後にしょめいもないじゃないですか」とジャック。

 「しょめいしなかったのなら、なおわるい。きさまはまちがいなくなにかをたくらんでおったろう。さもなければ、正直者としてちゃんとしょめいをしたであろうからな!」と王さま。

 これにはあちこちではくしゅがおこりました。この日、王さまが言ったはじめての、まともにかしこいことだったからです。

 「これであやつのゆうざいが証明された」と女王さま。

 「ぜんぜんそんな証明にはならないわ!」とアリス。「だいたいみんな、なにが書いてあるかもまだ知らないくせに!」

 「読むがよい」と王さま。

 白うさぎはめがねをかけます。「どこからはじめましょうか、陛下?」

 王さまはおもおもしくもうします。「はじめからはじめるがよい。そして最後にくるまでつづけるのじゃ。そうしたらとまれ」

 白うさぎが読みあげた詩は、こんなものでした:

*     *     *     *     *

「きみが彼女のところへいって、
 ぼくのことを彼に話したときいた:
 彼女はぼくをほめてはくれたが、
 ぼくが泳げないといった。

 彼はみんなにぼくが去っていないと報せた
 (これが事実なのはわかっている):
 彼女がこの件を追求したら、
 きみはいったいどうなる?

 ぼくは彼女に一つやり、みんなはかれに二つやり、
 きみはぼくらに三つ以上くれた:
 みんな彼からきみへもどった、
 かつてはみんなぼくのだったのに。

 もしぼくか彼女がたまさか
 この事件に巻き込まれたら
 彼はきみにかれらを解放してくれという、
 ちょうどむかしのぼくらのように。

 ぼくの考えではきみこそが
   (彼女がこのかんしゃくを起こす前は)
 彼とわれわれとそれとの間に
 割って入った障害だったのだ。

 彼女がかれらを一番気に入っていたと彼に悟られるな
 というのもこれは永遠の秘密、
 ほかのだれも知らない、
 きみとぼくだけの秘密だから」

*     *     *     *     *

 「これまできいたなかで、もっとも重要なしょうこぶっけんじゃ」と王さまは、手もみしながらもうします。「では陪審は判決を――」

では陪審は判決を……

 「あのなかのだれでも、いまの詩を説明できるもんなら、六ペンスあげるわよ」(アリスはこの数分ですごく大きくなったので、王さまの話をさえぎっても、ちっともこわくなかったんだ)「あたしはあんな詩、これっぽっちも意味はないと思うわ」

 陪審(ばいしん)はみんな、石板に書きつけました。「この女性はあんな詩、これっぽっちも意味はないと思う」でもだれもそれを説明しようとはしません。

 「これっぽっちも意味がないなら、いろいろてまがはぶけてこうつごうじゃ、意味をさがすまでもないんじゃからの。しかしどうかな」と王さまは、詩をひざのうえにひろげ、かた目でながめてつづけます。「どうもなにかしら意味はよみとれるように思うんじゃがの。『――泳げないといった――』おまえ、泳げないじゃろ?」と王さまはジャックのほうをむきます。

 ジャックはかなしそうに首をふりました。「泳げそうに見えます?」(たしかに見えなかったね、ぜんしんがボールがみでできていたもの)。

 「いまのところはよいようじゃな」と王さまは、詩をぶつぶつつぶやきながら、先をつづけます。「『これが事実なのはわかってる』――これはもちろん陪審じゃな――『ぼくは彼女に一つやり、みんなはかれに二つやり』――なんと、これはこやつがタルトでしでかしたことではないか――」

 「でも、『みんな彼からきみへもどった』ってつづいてるじゃないの」とアリス。

 「ほうれ、そこにもどっておるではないか!」と王さまは勝ちほこって、テーブルのタルトを指さしました。「明々白々ではないか。しかし――『彼女がこのかんしゃくを起こす前』とは――つまよ、おまえはかんしゃくなど起こしたことはないと思うが?」と王さまは女王さまにもうしました。

 「一度もないわ!」と女王は怒り狂って、あわせてインクスタンドをトカゲに投げつけました。(かわいそうなビルは、あれから一本指で石板に書くのをあきらめていました。なんのあともつかなかったからです。でもいまや急いでまた書きはじめました。自分の頭をつたいおちてくるインキを、なくなるまで使ったのです)

 「ではこの詩があてはまらなくてかんしゃ(く)しよう」といって王さまは、にっこりと法廷を見まわしました。あたりはしーんとしています。

 「しゃれじゃ!」と王さまが、むっとしたようにつけたしますと、みんなわらいました。「では陪審は判決を考えるように」と王さまが言います。もうこれで二十回目くらいです。

 「ちがうちがう! まずは処刑――判決はあとじゃ!」と女王さま。

 「ばかげてるにもほどがある!」とアリスが大声でいいました。「処刑を先にするなんて!」

 「口をつつしみおろう!」女王さまは、むらさき色になっちゃってます。

 「いやよ!」とアリス。

 「あやつの首をちょん切れ!」女王さまは、声をからしてさけびます。だれも身動きしません。

 「だれがあんたたちなんか気にするもんですか!」とアリス(このときには、もう完全にもとの大きさにもどってたんだ)「ただのトランプの束のくせに!」

トランプすべてが宙にまいあがって……

 これと同時に、トランプすべてが宙にまいあがって、アリスのうえにとびかかってきました。アリスはちょっとひめいをあげて、半分こわくて半分怒って、それをはらいのけようとして、気がつくと川辺によこになって、おねえさんのひざに頭をのせているのでした。そしておねえさんは、木からアリスの顔にひらひら落ちてきた枯れ葉を、やさしくはらいのけているところでした。

 「おきなさい、アリスちゃん! まったく、ずいぶんよくねてたのね!」

 「ね、すっごくへんな夢を見たの!」とアリスはおねえさんに言って、あなたがこれまで読んできた、この不思議な冒険を、おもいだせるかぎり話してあげたのでした。そしてアリスの話がおわると、おねえさんはアリスにキスして言いました。「それはとってもふうがわりな夢だったわねえ、ええ。でもそろそろ走ってお茶にいってらっしゃい。もう時間もおそいし」そこでアリスは立ちあがってかけだし、走りながらも、なんてすてきな夢だったんだろう、と心から思うのでした。

 でもおねえさんは、アリスがいってしまってからも、じっとすわってほおづえをつきながら、夕日をながめつつアリスとそのすばらしい冒険のことを考えておりました。するとやがておねえさんも、なんとなく夢を見たのです。そしておねえさんの夢は、こんなぐあいでした。

 まず、おねえさんは小さなアリス自身のことを夢に見ました。そしてさっきと同じように、小さな手がこちらのひざのうえでにぎりしめられ、そして明るいいきいきとした目が、こちらの目をのぞきこんでいます――アリスの声がまざまざときこえ、いつも目にかぶさるおちつかないあのかみの毛を、へんなふり方で後ろに投げ出すあのしぐさも見えます――そしてそれをきくうちに、というかきいているつもりになるうちに、おねえさんのまわりがすべて、妹の夢の不思議な生き物にいのちをふきこむのでした。

 白うさぎが急ぐと、足もとで長い草がカサカサ音をたてます――おびえたネズミが近くの池の水をはねちらかして――三月うさぎとそのお友だちが、はてしない食事をともにしているお茶わんのガチャガチャいう音が聞こえます。そして運のわるいお客たちを処刑しろとめいじる、女王さまのかなきり声――またもやぶた赤ちゃんが公爵夫人のひざでくしゃみをして、まわりには大皿小皿がガシャンガシャンとふりそそいでいます――またもやグリフォンがわめき、トカゲの石筆がきしり、鎮圧されたモルモットが息をつまらせる音があたりをみたし、それがかなたのみじめなにせウミガメのすすり泣きにまじります。

 そこでおねえさんはすわりつづけました。目をとじて、そして自分が不思議の国にいるのだと、なかば信じようとしました。でも、いずれまた目をあけなくてはならないのはわかっていました。そしてそうなれば、まわりのすべてがつまらない現実にもどってしまうことも――草がカサカサいうのは、風がふいているだけだし、池はあしがゆれて水がはねているだけ――ガチャガチャいうお茶わんは、ヒツジのベルの音にかわり、女王さまのかなきり声は、ヒツジかいの男の子の声に――そして赤ちゃんのくしゃみ、グリフォンのわめきなど、いろんな不思議な音は、あわただしい農場の、いりまじったそう音にかわってしまう(おねえさんにはわかっていたんだ)――そして遠くでいななくウシの声が、にせウミガメのすすり泣きにとってかわることでしょう。

 最後におねえさんは想像してみました。この自分の小さな妹が、いずれりっぱな女性に育つところを。そして大きくなってからも、子ども時代の素朴で愛しい心をわすれずにいるところを。そして、自分の小さな子どもたちをまわりにあつめ、数々の不思議なお話でその子たちの目を、いきいきとかがやかせるところを。そのお話には、ずっとむかしの不思議の国の夢だって入っているかもしれません。そして素朴なかなしみをわかちあい、素朴なよろこびをいつくしみ、自分の子ども時代を、そしてこのしあわせな夏の日々も、わすれずにいるところを。

 

 ※不適切と指摘のあった言葉を一部変更しました。



 

 


  
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ふしぎの国のアリス アリス 

◆●▲アリス◆●▲

 ふしぎの国のアリス/1951年

この物語の主人公です。好奇心大せいで気が強いのでいつもいろいろな出来事がおこります。川辺にいると懐中時計を持った白ウサギが忙しそうに走っていきます。白ウサギの後を追いかけて不思議の国へ!アリスはそこで不思議なフシギな大冒険をします。

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ふしぎの国のアリス チシャ猫 

◆●▲チシャ猫◆●▲

 不思議の国のアリス/1951年

いつも大きな口でニヤニヤ笑っています。消えたり突然顔だけ現れたりと不思議な猫です。道に迷ったアリスに、ニヤニヤ笑いながら「そこらの奴らとは偉さがちがう」と歌ううぬぼれやさんです。

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ふしぎの国のアリス ハートの女王 

◆●▲ハートの女王◆●▲

ふしぎの国のアリス/1951年

気が短くていつも怒っているトランプの女王です。フラミンゴのクラブにハリネズミのボールで遊ぶヘンテコリンなクロッケーゲームが大好きです。女王はアリスを試合に誘いました。

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◆●▲白ウサギ◆●▲

 ふしぎの国のアリス/1951年

鼻にめがねをかけて、傘と懐中時計を持った白いウサギは、いつも大急ぎです。アリスはこの白ウサギの後を追って不思議のくにへと迷い込みました。

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◆●▲ヤング・オイスター◆●▲

ふしぎの国のアリス/1951年

牡蠣の赤ちゃんヤング・オイスターは、双子のトゥイードルディーとトゥイードルダムが話してくれた「セイウチと大工の話または可哀想な牡蠣の話」に登場します。

 不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス

ふしぎの国のアリス 双子の兄弟 

双子のトゥイードルディーとトゥイードルダム

ふしぎの国のアリス マッドハッター 

マッドハッター

ふしぎの国のアリス トランプの兵隊 

トランプの兵隊

 不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス不思議の国のアリス

アリスの姉
ダイナ:アリスの飼い猫
ドアノブ:おしゃべりな案内人
ドーマウス:居眠りしてるヤマネ
ハートの王様:ハートの女王の夫
トランプの庭師:バラを赤く塗っている家来
イモムシ:キノコの上でキセルを吸っている
トゥイードルディー&トゥイードルダム:森の中で出会う双子
大工・セイウチ:ディーとダムの話に登場する
ドードー鳥:コーカスレースをしようと言う鳥
ビル:トカゲ
その他多数・・・・・

 




  ヽ(゚∀゚*)ノ==3 ポチットヨロシク!

■本に登場する順番におおまかに紹介していきます■

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アリス

この物語の主人公。ウトウトしているアリスは不思議の国へと迷い込んでしまいました。

ベストを着た白ウサギ● 

夏の暑い日にアリスは姉と共に川辺にいました。姉は読書をしていましたがアリスは退屈していました。するとベストを着た白うさぎがアリスの近くを走り去っていきました。手には懐中時計を持って「たいへんだ、たいへんだー。遅刻しちゃうぞ!!」と独り言を言いながらウサギの穴へと飛び込んでいったのです。

金の鍵

細くて天井の低い場所のガラスのテーブルに置いてあった鍵。

DRINK ME と書かれた瓶

これを飲んだらアリスは10インチほど背丈がちいさくなりました。

EAT ME と書かれたケーキが入った小箱

これを食べたら背が高くなって天井に頭がつかえてしまいました。

涙の池

体の大きさが変わり悲しくなってアリスは大粒の涙を流して泣きました。その涙が溜まってできた池にアリスは落ちてしまいました。

コーカス・レース

ドードーが提案したレース。円のまわりを皆が好きなときに回りだし、好きなときに終わるレース。なかなか終わらないのでドードーが終わりを告げました。参加者全員が優勝しました。

いも虫

小さくなったアリスと同じくらいの背丈のキノコの上に、水キセルを吸いながらいも虫が座っていました。このキノコを食べたら大きくなったり小さくなったりすることを教えてもらう。

公爵夫人

女王陛下からクロッケーの参加の招待状をもらうが遅刻してしまう。

赤ちゃん

公爵夫人が抱っこしていた赤ちゃん。アリスが抱いていると豚のような顔になってきてしまいには本物の豚になって行ってしまう。

料理番の女

コショウをやたらとふりかける。突然まわりの物を投げつけて混乱さたのです。そして赤ちゃんをアリスに預け、クロッケーに出かけてしまいました。後に裁判の証人となる。

チェシャ猫

公爵夫人の家の暖炉の上にニヤニヤしながら座っていました。その後アリスが森を歩いていると木の上に現れ、帽子屋と三月うさぎの家へ行く道をアリスに教えました。スローケー場にも顔だけ姿を現しました。

三月うさぎの家

テーブルが置いてあり帽子屋と三月うさぎがでお茶を飲んでいました。ネムリネズミ(ヤマネ)がそこでぐっすり眠っていました。

帽子屋

帽子屋の『時』は止まったままでいつでもティータイムの時間。後に裁判の証人となる。

ハートの王様と女王様

女王様は気に入らないことがあるとすぐに「この者の首を切ってしまえ!」が口癖。アリスをクロッケーに誘いました。

ハートのジャック

女王様のパイを盗んだという容疑で裁判にかけられました。

 良ろしければクリックお願いします!

広島県廿日市女子高校生殺人事件 父親のブログ
バナー(468×60)

平成16年10月5日に広島県廿日市市上平良の民家で、女子高校生の北口聡美さん(当時17歳)が何者かに刺殺されました。聡美さんは刃物で10ヶ所近く刺されていました。騒ぎを聞きつけて駆けつけた祖母も、10ヶ所近く刺されて重傷を負わされました。犯人は若い男で現在逃走中です。

バナーの似顔絵がその男の顔です。 これは聡美さんの父親のブログのバナーです。お父さんの気持ちなどが綴られていて、一日も早く犯人逮捕が実現するように願っているのが伝わってきます。ブログのブックマークにはこの事件のテレビニュースや、犯人逮捕に結びつく情報提供をされた方に渡す謝礼金のちらしなどが載せられています。謝礼金は聡美さんの大学進学のために、コツコツと貯めたお金が使われるそうです。

自信がない情報などでなかなか勇気がでなくて警察に言えない方は、お父さんにメールをしてください。小さな情報でもいいからお父さんはほしいとおっしゃっています。

私は聡美さんのお父さんのブログから事件のテレビニュースを見て、この事件を思い出しました。凶悪事件を風化させないためにも、バナーを皆さんのブログに貼っていただいけるように協力をお願いします。

 <犯人の情報>

【事件当時の目撃情報】20歳ぐらい、身長約165cm~170cm
、がっちり形。目が細く、ほおにニキビのような跡。当時はやや茶髪で髪を立たせていた。

【服装】黒いよれよれのTシャツ。黒い綿パン。

【足跡】ダンロップ製の運動靴(約26~27センチ)

事件後髪型を変えているかもしれません。普段は似顔絵よりやさしい顔をしているかもしれません。2004年10月5日以降に落ち着きがなくなった、雰囲気が変わった、変わった行動をしていた等の人はいませんでしたか?

犯人の家族や周辺の人たちは変化に気付いているかもしれません。犯人が県外へ逃亡している可能性もあります。広島から遠い地でも情報がある可能性もあります。今更不確かな事は言えないと思わないでください。少しの勇気が事件解決への糸口となるかもしれません。

◆ダンロップの運動靴ですが、40代~60代の愛好家が多いようです。

20歳前後の若者が履く場合考えられることは・・・

1、値段が安いのに惹かれた。安売りの時は2000円でおつりがくる時もあります。

2、小学生~高校生が通学用などでダンロップの運動靴を履いている場合があります。若い子向けに防水性に優れ、軽く走りやすいダンロップの運動靴もあります。事件当時高校生だった可能性も十分考えられます。

3、靴の形が他のブランドスニーカーより幅広で甲高になっているので、そのような足の形の人

は若くても好んで履いている人もいます。とても歩きやすいようです。

もし3のような理由で履いていたのなら今でも幅広甲高の靴を好んで履いている可能性もあります。

他にも理由はあると思いますが、そういえばあの人・・・と心あたりのある方いらっしゃらないでしょうか?

DUNLOP製運動靴、他にも種類あり。広島県警察のHPの写真にリンクしてあります。

バナー設置にご協力していただける方へ

バナーの上で右クリックして〔名前を付けて画像を保存〕をしてからファイルをアップロードさせてください。リンク先URLはhttp://blog.goo.ne.jp/npo-friendsです。

バナーの直リンク(画像をコピーしてそのまま貼り付けること)はご遠慮ください。サーバーの負担となり画像が表示されなくなる可能性があります。

 

一人でも多くの方にこの記事を読んでいただけるように事件・犯罪バナーを一日一回クリックお願いしましす。             click hereにほんブログ村 政治ブログ 事件・犯罪へ  

 ~gooブログでバナー表示をさせる方法~

gooブログでうまくバナー表示できない時もあるようなので表示できるか試してみました。よろしければ参考にしてみてください。

 【報奨金の期間延長について 2009年2月28日付け】

情報提供に対して、公的資金による報奨金が支払われる制度ですが
もう一年延長される事となりました。

事件解決のご協力よろしくお願いします。

 


   

 

現在FC2共有プラグインで公開中のブログパーツです。

※ブログパーツ以外の利用では正しく動作しません。お試しは左上のブログパーツをクリックしてください。

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 《日本語→英語 自動翻訳 》

自分のブログをまるまる英語に翻訳します。このブログパーツは日本語以外を母国語としている方たちに役立つと思います。また英語の勉強をしている人やサイトを楽しくしたい人にもオススメです。 今回はイギリスの国旗を使いましたが、希望者がいればアメリカなどの他国の国旗バージョンも作ろうと思っています。 翻訳はGoogleを使用しています。ページがうまく表示されない場合はサイトのタイトルをクリックしてみてください。これで改善される場合が多いです。 下のマークやAliceは削除禁止です。

English
♥. ♠. ♣Alice  見本です。


<img height="18" src="http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" _fcksavedurl=""http://www.logosdictionary.org/images/flags/30x18/en.gif"" width="30" alt="" />
<a href="http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" _fcksavedurl=""http://translate.google.com/translate?u=<%enc_url>&langpair=ja%7Cen&hl=ja&ie=SJS"" title="<英語に自動翻訳・English Translation>" title="English"><font color="#0000ff">English</font></a><br/>
<a title=" &#9829;. &#9830;不思議の国のアリスの部屋&#9824;. &#9827; " accesskey="0" href="http://muryou8.blog114.fc2.com/"><font color="#808080">&hearts;. &spades;. &clubs;Alice</font><font color="#000000"> </font></a>

完璧な翻訳を求める方には不要なものですが、楽しんだり日本語がわからない方に役立てたい方はどうぞご自由にお使いください!!


 

《★超便利★ブックマーク登録》


このパーツを貼るとサイト訪問者がソーシャルブックマークへ追加する作業が簡単になるので、ブックマークしてもらえる確率が高くなります。 自分のサイトをブックマークしてもらうと被リンクが増えるので、SEO対策に力を発揮します。 Yahoo!,Google,livedoorClipにしましたが、そのまま使ってもいいですし、自分で順番を変えたり、MyYahooだけにしたりカスタマイズは自由です。しかし下のマークとAliceは削除禁止です。どうぞ自分なりに使いやすいようにしてください。 ブックマーク登録者が増えることを願っています。

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 見本です 
♥. ♠. ♣Alice

<a style="FONT-SIZE: 12px; TEXT-DECORATION: none" href="javascript:location.href=&quot;http://bookmarks.

yahoo.co.jp/bookmarklet/showpopup?ei=UTF-8&amp;u=&quot;%2bencodeURIComponent(location.href)%2b&quot;&amp;t=&quot;%2bencodeURIComponent(document.title);"><img alt="" border="0" src="http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" _fcksavedurl=""http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110212449.gif"" /> Yahoo!に追加</a><br />

<a style="FONT-SIZE: 12px; TEXT-DECORATION: none" href="javascript:location.href=&quot;http://www.google.com/bookmarks/mark?op=add&amp;bkmk=&quot;%2bencodeURIComponent(location.href)%2b&quot;&amp;title=&quot;%2bencodeURIComponent(document.title);"><img alt="" border="0" src="http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071110213349.png" /> Googleに追加</a><br />

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<a title=" &#9829;. &#9830;不思議の国のアリスの部屋&#9824;. &#9827; " accesskey="0" href="http://muryou8.blog114.fc2.com/"><font color="#808080">&hearts;. &spades;. &clubs;Alice</font><font color="#000000"> </font></a>

 

 


 

《色つきスクロールバー》

ブログの記事がながくなってしまったときにこのスクロールを使うと便利です。横幅は自動でサイトに合うようにしてあります。色が付いているので、どこにスクロールがあるかわかりやすいです。これはサイトに使用しているスクロールバーと同じ色です。その他の色も下にあります。好みに合わせてお使いください。

<DIV STYLE="HEIGHT:120PX;
OVERFLOW:AUTO;
SCROLLBAR-FACE-COLOR: #d3c2a3;
SCROLLBAR-HIGHLIGHT-COLOR: #ffffff;
SCROLLBAR-SHADOW-COLOR: #ffffff;
SCROLLBAR-DARKSHADOW-COLOR: #edd8d3;
SCROLLBAR-ARROW-COLOR: #b97575;
SCROLLBAR-BASE-COLOR: #edd8d3;
SCROLLBAR-3D-LIGHT-COLOR: #aa9f8c;>

<br /><!--ここから文字入れや、下のようにして画像を入れることもできます。-->

<p align="center"><a target="_blank" href="http://muryou8.blog114.fc2.com/"><img style="WIDTH: 105px; HEIGHT: 118px" height="112" alt="Merry Christmas" width="109" border="0" src="http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071030202920.jpg" /><br clear="all" /></a></p>


ただいまこの色つきスクロールは<br/>
FC2公開中です。<br/>
ほしい方はこのサイトから持っていくか<br/>
FC2からダウンロードしてください。<br/>

クリスマスツリーはおまけです。<br/>

 

<!--文字入れここまで。他の色がほしい方はhttp://muryou8.blog114.fc2.com/blog-category-11.htmlでお持ち帰りください。--><br/>
</div>

 

 

グリーンのスクロールです。 


<DIV STYLE="HEIGHT:120PX;
OVERFLOW:AUTO;
SCROLLBAR-FACE-COLOR: #9acd32 ;
SCROLLBAR-HIGHLIGHT-COLOR: #696969; 
SCROLLBAR-SHADOW-COLOR: #696969; 
SCROLLBAR-DARKSHADOW-COLOR: #98fb98 ;
SCROLLBAR-ARROW-COLOR: #696969 ;
SCROLLBAR-3D-LIGHT-COLOR: #98fb98;
SCROLLBAR-TRACK-COLOR: #f0ffff">


<br /><!--ここから文字を入れてください。下のようにして画像を入れることもできます。-->

<p align="center"><a target="_blank" href="http://muryou8.blog114.fc2.com/"><img style="WIDTH: 105px; HEIGHT: 118px" height="112" alt="Merry Christmas" width="109" border="0" src="http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071030202920.jpg" /><br clear="all" /></a></p>


今は120PXになっていますが、高さを<br/>
凝縮したいときは数値を変えてください。<br/>
幅は自動的にあわせてくれます。<br/>
<br/>

このパーツは数年前からサイトに<br/>
色を合わせながスクロール部分の<br/>
色を変えて使っていました。<br/>
FC2公開中です。<br/>

<!--文字入れここまで--><br/>
</div>


グレーのスクロールです。 

<DIV STYLE="HEIGHT:120PX;
OVERFLOW:AUTO;
SCROLLBAR-FACE-COLOR: #c0c0c0 ;
SCROLLBAR-HIGHLIGHT-COLOR: #696969; 
SCROLLBAR-SHADOW-COLOR: #696969; 
SCROLLBAR-DARKSHADOW-COLOR: #696969;
SCROLLBAR-ARROW-COLOR: #696969 ;
SCROLLBAR-3D-LIGHT-COLOR: #696969 ;
SCROLLBAR-TRACK-COLOR: #696969;">


<br /><!--ここから文字を入れてください。下のようにして画像を入れることもできます。-->

<p align="center"><a target="_blank" href="http://muryou8.blog114.fc2.com/"><img style="WIDTH: 105px; HEIGHT: 118px" height="112" alt="Merry Christmas" width="109" border="0" src="http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071030202920.jpg" /><br clear="all" /></a></p>


今は120PXになっていますが、高さを<br/>
凝縮したいときは数値を変えてください。<br/>
幅は自動的にあわせてくれます。<br/>
<br/>

このパーツは数年前からサイトに<br/>
色を合わせながスクロール部分の<br/>
色を変えて使っていました。<br/>
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<!--文字入れここまで--><br/>
</div>



黒のスクロールです。 

<DIV STYLE="HEIGHT:120PX;
OVERFLOW:AUTO;
SCROLLBAR-FACE-COLOR: #000000;
SCROLLBAR-HIGHLIGHT-COLOR: #cccccc;
SCROLLBAR-SHADOW-COLOR: #cccccc;
SCROLLBAR-DARKSHADOW-COLOR: #000000;
SCROLLBAR-ARROW-COLOR: #cccccc;
SCROLLBAR-3D-LIGHT-COLOR: #000000;
SCROLLBAR-TRACK-COLOR: #000000;">


<br /><!--ここから文字入、下のようにして画像を入れることもできます。-->

<p align="center"><a target="_blank" href="http://muryou8.blog114.fc2.com/"><img style="WIDTH: 105px; HEIGHT: 118px" height="112" alt="Merry Christmas" width="109" border="0" src="http://blog-imgs-11.fc2.com/m/u/r/muryou8/20071030202920.jpg" /><br clear="all" /></a></p>


今は120PXになっていますが、高さを<br/>
凝縮したいときは数値を変えてください。<br/>
幅は自動的にあわせてくれます。<br/>
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このパーツは数年前からサイトに<br/>
色を合わせながスクロール部分の<br/>
色を変えて使っていました。<br/>
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<!--文字入れここまで--><br/>
</div>



  


 


 

 

ルイス・キャロル Lewis Carroll

数学者・数学講師・論理学者・写真家・作家・詩人


 

  1832年   1月27日イングランド北西部、ダーズベリーで教区の終身副牧師

       チャールズ・ドジソンの第三子(長男)としてルイス・キャロル誕生

       する。

       本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン Charles Lutwige Dodgson  


   1843年  父親チャールズ・ドジソンは北ヨークシャー州クロフトのセント・ピ

       ーター教会の牧師に就任。キャロル11歳。


 1844年   リッチモンドの寄宿学校(グラマースクール)に入学。成績良好で快適な

        生活を送る。パブリックスクールへの入学準備をする。 


 1846年   英国でもっとも有名なパブリックスクールのラグビー校に入学する。


 1851年   1月24日、オックスフォード大学クライスト・チャーチ学寮に入学。

        学期が始まった直後に母親フランシスが亡くなる。


   1852年  試験に合格し特別研究生に任命される。これは生涯独身で聖職

       に就けばクライスト・チャーチにとどまるという資格を保証するもの。

       数学の面で頭角をあらわす。


 1854年  学士号を授与され学生寮にとどまる。聖職任命の準備にとりかかる。


 1856年   学寮長ヘンリー・ジョージ・リデルの娘アリスに出会う。アリスは

       三姉妹の真ん中で4歳。 三姉妹の写真を撮ったり散歩などして

       一緒に遊ぶのが日課になる。 


 1857年  修士号を取得。 


 1861年  国教会執事に任命される。正式な牧師の道には進まず。


 1862年  7月4日にアリスたち三姉妹と友人ダックワースと川でボート遊び。

       三姉妹に『アリス』の話を初めて聞かせる。この時の話をもとに『地下

       の国のアリス』が生まれる。それをアリス・リデルのために書き留める

       ことを決意する。


 1863年  友人ジョージ・マクドナルドが『アリス』の出版を勧める。ジョン・テニエルが

       絵を入れるという条件で出版を承諾する。マクミラン社からの出版が決まる。


 1865年  『不思議の国のアリス』出版。リデル家と不仲になる。

 

  1867年  『鏡の国のアリス』 の構想を練り始める。


 1868年  父親チャールズ・ドジソン死去。


 1871年  ジョン・テニエル挿絵で12月のクリスマスにあわせて『鏡の国のアリス』  

       が出版される。  


1880年  突然写真を撮るのをやめる。


1881年  文筆に専念するためにクライスト・チャーチの数学の講師職を辞任する。 


 1882年  教授社交室主任に選ばれる。


 

 1886年  『地底の国のアリス』を出版する。


 1891年  資産家レジナルド・ハーグリーヴス夫人となったアリス・リデルと再会

       する。


 1892年  教授社交室主任を退職する。


 1897年  12月23日妹の家にクリスマス休暇を過ごしに行く。そのあいだに

        風邪をこじらせる。


 1898年   こじらせた風邪が気管支炎に発展し1月14日に息をひきとる。

        享年65歳。

 


 

  不思議の国のアリスの出版を強く勧めたジョージ・マクドナルドの子供たちと一緒にいるルイス・キャロル。

      

 

 

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アリス・プレザンス・リデル Alice Pleasance Liddell (1852年5月4日~1934年11月16日)  Alice

Sleeping Alice  撮影チャールズ・ドジソン(ルイス・キャロル)


 

写真は『不思議の国のアリス』のモデルになったアリス・リデル。ルイス・キャロルがオックスフォード大学で数学の講師をしていた時の学寮長の娘。学寮長ヘンリー・ジョージ・リデル(1811年~1898年)にはヘンリー(ハリー)、ロリーナ、アリス、イーディスという4人の子どもがいた。

アリスとキャロルの出会いは1856年4月末のことであった。キャロルは友人と学寮長宅に出かけた。その庭で遊んでいたのがアリス・リデルたち三姉妹だったのだ。アリス4歳。

キャロルはそれから学寮長宅に足しげく通った。そして三姉妹たちをよくボート遊びに誘った。アリスは後にこのボート遊びのことをこのように回想している。

「わたしたちは乳母に付き添われてドジソンさんのお宅へでかけて行ったものです。部屋へ着くと大きなソファーに座って彼の脇でお話を聞きました。ドジソンさんは話しながら鉛筆やインクで絵を描いて説明をしてくれました。午後にドジソンさんに連れられて川へ出かけるときはいつもお菓子のいっぱい詰まったバスケットを持ってきてくれました。メンバーは5人くらいでした。ドジソンさんはいつもオックスフォードの聖職者が着る黒い服を着ていましたが、川につれて行ってくれるときは黒いシルクハットの変わりに白いカンカン帽をかぶっていました。いつでも背筋をのばしていました。」

アリスはその後リデル夫人によりドジソンと会うことを禁止される。一部の研究者によるとドジソンがアリスに深い愛情を抱いており、結婚を申し込んだという仮説もある。しかし、それを否定する研究者も少なくはない。ドジソンは生涯独身を貫いたことや少女の写真ばかり撮ったことでロリコン説もあるが、独身を貫いたのは大学との契約があったからである。つまり結婚イコール大学を退職するということであった。アリスが回想するときはいつも「わたしたち」と言い単独でドジソンと会っていたとはあまり想像つきにくい。

アリスはクライスト・チャーチでキャロルの後輩であった大資産家のレジナルド・ハーグリーヴスと結婚した。 1934年11月 82歳永眠


 

アリス・リデル  撮影ルイス・キャロル


  

アリス・リデル  撮影ルイス・キャロル


アリス リデル  

アリス・リデル  撮影ルイス・キャロル


 

リデル三姉妹  撮影ルイス・キャロル


Alice&Lorine
 アリスとロリーナ

撮影ルイス・キャロル


 

Alice
アリス・リデル

ルイス・キャロルはこの写真が最後のアリスの撮影となってしまった。


 アリス・リデル エルドリッジ・R・ジョンソン

80歳のアリス・リデルと ビクタートーキングマシンの創設者であるエルドリッジ・R・ジョンソン。

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不思議の国のアリスの部屋 チェシャ猫  


CheshireCat


チェシャ猫あるいはチェシャー猫はディズニーではチシャ猫と呼んでいます。なぜこのニヤニヤ笑った猫はチェシャ猫と名づけられたのか?さまざまな説があります。一番有力な説はルイス・キャロルがチェシャー州出身だからということです。


もうひとつの説はチェシャー州チェスター出身にジョン・キャザレルという男性がいました。1304年という年号が書かれた彼の紋章には猫が描かれていました。そして彼は怒ると猫のように歯をむき出しにするクセがありました。彼の死後チェスターへの貢献をたたえてチェシャー・チーズはニッコリ笑った猫の形になりました。そこからチェシャー猫という名前がついたという説もあります。


いろいろな説が専門家によって言われていますが事実はルイス・キャロル本人に聞かなくちゃわからないですよね。


 



ドードー


大航海時代1507年代にモーリシャス島に上陸したポルトガル人がこの鳥を発見しました。人を恐れぬ鳥なので彼らはお馬鹿さんという意味のドードーという名前をこの鳥につけました。ハトの仲間で正式な学名はRaphus cucullatusといいます。


ヨーロッパにつれてこられて多数のドードーが見世物にされました。また1600年代には、ハプスブル家の皇帝ルドルフ二世が自分の所有する温室で、ドードーなど世界中からめずらしい動物を集めてきて飼っていました。インドでもドードーが目撃されているので世界各地に連れていかれたのかもわかりません。


島に住みついた人間や動物、乱獲者によって18世紀には完全にドードーは絶滅してしまいました。今では幻の鳥となってしまいました。ルイス・キャロルは絶滅したこのドードー鳥を『不思議の国のアリス』に登場させたので、再びドードー鳥が世界中に知れ渡るようになりました。


 


 




 





The Nursery Alice 子供部屋のアリス


1865年に出版されたAlice's Adventures in Wonderlandの挿絵は白黒の彫刻でした。色がつけられたのは1980年に出版された「子供部屋のアリス」という本です。テニエルによって色付けがされました。そのときのアリスは黄色の服を着ていました。


 


当時人気だった画家のガートルード・トムスンが表表紙と裏表紙の絵を担当しました。



裏表紙には三月うさぎが描かれています。


 

アリス 黄色の服

 


 


色付けされていない時のアリスと比べると、色付けされたアリスは頭や腰にも青色のリボンを付けてスカートのギャザーも増えてかわいらしくなっています。不思議の国のアリスといえば青(水色)の服という印象を持つ方が多いと思いますが、元々は黄色というのがアリスの服の色でした。

ルイス・キャロルの死後、ロンドンのマクミラン社が1911年に、テニエルの承諾を得て色彩を新しくしました。その時のアリスの服は薄い青みががかった紫色のような服になりました。

 


その後ディズニーが「鏡の国のアリス」と「不思議の国のアリス」を融合させて作ったアニメーションが「ふしぎの国のアリス」。世界中で親しまれているアリスの青色の服が着せられたのです。









 







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